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SPT 01[詳細]

目次執筆者バックナンバー


特集 戯曲〜ことばの持っている力




■目次より

表紙     表紙の言葉  大竹伸朗
対談     演劇言語の力  野村萬斎+永井 愛+松井憲太郎
戯曲の言葉
インタビュー 言葉をめぐって  野村萬斎
インタビュー 戯曲の言葉に向き合う  筒井康隆
戯曲の発生
論考     「言文一致」という幻想  小森陽一
エッセイ   世阿弥・戯曲の書き方  土屋恵一郎
論考     音と言葉と身体  鎌田東二
戯曲の形式
エッセイ   会話がもつ力  藤野千夜
エッセイ   「セリフ」と身体  川崎 徹
論考     舞台のことばとしての日本語  川田順造
エッセイ   音について  川村 毅
インタビュー シェイクスピアはどこまでシェイクスピアか?  奥泉 光+江戸 馨
戯曲の現在
対談     芝居のこと。映画のこと。漫画のこと。言葉のこと。  宮沢章夫+松尾スズキ
論考     日英文化フュージョンの到達点  小谷真理+佐藤嗣麻子
公演記録   MANSAI◎解体新書 その伍  野村萬斎+鴨下信一+国本武春
ブックレビュー 戯曲を読む楽しみ  岡崎武志
戯曲     求塚   鐘下辰男




■執筆者紹介 (五十音順/所属・役職は刊行時のもの)

江戸 馨(えど・かおる)
南インドの高校でシェイクスピア劇と出会い、国際基督教大学博士前期課程修了後、1990年に東京シェイクスピア・カンパニーを設立。以来、自ら台本を訳し、演出を手がけている。また、シェイクスピア作品のその後編なども執筆、「鏡の向こうのシェイクスピア」シリーズとして上演。キッド・アイラック・ホールでの朗読会夜話「月よ。。。」も好評。野中しぎのペンネームで児童書の翻訳も手がけ、すでに18冊の訳本がある。

大竹伸朗(おおたけ・しんろう)
1955年東京生まれ。画家。武蔵野美術大学在学中から国内外を巡り、美術活動を開始。82年に国内初の個展を、85年にロンドンICAで国外初の個展を開催。以来、絵画、立体作品、版画、コラージュ、印刷物、パフォーマンス(音)、絵本、写真、エッセイなど幅広く活動。画集、著書は『SO:大竹伸朗の仕事 1955-91』(UCA)、『日本景/ジャパノラマ』(朝日新聞社)、『ジャリおじさん』(福音館書店)、『既にそこにあるもの』(新潮社)、『18』(青山出版社)、『UK77』(月曜社)など多数。90年より愛媛県宇和島市に在住。

岡崎武志(おかざき・たけし)
1957年大阪市生まれ。ライター・編集者。立命館大学卒業。『朝日新聞』『サンデー毎日』などに書評連載、古本情報誌『彷書月刊』のサイトで「均一小僧の古本購入日誌」を公開中。古本好きの仲間と作るミニコミ誌『SUMUS』に参加、古本ではユーモア小説、演芸、出版マスコミなどの分野を収集する。著書は『古本極楽ガイド』『古本でお散歩』(ちくま文庫)、『文庫本雑学ノート』(ダイヤモンド社)、『古本病のかかり方』(東京書籍)など。現在、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」にレギュラー出演中。

奥泉 光(おくいずみ・ひかる)
1956年山形県生まれ。作家。国際基督教大学大学院比較文化研究科修了。86年『地の鳥 天の魚群』でデビュー。93年『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞および瞠目反・文学賞を、94年『石の来歴』で芥川賞を受賞。論理的、かつ知的な時空を超えたミステリー仕立ての作品は国内外で高い評価を受けている。代表作に『「我が輩は猫である」殺人事件』『グランド・ミステリー』『鳥類学者のファンタジア』『新・地底旅行』などがある。近畿大学国際人文科学研究所教授として教鞭もとる。

鐘下辰男(かねした・たつお)
1964年北海道生まれ。劇作家・演出家。劇団青年座研究所実習科を経て、87年に演劇企画集団THE・ガジラを創立。以降、劇作家・演出家として作品を発表。92年に『tatsuya—最愛なる者の側へ』などで第42回芸術選奨文部大臣賞新人賞受賞。97年には第32回紀伊國屋演劇賞個人賞を『PW』の戯曲と演出、文学座に書き下ろした『寒花』で受賞。また第5回読売演劇大賞の大賞・最優秀演出家賞『PW』『温室の前』『仮釈放』『どん底』の4作品で受賞。多方面に仕事の幅を広げながら、常に日本人を見据えた作品を創り続けている。

