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ケプラー/ジュンク堂新宿フェア

ジュンク堂書店新宿店 思想書棚にてミニフェア

ケプラージュンク堂新宿フェア

4/20刊行、ケプラー『宇宙の調和(Harmonice Mundi,1619)』が店頭に並び始めました。この刊行にあわせて、新宿のジュンク堂書店7F思想書棚で、工作舎の関連図書を集めたミニフェアが開催中です。目印は、古代ピュタゴラスから現代まで連なる、幾何学精神に満ちた「宇宙の調和」ダイヤグラム。これは、ケプラーチラシ裏面ダイヤグラムのカラー版パネルです。『宇宙の調和』オリジナル小冊子も限定配布中。ぜひお立ち寄りください。




本のメルマガ/ウラゲツ☆ブログ 紹介

本書の刊行を待ち望んでいた方も多く、発売を前に「本のメルマガ 3/25号」で五月氏が大きく採り上げてくださいました。許可をいただき、以下に転載いたします。

ヘッケルの新刊とともに私が大いに楽しみにしているのは、工作舎から来月中旬に刊行される予定の、ケプラー(1571-1630)の『宇宙の調和』だ。この本もまた、自然の美、それも天体の数学的音楽的な美に魅せられた著作である。 訳者の岸本良彦さんは本書の「解説」でこう書いている。 http://www.kousakusha.co.jp/NEWS/weekly0324.html

「この書では、ケプラーが神学校時代から勉強してきた聖書、ピュタゴラス派、プラトン派、アリストテレス、ストア哲学、幾何学、ガレノス医学さらにグラーツで占星暦の作成にたずさわって以来の占星術理論と、『新天文学』で実測データにもとづいて確立した近代天文学とが響きあい、まさに調和している。ケプラーより以前には、当然のことながら、近代天文学にもとづく宇宙論はありえなかった。(中略)しかしまた、ケプラーの三法則から万有引力の法則を導き出したニュートンによって近代科学へとさらなる一歩を踏み出したケプラー以降には、古代・中世思想の伝統を継承したこのような宇宙論の構想はなくなっていった。すなわち、『宇宙の調和』は科学史の分水嶺に立つケプラーのみが書くことのできたヨーロッパ思想史上の至宝と言えよう」。

宇宙の法則を科学的に探求することと、宇宙の美を直観的に堪能することの間に、現代人の大半はあるいは隔たりを感じているかもしれない。星空を見上げて感嘆することの素朴さは、科学以前の単なる信仰的感情と切って捨てられてしまうのかもしれない。それならば、子ども時代の「感動」というのは総じて宗教の起源ということになってしまうだろう。私たちはこうした「宗教めいたもの」の何を、いったい恐れているのだろうか。もし直観を捨てるならば、私たちは世界との美的な紐帯を失うだろう。それは、生物としての人間に内在する美を無視することでもある。

美は誘惑的であるがゆえに警戒されるが、美への不感症に甘んじるならば、世界と人間が一体であることは無視されるようになり、そこには世界も人間もともに利用すべき消費財としてしか見ない恐るべき功利主義が誕生する。その態度はさらに、それを公然と肯定する傲慢さに裏打ちされる。ケプラーの『宇宙の調和』を出版することはある意味でとてつもなく時代的遅れのように見えるかもしれないが、それは全く違う。科学技術の進歩に無自覚に乗っかってきた現代人が平然と忘却したままでいるところの何ものかを取り戻すために、あの「分水嶺」に私たち自身も立ち会うことがついに今許されようとしているのだ。現代人が自滅する前にこの幸運を享受できるというのは、誰が認めようと認めまいと、またとないまれなチャンスなのである。 「本のメルマガ」バックナンバーへ

また、五月氏が主宰する「ウラゲツ☆ブログ」にも写真入りで大きく紹介いただきました。このブログは、人文・思想書の目利きブログとして知る人ぞ知る存在です。

感動で鳥肌がたつ思いです。21世紀の初頭にまさかこうして完訳を手に出来るとは思いませんでした。しかも、『ライプニッツ著作集』を出した工作舎さんからですから当然造本も装丁も、愛蔵するに足る堂々とした出来栄えです。今回、同時に『宇宙の神秘』(大槻真一郎+岸本良彦訳)の新装版も刊行。『調和』は『神秘』の倍のお値段なので安くはありませんが、購読する人を選ぶでしょうから仕方ありません。全文は「ウラゲツ☆ブログ」へ









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