めかくしジュークボックス[詳細]
イギリスの先端音楽雑誌『ザ・ワイアー』の名物インタビュー連載企画、「めかくしジュークボックス」。インタビュアーは音楽家に、前知識をまったく与えずにいくつかのレコードを聴かせ、曲を当てられるかを試し、それについての感想を聞いていく。まったく当てられずに慌てふためく者、意外なエピソードを披露する者、通常のインタビューでは得られないナマの音楽観がさらけだされる。
本書はこの連載の中から、ロック、テクノ、ヒップホップ、ドラムンベース、ジャズ、ワールドミュージック、現代音楽、さらにはDJまで、さまざまなジャンルの音楽家たち32人を精選。彼らの素顔がかいま見える貴重なインタビュー集であると同時に、ジャンルを超えたユニークなディスク・ガイドでもある。
■目次より |
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01 バリー・アダムソン (ex-マガジン、ex-ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ)
02 スティーヴ・アルビニ (ex-ビッグ・ブラック、ex-レイプマン)
03 ジャック・ブルース (ex-クリーム)
04 ギャヴィン・ブライアーズ (ex-ポーツマス・シンフォニア、現代音楽作曲家)
05 ハロルド・バッド (現代音楽作曲家)
06 ジョン・ケイル (ex-ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)
07 ネナ・チェリ- (ex-リップ・リグ&パニック)
08 コールドカット (DJチーム、ニンジャ・チューン主宰)
09 エルヴィス・コステロ (シンガー・ソングライター)
10 ホルガー・シューカイ (ex-カン)
11 アン・ダッドリー (ex-アート・オブ・ノイズ)
12 フューチャー・サウンド・オブ・ロンドン (テクノ/アンビエント・アーティスト)
13 ディアマンダ・ギャラス (アヴァンギャルド・ヴォーカリスト)
14 ブルース・ギルバート (ex-ワイアー)
15 フィリップ・グラス (現代音楽作曲家)
16 ゴールディー (ジャングル/ドラムンベース・アーティスト)
17 ピーター・ハミル (ex-ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター)
18 アイス・T (西海岸ギャングスタ・ラッパー、俳優)
19 リディア・ランチ (ex-ティーンエイジ・ジーザス&ザ・ジャークス)
20 ジェイムズ・マクミラン (現代音楽作曲家)
21 グラハム・マッセイ (808ステイト)(テクノ・アーティスト)
22 ミックスマスター・モリス (DJ、イレジスタブル・フォース)
23 アレックス・パターソン (オーブ)
24 ジョン・ピール (BBC Radio One DJ)
25 コートニー・パイン (ジャズ・サックス奏者)
26 ヘンリー・ロリンズ (ex-ブラック・フラッグ、ロリンズ・バンド)
27 マーク・E・スミス (ザ・フォール)
28 ソニック・ユース (アヴァンギャルド・ロック・グループ)
29 アリ・ファルカ・トゥーレ (アフリカ・マリ共和国ギタリスト)
30 ポール・ウェラー (ex-ジャム、ex-スタイル・カウンシル)
31 ジャー・ウォブル (ex-パブリック・イメージ・リミテッド)
32 ロバート・ワイアット (ex-ソフト・マシーン、ex-マッチング・モウル)
■佐々木敦の解説より |
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「取り上げられている曲に対しての各人のコメントが、ハッとさせられるような鋭さを持っている部分も多く、同じミュージシャンだからこそ看破しえるようなクリティカル・ポイントが、さりげなく曝け出されていくさまは、きわめて刺激的だ。……かつてなかったようなタイプの、非常に読みごたえのある一冊である。」
■関連図書(表示価格は税別) |
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■書評 |