鎌田東二(かまた・とうじ)
1951年徳島県生まれ。國學院大學大学院修了。京都造形芸術大学教授。宗教哲学・日本思想史・民俗学。文学博士。東京自由大学運営委員長。猿田彦大神フォーラム世話人代表。専門の宗教哲学の範囲にとどまらず、猿田彦神社の「おひらきまつり」や「神戸からの祈り」などの新しい祭りの創出や各種イベントを開催。また、「神道ソングライター」としてCDリリース。石笛奏者でもある。主な著書は『翁童論』四部作、『記号と言霊』『聖なる場所の記憶』『神界のフィールドワーク』『神と仏の精神史』『神道のスピリチュアリティ』『呪殺・魔境論』など。

鴨下信一(かもした・しんいち)
1935年東京生まれ。演出家。1958年東京大学美学科卒業後、TBSに入社。ドラマ、音楽などの番組を数多く演出する。現在、TBSテレビ相談役。主な作品は『岸辺のアルバム』『ふぞろいな林檎たち』『女たちの忠臣蔵』『高校教師』『日曜劇場』など。また、舞台演出家としても活躍。特に白石加代子の『百物語』『源氏物語』は、朗読を見事な一人芝居に高めた画期的な作品として注目を浴びている。主な著作は『忘れられた名文たち』1・2、『面白すぎる日記たち』『会話の日本語読本』『日本語の呼吸』など。

川崎 徹(かわさき・とおる)
1948年東京生まれ。CMディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業後、電通映画社に入社。82年に(株)マザース設立。ナショナル・トランザム「高見山」、フジカラー「美しい人はそれなりに」でACC全日本CM大賞グランプリを受賞。「よろしいんじゃないですか」「いいなあーアレ」「一般大衆」「会社の方針」「ヤリ貝クン」などの流行語を生んだCMを多数担当。著書に『0ゼロ』『1/8のために』『ヌケガラ』などがある。

川田順造(かわだ・じゅんぞう)
1934年東京深川生まれ。東京大学教養学科(文化人類学分科)卒業。パリ第五大学民族学博士。現在、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科教授(講義「歴史と民俗の交錯」)、日本常民文化研究所所員。著書に『無文字社会の歴史』(岩波現代文庫)、「聲』(ちくま学芸文庫)、『口頭伝承論』(平凡社ライブラリー)、『コトバ・言葉・ことば』『アフリカの声:<歴史>への問い直し』(青土社)、『人類的認識論のために』(岩波書店)などがある。

川村 毅(かわむら・たけし)
劇作家・演出家。T factory主宰。同ストーリーの小説「夜」を文芸誌「すばる」04年5月号に、戯曲『クリオネ』を05年2月ザ・スズナリ、大阪・精華小劇場で発表する。この『クリオネ』は5月に戯曲を立ち上げるワークショップ、12月世田谷パブリックシアター・ドラマリーディングを経ての完成となる。近年の作品に『現代能楽集1 AOI/KOMACHI』(03年 シアタートラム)、『ハムレットクローン』(04年ブラジルツアー/サイスタジオコモネA)等。https://www1.odn.ne.jp/info/t_factory/

国本武春(くにもと・たけはる)
1960年生まれ、浪曲師。父は天中軒龍月、母は国本晴美、ともに浪曲師。19歳で”語り”で表現することの魅力に取りつかれ東家幸楽に入門。82年に初舞台、87年頃から独自の三味線奏法を開発、ロックやR&Bに「語り」と三味線が合体した”弾き語り”スタイルを確立。文化庁芸術祭新人賞、芸術選奨文部大臣新人賞、国立演芸場花形演芸大賞等を受賞。主な作品に<引き語り『ザ・忠臣蔵』><ブロードウェイ・ミュージカル『大平洋序曲』主演><米国アカデミー賞ノミネート作品短編アニメ『頭山』〜語りと音楽担当〜>など。

小森陽一(こもり・よういち)
1953年生まれ。北海道大学文学部、同大学院文学研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は日本近代小説(表現論・文体論)、近代日本の言語態分析、現代日本の小説と批評など。主な著書に『構造としての語り』(新曜社)、『日本語の近代』『ポストコロニアル』(岩波書店)、『漱石を読みなおす』(筑摩書房)、『小森陽一—ニホン語に出会う』(大修館書店)、共編著に『越境する知』(東京大学出版会)、『歴史教科書 何が問題か』(岩波書店)などがある。

外岡秀俊(そとおか・ひでとし)
1953年生まれ。77年朝日新聞社入社。新潟、横浜支局、東京本社学芸部、社会部を経て89年から93年までニューヨーク特派員。そのころブロードウェーで200本以上の劇・ミュージカルを観て演劇好きになる。その後論説委員、編集委員などを経て02年からヨーロッパ総局長。著書に『地震と社会』など。

