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薔薇十字の覚醒
The Rosicrucian Enlightenment[詳細]

目次著者紹介関連図書関連情報


魔術 マギア と カバラ と練金術 アルキミア
「科学革命」を生んだのか?
知的興奮あふれる衝撃作、ここに復活!
—ヒロ・ヒライ
(ルネサンス学/学術ウェブサイトbibliotheca hermetica[BH]主宰)

17世紀、新・旧教諸国間の抗争が絶えないヨーロッパに
突如とどろきわたった「薔薇十字宣言」。
それは「魔術(マギア)とカバラと錬金術(アルキミア)」を原動力に、
独自のユートピアに基づく新時代の幕開けを告げていた。
その背後に潜むのは知識の秘密結社、薔薇十字友愛団。
彼らの「見えない革命」は、ルネサンスと科学革命の時代をつなぐ、
隠されたヨーロッパ精神史を形づくる……。




■目次

第1章 王家の婚礼 王女エリザベスとファルツ選帝侯の結婚

婚礼に秘められた意味/テムズ川とライン川の合流/祝宴の終わりとファルツ統治のはじまり/17世紀文化の光輝

第2章 ボヘミアの悲劇 ファルツ選帝侯フリードリヒ五世の凋落

悲劇への伏線/ボヘミア王位継承/ファルツ選帝侯の誤算/30年戦争の端緒を開く/ルネサンスと啓蒙主義の間の空白

第3章 薔薇十字運動の潮流 ジョン・ディーからボヘミアの悲劇へ

アンドレーエと『化学の結婚』/「福音軍事同盟」にはじまる/歴史の鍵を握るアンハルト侯/ジョン・ディーの影響/薔薇十字とボヘミアの悲劇…

第4章 ふたつの薔薇十字宣言 『名声』と『告白』

ルーマニアの俗物知識人グロスの主著で、韻文五幕の悲劇。スーダンの大反乱を舞台に、鏡像に復讐される支配者エル・マハディが描かれる。

第5章 第三の薔薇十字文書 『C・ローゼンクロイツの化学の結婚』

寓意画に描かれたハイデルベルク城/ローゼンクロイツが巡る幻想の七日間/『化学の結婚』が象徴するもの

第6章 薔薇十字哲学の代弁者たち ロバート・フラッドとミハエル・マイヤー

薔薇十字プロパガンダを進めた出版業者/フラッドとマイヤーの著作/ヘルメス的ルネサンス再興/マイヤーに流れるディーとブルーノの伝統…

第7章 ドイツの薔薇十字運動 その隆盛と終焉

薔薇十字宣言への熱い反応/目に見えない薔薇十字学院/友愛団の支持者たち/宗教的立場を超えた結社/薔薇十字運動終焉の秘密

第8章 フランスを襲った薔薇十字恐慌 流言と論争

薔薇十字友愛団に対する魔女狩り煽動/ヘルメス的伝統の中での位置づけ/メルセンヌ = フラッド論争/デカルトと薔薇十字友愛団/デカルトの後半生にまつわる謎

第9章 イギリスでの薔薇十字展開 フランシス・ベーコンとその著作

ベーコンの「学問と霊知の友愛団」構想/薔薇十字運動とベーコン哲学の符丁/ジェームズ一世治世下の思想活動/薔薇十字寓話『ニューアトランティス』…

第10章 イタリアの自由主義者と薔薇十字宣言 パオロ・サルピからトマソ・カンパネラへ

イギリス = ヴェネチア外交事情/『名声』に併録されたボッカリーニ文献/ブルーノ = ボッカリーニ = カンパネラ/閉じられた普遍的改革の扉

第11章 アンドレーエの薔薇十字解釈 キリスト教協会の結成とユートピア都市構想

演劇的表題としての薔薇十字友愛団/アンドレーエの創造したユートピア都市/「キリスト教協会」の実態/薔薇十字の夢の継承…

第12章 コメニウスとボヘミア薔薇十字騒動 『世界の迷宮』に描かれた顛末

ハイデルベルク時代のコメニウス/ファルツ侯に対するコメニウスの印象/薔薇十字への失望と幻滅/福音主義的敬虔さの中への逃避/天使からの「万有知」を得て…

第13章 目に見えない学院から英国学士院へ 薔薇十字運動の新たな展開

フリードリヒ五世の死と王妃のその後/王妃エリザベスが継承したもの/イギリスに広まる新たな改革の予感/魔術 = 科学的伝統の分離/英国学士院創立の隠された背景…

第14章 薔薇十字的錬金術へのアプローチ アシュモールとニュートン

17世紀イギリスの錬金術復興運動/アシュモールのジョン・ディー弁護/錬金術に関心をよせたニュートン/大英博物館の薔薇十字写本

第15章 薔薇十字主義とフリーメーソン 秘教的ルネサンスの遺産

薔薇十字友愛団は実在したか?/もうひとつの秘密結社の存在/建築史とフリーメーソン神話/エリザベス朝の秘教的影響/ルネサンスと科学革命を結ぶ運動

第16章 薔薇十字啓蒙運動 歴史から消えた一時代

歴史的枠組としての薔薇十字/薔薇十字の魔術的要素/科学の進歩を導いた宗教的立場/薔薇十字友愛団とイエズス会の共通項/薔薇十字の覚醒にむけて

付録 薔薇十字宣言『友愛団の名声』
         『友愛団の告白』
   薔薇十字運動参考系図
   薔薇十字運動参考年表



■著者紹介:フランセス・イエイツ Frances A. Yates

1899年、イギリス・ポーツマス生まれ。1924年にロンドン大学を卒業、1944年から同大学付属ワールブルク研究所の一員として、ルネサンス精神史研究に従事。ルネサンスのネオプラトン主義に底流するヘルメス=カバラ的伝統に注目し、魔術・錬金術などのオカルト哲学を視座としたルネサンス精神史の新しい解明を試みる。1967年以降、ワールブルク研究所名誉研究員、英国学士院会員。1981年、逝去。

邦訳書に『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』(工作舎)、『世界劇場』『魔術的ルネサンス』『シェイクスピア最後の夢』(以上、晶文社)、『記憶術』(水声社)、『星の処女神エリザベス女王』『星の処女神とガリアのヘラクレス』(以上、東海大学出版会)、『十六世紀フランスのアカデミー』『ヴァロア・タピスリーの謎』(以上、平凡社)、『ジョン・フローリオ』(中央公論新社)がある。




■関連図書(表示価格は税別)

  • ルネサンス・バロックのブックガイド  ヒロ・ヒライ=監修 工作舎 2800円
  • ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統  フランセス・イエイツ 工作舎 10000円
  • 記憶術と書物  メアリー・カラザース 工作舎 8000円
  • ルネサンスのエロスと魔術  ヨアン・P・クリアーノ 工作舎 4800円
  • キルヒャーの世界図鑑  ジョスリン・ゴドウィン 工作舎 2900円
  • 綺想の帝国  トマス・D・カウフマン 工作舎 3800円






  • ■書評

    ◎森毅氏(『朝日新聞』1986年9月15日)
    「薔薇十字の亡霊が17世紀ヨーロッパをさまよていたことは、たしかなことだ。イエイツによれば、それはエリザベス朝のジョン・ディーから、プラハのルドルフ朝に流れ、薔薇十字国家ファルツに結実し、30年戦争に圧殺された後は伝説として残った。表面的には魔術にたいして警戒的だったベーコンやデカルトにも、薔薇十字の反映が見られるし、英国学士院の誕生にまで、ハーグに亡命したボヘミア女王宮廷の投影を見逃さない」




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