工作舎ロゴ 書籍解説

HOME > 書籍 > ジャンル一覧新刊一覧 > チベット密教の真理/基本データ




チベット密教の真理[詳細]
Foundations of Tibetan Mysticism

目次著者紹介


今ここに明かされるチベット密教の全貌
マントラの宇宙

ここ十数年来、ことにとりざたされている現代文明の危機的な状況の中で、本書が取り扱っている問題は、いずれもむしろ今日的な課題として最もふさわしいといってもよいであろう。
来るべき21世紀に生きる人々に対し、東洋の文化的な遺産が、精神的な支柱を与えることは充分予想されるところである。そのとき本書のような東洋文化を紹介する先駆的な業績が、改めて評価されるであろうことは疑いのないところであろう。このような時期に本書が呱々の声をあげて、一般に紹介される意義はきわめて大きいと言わねばならない。

松長有慶(「序文」より)




■目次より

序文  松長有慶
はじめに

第一部 OM(オーム) 普遍性への道

 第一章 言葉の魔術と言語の力
 第二章 聖音節OM(オーム)の起源およびその宇宙的性格
 第三章 創造的な音の観念と振動の理論
 第四章 マントラの伝統の衰退
 第五章 初期仏教のマントラ的傾向
 第六章 生きた体験としての仏教
 第七章 大乗仏教の普遍的姿勢と菩薩の理念
 第八章 普遍的な道と聖音節OM(オーム)の再評価

第二部 MANI(マニ) 一体化と内的平等性の道

   第一章 「賢者の石」と「不老不死の霊薬」
 第二章 師ナーガールジュナと成就者たちの神秘的錬金術
 第三章 MANI(マニ)、「賢者の石」および第一物質としての心の宝珠
 第四章 金剛杵としてのMANI(マニ)
 第五章 心と物
 第六章 五蘊および意識の教義
 第七章 心(manas)の二重の役割り
 第八章 「意識の最深処における転回」
 第九章 変換と完全性の悟り

第三部 PADMA(パドマ) 創造的視覚の道

 第一章 精神的開示の象徴としての蓮華
 第二章 諸タントラの擬人的象徴表現
 第三章 知恵と力:プラジニヤー対シャクティ
 第四章 金剛乗仏教(Vajrayana)の象徴言語における男性および女性原理の極性
 第五章 創造的実在としての視覚
 第六章 五禅定仏と五智
 第七章 チベットの観相の体系におけるターラー菩薩、阿〓(シュク)如来、大日如来
 第八章 空間、色彩、元素、仕種および精神的資質のシンボリズム
 第九章 創造的視覚の領域における手引としての『バルドーテードル』の重要性
 

第四部 HUM(フーム) 統合への道

 第一章 体験の補足的価値および形而上的象徴としてのOM(オーム)とHUM(フーム)
 第二章 ヒンドゥー教および仏教における精神的諸中心の教義
 第三章 空間と運動の原理
 第四章 クンダリニー・ヨーガの精神的中心とその生理学的対応部位
 第五章 精神的エネルギーと「五つの鞘」に関する教義
 第六章 プラーナの肉体的・精神的機能と、観想の出発点としての運動(VAYU)の原理
 第七章 力の三つの流れおよび人体におけるその通路
 第八章 チベットの観想体系における内的火のヨーガ
 第九章 内的火のヨーガにおける精神—肉体的経過
 第十章 内的火のヨーガにおける精神的力の諸中心
 第十一章 仏教のチャクラ体系における禅定仏、種子音節、および諸元素
 第十二章 五つの智恵の統合としての種子音節(フーム)のシンボリズム  第十三章 種子音節(フーム)と観想の過程におけるダーキニーの重要性
 第十四章 パドマサンバヴァの入門
 第十五章 観想の体験に突入する法悦、および知識を保持する神々のマンダラ
 第十六章 「身体、言葉、心の秘密」および種子音節(フーム)における「金剛薩〓(た)の内的な道」

第五部 OM MANI PADME HUM(オーム・メニ・パドメ・フーム) 偉大なるマントラの道

 第一章 「三身体」の教養と実在の三段階
 第二章 創造的原理としての幻影(maya)と意識の次元
 第三章 悟りの最高形体としての応化身
 第四章 法身と身体の神秘
 第五章 大マントラの多次元性
 第六章 世界の六つの領域への観音菩薩の降下
 第七章 依存的起因:縁起の定式
 第八章 六界と五禅定仏の象徴性における極性の原理
 第九章 六聖音節の六界に対する関係

終結そして統合 AH(アー) 活動の道

 第一章 不空成就如来:〈一切を成就する智恵〉の主
 第二章 業の法則からの解脱としての不空成就如来の一切を成就する智恵
 第三章 菩薩道の無畏性

余録 註解
インドおよびチベットの言語の筆書法と発音法



■著者紹介

ラマ・アナガリカ・ゴヴィンダ Lama Anagarika Govinda
1898年、ドイツ生まれ。本名、ヘルムート・ホフマン。若いときから初期仏教を学び、後にダージリンに来て、近くで仰ぐヒマラヤに感動、チベット仏教のとりことなる。その後、20余年、カーギュ派の学僧トモ・ゲシェ・リンポチェに弟子入りをし、秘儀を授かる。本書は、その成果をまとめたもの。その後、妻のインド人画家リー・ゴータミと共にヒマラヤの僧院に移り住み、仏教の啓蒙運動を続けた。晩年はアメリカに移り、1985年、カルフォルニアで生涯を閉じた。










ALL RIGHTS RESERVED. © 工作舎 kousakusha