土屋恵一郎(つちや・けいいちろう)
明治大学法学部卒業、明治大学大学院法学研究科修士課程修了。現在、明治大学法学部教授。研究分野は近・現代における法の理念。能楽、歌舞伎、狂言、日本舞踊、バレエ、モダンダンスなどにも造詣が深く、評論家としての活動だけではなく、新作能のプロデューサー・芸術監督も務める。著書は『社会のレトリック』(新曜社)、『ベンサムという男』(青土社)、『独身者の思想史』『正義論/自由論』『処世術は世阿弥に学べ!』『狂言三人三様 野村萬斎の巻』『元禄俳優伝』(岩波書店)ほか多数。

筒井康隆(つつい・やすたか)
1934年大阪府生まれ。作家・俳優。同志社大学文学部卒業。60年SF同人誌「NULL」を主宰、同誌に発表した「お助け」が江戸川乱歩に認められ、作家活動を始める。81年『虚人たち』で第9回泉鏡花賞を、87年『夢の木坂分岐点』で第23回谷崎潤一郎賞を、89年『ヨッパ谷への降下』で第16回川端康成文学賞を、92年『朝のガスパール』で日本SF大賞を、99年『私のグランパ』で第51回読売文学賞をそれぞれ受賞。『筒井康隆全集』(第1期)24巻がある。映画、演劇、テレビドラマへの出演でも活躍。

永井 愛(ながい・あい)
東京生まれ。劇作家・演出家。1981年劇団二兎社を旗揚げ、作・演出を手がける。第1回鶴屋南北戯曲賞、芸術選奨文部大臣新人賞、岸田國史戯曲賞、第52回読売文学賞(シナリオ戯曲賞)、第1回朝日舞台芸術賞秋本松代賞など多数の賞を受賞。日本劇作家協会会長。近年の作品に『時の物置』『見よ、飛行機の高く飛べるを』(作)、『新・明暗』(二兎社公演、作/演出)などがある。

野村萬斎(のむら・まんさい)
1966年生まれ。狂言師。世田谷パブリックシアター芸術監督。野村万作の長男。3歳で初舞台。文化庁芸術祭新人賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞などを受賞。古典はもとより、『まちがいの狂言』『薮の中』など狂言の技法を駆使した舞台を演出・出演したほか、舞台『子午線の祀り』『オイディプス王』『ハムレット』、映画『陰陽師』に主演するなど幅広く活躍。主な著書に『萬斎でござる』『狂言サイボーグ』『狂言三人三様 野村萬斎の巻』などがある。

藤野千夜(ふじの・ちや)
1962年福岡県生まれ。作家。千葉大学教育学部卒業。漫画誌の編集者を経て、作家デビュー。『午後の時間割』で第14回海燕新人文学賞を、『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞を、『夏の約束』で第122回芥川賞をそれぞれ受賞。その他の著書に『ルート225』(理論社)、『少年と少女のポルカ』『恋の休日』『彼女の部屋』(講談社)などがある。

松井憲太郎(まつい・けんたろう)
1956年生まれ。プロデューサー、演劇批評。80年代、劇団黒テント在籍中に制作者、批評家として活動を開始。89年から世田谷パブリックシアターの計画づくりに参画し、現在はプログラム・ディレクターとして公演および学芸プログラムの企画立案を統括する。

松尾スズキ(まつお・すずき)
1962年福岡県生まれ。作家・演出家・俳優・映画監督。88年に「大人計画」を旗揚げ。97年『ファンキー!〜宇宙は見える所までしかない〜』で第41回岸田國士戯曲賞を受賞。01年には『キレイ』で第38回ゴールデンアロー賞・演劇賞を受賞。俳優として、舞台以外にもテレビドラマ、バラエティー、CM、映画などで活躍。04年10月には初監督『恋の門』が公開され話題を呼んだ。著書は『これぞ日本の日本人』『宗教が往く』『スズキが覗いた芸能界』など多数。04年11月大人計画の本公演として3年半ぶりの作・演出作品『イケニエの人』が上演。

宮沢章夫(みやざわ・あきお)
1956年静岡県生まれ。劇作家・演出家・作家・映画監督。多摩美術大学中退。80年代半ば、「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」名義で舞台活動を開始。90年以降はプロデュースユニット「遊園地再生事業団」を主宰。05年1月には、リーディングや映画・映像を使った舞台など、プレビュー公演を重ねながら取り組んできた舞台作品『トーキョー/不在/ハムレット』を上演(シアタートラム)。また同作品の予告編ともいうべき映像作品『be found dead』では初監督を務めた。著書に『サーチエンジン・システムクラッシュ』『牛乳の作法』などがある。




■バックナンバー(税込価格)

  • SPT 02 特集 演出の冒険〜表現の新しい地平  太田省吾・堤幸彦ほか 1000円
  • SPT 03 特集 レパートリー〜記憶の継承と更新  豊竹咲甫大夫・中村桂子ほか 1000円
  • SPT 04 特集 演技をしているのは誰か?  田中泯・岡田利規ほか 1000円





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