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ことたまのかたち[詳細]

目次著者紹介関連図書



『ことたまのかたち』p14天と地を繋ぐ

天と地を繋ぐ

筆は天と地を繋ぐ神秘なもの
 垂直にして天と繋がる
 その間に存する人
 その筆先に神が宿り
 その人の魂があらわれる


幼い頃より筆をもつことが好きだったが、その神秘性を知ったのは、この15年ほどのことだ。
文献上の毛筆の創始は紀元前の中国、秦の蒙恬将軍とされ、枯木を軸とし鹿毛を芯に羊毛を被いとしてつくった筆を、始皇帝に献上したのがはじまりとされている。しかし新石器時代にも、すでに毛筆でなければ描けない文様が、洋の東西を越えて、いたるところに残されている。筆は表現という行為にとって書くことのできないもののようだ。
私は、筆をもつときに感じる。穂先の命毛の点が天と地を繋ぐという神秘的な実感を、一人でも多くに伝えたいと願っている。そこには二度と同じものが生まれないという瞬間性、かすれや滲み、線の表現の奥行きがある。
筆をとる人の個性や表情が、何より見事に表現されている。(本文より)

『ことたまのかたち』p20ヒフミ祝詞
ヒフミ祝詞


■目次より

美を追う

天と地を繋ぐ
呼吸する文字
瞬間の美
総体の美
竹丈庵
かむながらのみち
ふるごとへ

祈ることば

言霊の幸はふ国
やまとことば
しきしまのみち
“かな”の創意
あわのうた
祝詞
神代文字
アヒルクサ文字

筆で結ぶ

筆が結ぶ世界



■著者紹介:川邊りえこ(かわべ・りえこ)

日本雅藝倶楽部、にっぽんや工房 主宰。書道家、美術家。日本文化を伝える啓蒙活動として1995年より会員制の「日本雅藝倶楽部」を東京と京都で主宰。また1990年より手掛けている日本の職人によるものづくり、日本の素材を提案する「にっぽんや工房」を運営。2004年には、書を中心とした日本の文化を世界の子供たちに伝える「雅藝日本文化交流基金」を立ち上げ、国際交流活動や子供ワークショップを展開している。自身のアート活動では、日本古来の伝統や美意識、神官としての幅広い知見をベースに、「KOTOTAMA」を展開している。
著書に『雅藝草子』(1998年、工作舎)がある。川邊りえこ 公式サイト




■関連図書(表示価格は税別)

  • 雅藝草子 (みやびごとそうし)   川邊りえこ/松田行正=造本 1800円
  • 文字の霊力  杉浦康平 2800円
  • にほんとニッポン  松岡正剛 1800円
  • にほんのかたちをよむ事典  形の文化会=編 3800円
  • 茶室とインテリア  内田 繁 1800円
  • 童の心で  歌舞伎と脳科学  市川團十郎+小泉英明 2400円






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