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靈獣が運ぶ アジアの山車 [詳細]

目次著者紹介関連図書書評



どよめきが聞こえる!

霊獣たちの力をかりて魂が上昇し……輪廻転生する。

ミャンマー、タイ、日本、インドネシア……
なぜ龍や鳥や象などが山車を飾るのか。
なぜ靈獣たちの力が此岸と彼岸をむすびつけるのか……
アジアの人びとが山車に托す想い、華麗な意匠にこめられた
祈りの心に触れていただきたい。(本書より)


靈鳥カラウェーを飾るミャンマーの舟山車『靈獣が運ぶ・アジアの山車』より
靈鳥カラウェーを飾るミャンマーの舟山車



■目次

第1部 送る舟・飾る船——アジア「舟山車」の多様性

はじめに 杉浦康平

1 仏像を運ぶ黄金の靈鳥船
 ——ミャンマーのカラウェー船
 ゼイヤー・ウィン

2 豊穣を招くナーガの舟山車
 ——タイのチャク・プラ祭
 スリヤー・ラタナクン+ホーム・プロムォン

   多頭のナーガが乱舞する
   ——スラーターニーのチャク・プラ祭
   黄 國賓

3 鳥(ガルーダ)と蛇(ナーガ)のシンボリズム
 ——動物信仰とタイの伝統文化
 ソーン・シマトラン

   ラオスのナーガ信仰 眞島建吉

4 山里をゆくオフネ
 ——信濃の舟山車の源流
 三田村佳子

   舟の祭り、船の魂 神野善治

5 龍の船・鳥の船
 ——浄土の夢運ぶ中国・日本の舟山車
 杉浦康平


第2部 「魂を運ぶ」聖獣の山車

はじめに 杉浦康平

6 空飛ぶ魂の「宇宙塔」
 ——バリ島の葬儀山車
 ナンシー・タケヤマ

7 「象+鳥」の力で飛翔する
 ——タイの葬儀山車
 ソーン・シマトラン

あとがき 地を動く、水を巡る、空を飛ぶ──アジアの山車  齊木崇人




信濃のオフネ『靈獣が運ぶ アジアの山車』より
信濃のオフネ


■著者紹介

神戸芸術工科大学(KDU)
 アジアンデザイン研究所(RIAD)

「“未来に向かう前方の一歩”に、“よき文化遺産に支えられた後方の一歩”を重ねあわせる。デザイン力を軸とし、アジアの若者たちの智慧と力を交えて再考する。伝統を継承し、発展させうる力を育ててゆくことが、アジアンデザイン研究所の果たす役割だろうと考える」…杉浦康平(所長)
RIAD(Research Institute of Asian Design)は、アジアの国々にいまも脈々と息づく古来の思想を、現在に蘇らせ世界に発信しようと、2010年に設立。
国際シンポジウムを連続的に開催し、その成果を『動く山・アジアの山車』(左右社、2012)にとして出版。本書が第2弾となった。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 多主語的なアジア 杉浦康平 2800円
  • アジアの音・光・夢幻 杉浦康平 2800円
  • 文字の霊力 杉浦康平 2800円
  • 宇宙を叩く 杉浦康平 3600円
  • 神戸芸術工科大学レクチャーシリーズ



  • ■書評

    2016.12.29 英字新聞 The Japan News 
    11/24付 読売新聞の杉浦康平インタビューが、12/29付で英字新聞 The Japan News に転載されました。ミャンマーのカラウェー船の写真が大胆にレイアウトされています。
    読売英字新聞The Japan News

    2016.12 民俗芸能学会『民俗芸能研究 第61号』紹介
    …杉浦氏が構成する本は、今回も従来通り、図版が盛り込まれた楽しい本であり、日本のフネ、舟・船・槽の三語や、かつて網野善彦氏が追求した球体を創造させる和船名「・・・丸」や服部幸雄氏が追求した芝居小屋の舟形のイメージなど、「フネの本質」に迫り得る問題が潜む。…(福原敏男氏)

    2016.12 ブッククラブ回ニューズレターvol.104
    アジアの人々は、「山車」にどんな思いを込めてきたのか。ミャンマーの黄金の靈鳥船や信濃のオフネ、バリ島の葬儀山車など、華麗な意匠にこめた祈りの心を豊富なカラー図版と共にひも解く。…

    2016.11.24 読売新聞 杉浦康平インタビュー
    「アジアの山車を読み解く」とのタイトルで、『靈獣が運ぶ アジアの山車—この世とあの世を結ぶもの』について、 「アジアの様々な宇宙観や宗教観などが、山車という一つの魅力的な形に集結する過程を調べたら興味あふれる世界が現れた…(中略) アジアの山車には、日本の山車を超える豊かな着想がある。そのことを今回の本で体験してほしい」と。
    読売新聞記事 杉浦康平インタビュー






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