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●リテレール別冊「いち押しガイド2001」 陣野俊史氏(文芸評論家)
耳の必要性を強く感じさせ、かつクイズ形式なのでどこから読んでもいいというラフな読みができた。
●musee vol.25 (Tower Records)
その意外さはアーティストをより身近な、あるいはより遠い、存在にしてくれる。
●2000.5.21 朝日新聞「新刊 私の◎◯」都築響一氏
選曲も人選もひねりが効いている。
●SWITCH 2000.6月号 猪野 辰氏
「おそらく今年出版される音楽本のなかでもかなり重要な1冊」
同時に『大ザッパ論』も「タイトルの感動的なまでに強烈なインパクトで書店を散策する者の足をすくませた名著」と大絶賛。
●CD Journal 2000.5月号
超豪華メンツが曲当てを楽しみ、批評家顔まけのするどい指摘も飛び出す。
●ブラック・ミュージック・レヴュー 2000.6月号
これぞ究極のブラインド・フォールド・テスト集
「ファンカデリックからノイバウテン、チボ・マットやマイルスのグシャグシャなライヴ・ヴァージョンを当てまくったヘンリー・ロリンズをさらに見直してしまった。
●STUDIO VOICE 2000.6月号
ギャビン・ブライアーズからアイスTまで。
“聴く行為から”ミュージシャンの音に対するスタンスを浮き彫りにする試み。
●REMIX 2000.6月号
ある意味爆弾発言本のような性格も持っており、さらにオソロシイことに、日頃自分の聴いている音楽が、ちゃんと自分の血となり肉となっているか、それがこのテストで一目瞭然に判明してしまう、と。
大事なのは“なに”を“どう”聴くか、そしてそこから一体何を得ることができたのか、音楽をただ消費するだけではツマらない。と、至極当たり前なことに立ち帰らせてくれる、そんな一冊なのであります。
●bounce 2000.5月号
辛辣な発言、驚きともいえる事実が(?)飛び出す興味深い内容で「えっこの人そんな人だったの……」ってことも多々。
●ミュージック・マガジン 2000.5月号
通常のインタヴューではなかなか引き出せない、その人の音楽的思想や性根などがついポロリとでてしまうことが本企画の醍醐味だが、そういう点で特に笑ったのは、インタヴュアーに腹を殴れと迫るディアマンダ・ギャラス。レコードって、つくづく偉大で楽しい発明品だね。
●クロスビート 2000.5月号
特に印象的だったのはゴールディ。『もし、俺の力が先人たちの力に基づいているなら、俺はそれよりもさらに強くなる。俺がやることを継承する奴は、全能になるんだ』…ぼくは大衆音楽の本質と未来、自分の使命について、これほど強く確信に満ちたミュージシャンの発言をみたことがない。
●GROOVE 2000.5月号
彼らがふだんどれだけ深く音楽を聴いてるかを如実に知れる大変興味深い内容。
●FMファン 2000.4.3号 安原 顯氏書評
音楽好きなら必読のとてつもなく面白い本
この連載が長続きしている理由は、ミュージシャンに「恥をかかせる」ことが目的ではなく、基本的にはゲストに関連のあるレコードをかけ、彼らとそのレコード、それから派生する好き、あるいは嫌いなミュージシャンの話を引き出すことあるからだ。とはいえ、『ザ・ワイアー』編集部も、われわれも、ゲストの「当てた、外した」に最も興味があることは言うまでもない。しかしもし「裏話」がなければ興味本位で終わってしまい、こうした本に纏められなかっただろう。企画の勝利である。
全文再録
●PLAYER 2000.5月号
(曲当てクイズの)正解よりもむしろその不正解から導き出される解答者のルーツや音楽観が興味深く、この企画の面白さはその1点に絞られていると言っても過言では無い。解答者も…涎モノのメンツがズラリ揃っている。
●2000.4.7 週刊読書人 神谷康宏氏(青山ブックセンター)
現代音楽のいかに多くが引用・編集から成り立っていて、にもかかわらずアーティスト達が腹の底では純な自己同一性というやつを信じているかについて考えさせられた。
●ELEKING 2000.3.15号
サンプリング・カルチャーの時代を象徴するような本