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時代の動きに敏感な芸術家はいま、本をどのように表現しているのだろうか。 |
■目次より | ▲ |
巻頭カラー:本の美術ギャラリー |
■著者紹介:中川素子 Motoko
Nakagawa |
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1942年、東京生まれ。東京芸術大学美術学部大学院修了。文教大学教育学部教授(造詣芸術論)。 著書に現代美術の視点から新しい絵本論を展開した『絵本はアート:ひらかれた絵本論をめざして』(教育出版センター)があるほか、新聞や雑誌の読書欄、文化欄などで絵本論、現代美術論を執筆している。 |
■関連図書 | ▲ |
・本読みまぼろし堂目録 店主推奨700冊ブックガイド 荒俣宏 2500円 ・奇天烈紳士録 蔵書狂から暗号解読狂、UFO研究者まで 2500円 ・ビュフォンの博物誌 全図版をカラー復刻 荒俣宏=監修 12000円 ・キルヒャーの世界図鑑 よみがえる普遍の夢 渋澤龍彦+中野美代子+荒俣宏=付論 2900円 ・怪奇鳥獣図巻 大陸からやって来た異形の鬼神たち 伊藤清司=監修・解説 3200円 ・人間人形時代 穴のあいたタルホ・ブック 稲垣足穂 2200円 ・形の文化誌シリーズ 美術から宇宙まで形に遊び・驚き・学ぶ 2000円〜2600円 |
■書評 | ▲ |
◎矢川澄子氏(『週刊読書人』1995年4月14日) 「打明けていえば、単なる装幀美術の専門書でも読ませていただくつもりでのんきに書評を引受けてしまったわたしは、送られてきた一冊の禁欲的なたたずまいにいささかぎょっとしたのだった。この種の本にしては図版の挿入が少なすぎる。そう思いながらばらばらページを繰っているうちに、やがて見開きいっぱいにのせられた一枚の写真に行きあたって、手はおのずととまってしまった。 一見なんの変哲もないガラスの試薬瓶が3、40本、卓上に無造作におかれている。瓶にはそれぞれ白い粉が入っていて、その量も2、3分だったり9分どおり詰まっていたり、てんでんばらばらだ。もちろんラベルもひとつひとつ異なっている。不気味なまでに静かな薬品の陳列──けれどこれがなんでこの本の主題と関係があるのだろう? 本文を読んで疑問は氷解した。白い薬品と見えたのは、じつは本を燃やしたあとの砂状の灰だったのだ。作家は現代の日本人である。 そういえば最近読んだミステリーに、殺した夫の骨灰を砂時計につめて身近においている未亡人の話があった。人と本とどちらがきれいな粉になるのかは知らない。いずれにせよこの西村陽平氏の存在を教わっただけでも読者として得るところは大きかった。 西村作品ばかりではない。ここに論及された現代美術の数々は、筆者ならずともぜひ実物に接してみたくなるだろう。その意味でも信頼に値する案内役の登場といえよう」 |
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