[詳細] | |キーワード検索|HOME| | |
目次| 著者紹介|関連図書|書評|目録へ戻る(定価ほか) |
|
■目次より | ▲ |
日本語版への序 はじめに ヴィクトリア時代・エドワード時代の英国 第Ⅰ部 舞台背景 1章 主役は霊媒たち アマチュアとプロフェッショナル/優れた霊媒ダニエル・D・ホーム/ 若く美しい女性霊媒の出現/奇術かペテンか、心霊主義ブームの波紋 2章 交霊会の会員たち 政治家、弁護士、著述家:専門職の中流階級/勤勉なる労働者階級とオーウェン主義/ 心霊主義に関する出版ラッシュ/ロンドンに集う団体と協会の出現 第Ⅱ部 代用宗教 「キリスト教の危機」と「唯物論への反感」 3章 心霊主義とキリスト教 心霊主義は悪魔からの発信か/英国国教会のキリスト教心霊主義/ 教会の役割を問う/反キリスト教心霊主義の挑戦/「新しい天啓」を求める共通の基盤 4章 心霊研究と不可知論 宇宙の疑問符とシジウィックの知的探究/〈心霊研究協会(SPR)〉の先駆者たち/ 〈SPR〉初期の緊張関係/結論の出ない探究/すべての宗教の大前提 5章 神智学とオカルト 東洋の魅惑/心霊主義との親近性/H・P・ブラヴァツキーと〈SPR〉/ 著名な英国神智学者たち/マグダラのマリア/神智学という科学、宗教、哲学 第Ⅲ部 擬似科学 「科学」であることの信用 6章 心の概念を求めて 心身問題/骨相学とメスメリズム/非正統のパートナー/ 心理学と心霊研究の接近/心のひだを探るガーニーとマイヤーズ 7章 進化という難問 進化する脳・永遠の脳/『創造の自然史の痕跡』と「超・現世」/ 紳士と動物の間で:生理学者ロマーニズの信念/C・ダーウィンと交霊会/ ウォレスの心霊主義信仰/キリンの首はなぜ長いのか/ 「人間の進化」と道のより高度な法則 8章 物理学と心霊現象 絶対性の終焉/開かれた心を持つ人々/高名な科学者にして心霊研究者/ 自然の謎に憧れ続けた生涯/バレットの「透視と読心術」研究/超越的自己が潜んでいる/ 魂の不死性を信じたロッジ/エーテルの宇宙とアインシュタインの科学 |
■著者紹介:ジャネット・オッペンハイム Janet
Oppenheim 1948- |
▲ |
ニューヨーク・シティに生まれる。1970年にブライン・モーア・カレッジにて修士号、75年にコロンビア大学にて優等で博士号を取得。ワシントンD.C.のアメリカン大学歴史学部教授。 専門は19世紀と20世紀の英国史。アメリカの歴史学団体で積極的に活動し、多くの研究助成金とフェローシップを得ている。ルネッサンス期のフランスを専門とする歴史学者の夫J・H・サーマンとの間に一女がいる。著書は本書のほかに 『The Nationalization of Culture: The Development of State Subsidies to the Arts in Great Britain』(1977)、『Shattered Nerves: Doctors, Patients, and Depression in Victorian England』(1991)などがある。 |
■関連図書 | ▲ |
・ダーウィン 世界を変えたナチュラリストの決定版伝記 18000円 ・ダーウィンの花園 植物研究と自然淘汰説 4500円 ・ダーウィンと謎のX氏 第三の博物学者ブライスの消息 2816円 ・ダーウィンの衝撃 文学における進化論 4800円 ・エラズマス・ダーウィン チャールズの祖父の破天荒な生涯 6500円 ・ロシアの博物学者たち マルサスぬきの進化論の系譜 3800円 ・ビュフォンの博物誌 全図版をカラー復刻 12000円 ・大博物学者ビュフォン 18世紀フランスの変貌する自然観と科学・文化誌 6500円 ・眠りの魔術師メスマー 近代精神医療の先駆者の生涯 2900円 ・サイケデリック・ドラッグ 向精神物質の科学と文化 L・グリーンスプーンほか 5000円 |
■書評 | ▲ |
◎鈴木晶氏(『日本経済新聞』1992年3月22日) 「……本書を貫いている基本的主張はこうだ──19世紀には、すでに衰えを見せていたキリスト教への信仰にたいし、いわゆる近代科学の勃興が追い打ちをかけ、その結果、不安と恐怖が一般に広まった。心霊主義と心霊研究は、そうした一般の恐怖をなだめようとしたのだ、と。これにたいして現代日本では、近代科学にたいする信頼が揺らぎ、それがスピリチュアリズムの流行を招いている。 違いはまだある。現在、心霊現象をまじめに取り上げる職業的科学者はほとんどいないといっていいが、当時の英国では多くの高名な科学者が真剣に心霊現象の解明に取り組んだ。 ダーウィンの進化論を熱烈に応援したウォレスは心霊主義者でもあったし、有名な「心霊研究協会」には著名な科学者、思想家、作家が名を連ねていた。本書は、当時の物理学者、生物学者、心理学者、哲学者たちが心霊現象にたいしてどう反応したかという問題にもっとも多くのページを割いている。 500ページを超える大著だが、内容の充実した力作である。何よりも著者が徹底して客観的・中立的な立場を貫いている点が、読んでいて快い」 ◎矢代梓氏(『週刊読書人』1992年5月4日) 「……この書物は、19世紀中葉から今世紀初頭にかけての心霊主義運動の全貌を見事に描き切っているといってよい。…… この国における近代西洋科学の移入と制度化は、19世紀末葉の表層のみをかなり恣意的に取り出して実体化したものだった。心理学と精神分析が、人間の心という謎にどのように立ち向かおうとしつつ、学問を形成してきたか、この問いは真剣に考究されてこなかったといってよい。この意味で本書は、その問題を埋める、きわめて重要な問題を提起しているように思う」 |
注文 |
目録ヘ戻る|この頁のはじめに戻る |