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ハンズ・オンは楽しい[詳細]

目次著者紹介関連図書書評


こどもの感情教育の最前線

すきなだけ絵を描いたり、お買い物ごっこをしたり、
恐竜の骨をはずしたりつけたり…
こどものペースで楽しむこどもの博物館。
こどもがからだじゅうで、感じ、遊び、自然に学ぶことを
たいせつにする姿勢「ハンズ・オン」は、
こどものまわりのすべての人に、
こどもとのつきあいかたのヒントを教えてくれる




■目次より

プロローグ こどもの博物館をまるごと楽しむ こどもの発見博物館/科学発見博物館

1章 暮らしの中の再発見

   1・1 1840年代の暮らしを堪能する ロードアイランドこどもの博物館
   1・2 アート感覚で料理を体験 ベルギーこどもの博物館
   1・3 台所の今と昔 ボストンこどもの博物館
   1・4 家の中はどうなってる? ユーリイカ! こどものための博物館
   1・5 固定したものだってハンズ・オン! ブルックリンこどもの博物館
   1・6 日本の生活を足の裏で知る ボストンこどもの博物館

2章 社会を学ぶ

   2・1 郵便屋さんになったり、消防士さんになったり シアトルこどもの博物館
   2・2 ゴミとリサイクルを学ぶ ユーリイカ! こどもの博物館
   2・3 人形の家で宝探し ボストンこどもの博物館
   2・4 テレビ画面のウソとホントを実感 ボストンこどもの博物館
   2・5 東京のこどもたちは今 ボストンこどもの博物館
   2・6 多様な文化を理解する ボストンこどもの博物館

3章 自然を知る

   3・1 なんのホネだと思う? ボストンこどもの博物館
   3・2 虫の耳の場所 スタテンこどもの博物館
   3・3 濡れたって平気な水遊び スタテンこどもの博物館
   3・4 クマと遊ぶ虹のすべり台 こどもの発見博物館
   3・5 科学の遊び場 ボストンこどもの博物館
   3・6 ボールと追いかけっこ ボストンこどもの博物館
   3・7 ヘビにもさわってさわって バルセロナ科学博物館(TOCA TOCA)

4章 アートを遊ぶ

   4・1 からだでモネの睡蓮を感じる ソーホーこどものアート博物館
   4・2 歩いても、さわっても、楽しい音ばかり ユーリイカ! こどもの博物館
   4・3 手製楽器のコンサート レファーツ・ホームステッドこどもの歴史博物
館    4・4 建物全体を使った宝探し ロードアイランドこどもの博物館
   4・5 スモックを来て、アーティスト気分 ベルギーこどもの博物館

5章 アクティブな体験

   5・1 からだを目いっぱい動かして ボストンこどもの博物館
   5・2 自作のラップ・ミュージックで心を開く ブルックリンこどもの博物館
   5・3 インドネシア・バリのお祭りを再現 オランダ王立熱帯博物館こどもの博物館

6章 五感を働かせて

   6・1 二歳までの赤ちゃんの遊びスペース プリーズタッチこどもの博物館
   6・2 五感を発見する喜び ベルギーこどもの博物館
   6・3 脳みそから水ぶくれまで、自分を知る ボストンこどもの博物館
   6・4 一枚の羽根から学ぶこと ウェイブヒル環境センター
   6・5 アフリカを感じる メトロポリタン美術館

エピローグ 楽しさのひみつ

付記 こどもの博物館をささえるために
付録 こどもの博物館地図/年表/理念/こどものプログラム関連データ



■著者紹介

染川香澄 (そめかわ・かすみ)
1958年京都市生まれ。私立大学の児童図書館で司書を10年つとめた後、1993年夏、ボストンこどもの博物館でエキジビット・インタープリターを経験。秋から翌94年夏までニューヨーク・バンクストリート教育大学院大学で博物館教育コースを履修。帰国後、吹田恭子とエヴァ文化研究所を開設し、こどもの博物館のコンセプト普及につとめる。現在はフリーランスで講演、こどもの施設の取材、執筆、展覧会のプロデュース、ハンズ・オン施設の企画立案などをおこなっている。著書に『こどものための博物館:世界の実例を見る』(岩波書店)ほか。国立民族学博物館共同研究員。

吹田恭子 (すいた・きょうこ)
1948年香川県生まれ。京都市の学童保育指導員をへて、1971年より夫君とともに児童書専門店「きりん館」を経営。「こどもがいて、本がある」という視点で、こどもの欲求に応えられるような選書を心がける。こどもの博物館の理念に共鳴し、これからのこどもはコンピュータなどの新しいメディアを軽やかに使いこなすだろうが、だからこそ同時に五感をフルに働かせる体験の機会をもつことが必要だと考えている。編著書に『がくどうっこたち』(汐文社)、『こども発よむ114』(トーハン)など。絵本の会、日本こどもの本研究会会員。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 五つの感覚  イタロ・カルヴィーノ追想 F・ゴンザレス=クルッシ 2060円
  • 感覚の力   バラの香りにはじまる コンスタンス・クラッセン 2200円
  • 匂いの魔力  香りと臭いの文化誌 アニック・ル・ゲレ 2200円
  • 子どもの神秘生活  生と死、神・宇宙をめぐる証言 ロバート・コールズ 3800円
  • 本の美術誌  聖書からマルチメディアまで 中川素子 2500円
  • 身体化された心  行動から認知がはじまる F・ヴァレラ他 2800円
  • 育つ・学ぶ・癒す 脳図鑑21  ポジティブな脳の驚異 小泉英明 4800円



  • ■書評

    青柳潤一氏(『日本経済新聞』1996年12月1日)
    「「欧米のこども博物館の実情と理念をまとめた本なのだが、例えばボストンのこども博物館はこのハンズ・オンを確立し、普及させた館として名高い。東京のこどもの日常生活を展示した場所があり、同書はこう書く。「なかでも印象的なのは、地下鉄の展示。車両がどーんと一両置いてあって、吊革にぶら下がったり、ふわふわのシートに座ってみたり、自由に乗ってみることができます。アメリカの地下鉄のシートはたいていプラスチックで固いので、こどもたちはこのちがいも楽しんでいます」など、現場報告を柱に各館の理念を整理。多くの館が「見て、さわって、遊べる」という工夫にまい進している様子が分かる。

    濱田隆士氏(『ミュゼ』1998年10月号)
    「バリアフリーとかユニバーサルの発想の原点の一つ、触れてみる、触ってみるというプリミティブでしかも重要な博物館コンセプトをズバリと表すハンズ・オンの思想が、グローバルな視野でとらえられている。博物館のユーザーとしての立場であるから、自ずと文章表現も違う。こどもという、博物館客の最高の地位を占める対象を軸に展開される各館紹介には心が弾む」




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