7月の新刊 キルヒャー著
『普遍音樂──調和と不調和の大いなる術』
『キルヒャーの世界図鑑』で紹介され、摩訶不思議な想像力で現代人を魅了し続ける17世紀の綺想学者アタナシウス・キルヒャー。その伝説的代表作がはじめて邦訳されます。それが『普遍音楽──調和と不調和の大いなる術』。
この『普遍音楽』は、17世紀に記された最も重要な論考のひとつであり、バッハやヘンデルら後代の作曲家たちに多大な影響を与えました。その一方、キルヒャーの想像力は音楽史の枠を超え、ナマケモノの歌、歌う魚、猫オルガン、会話する彫像、自動作曲機械などの不可思議な事物が次々に登場。ラテン語原著からの図版も多数収録。
目次・内容より抜粋
◎スコットランドの不思議な石◎ナマケモノの不思議な声◎肉体はその気質を音や声からどのようにして推測するのか
◎古代ヘブライ人とその音楽◎ダビデの歌と詩篇の詩句
◎十七のパルムラを持つ楽器をどのように調絃すべきか
◎動物の舌と人間の舌◎猫オルガン◎エルフルトの大鐘
◎古代音楽の「驚きの仕掛け」 について書かれていることは真実か否か
◎種々の音が種々の心の状態を引き起こすかどうか その原因は何か
◎あらゆる情動を動かす作曲をどのように行うのか
◎音楽の実験―一方の絃が隔たっている他方の絃を動かす
◎治療術、すなわちどのようにして重病が音楽により治癒するのか
◎音楽によって狂乱に陥ったデンマーク王をめぐる不思議な話
◎タランチュラと音楽の不可思議な治療
◎マメルティン海で捕獲されたプシュピアという魚もしくはメジキについて
◎野原での叫び声やラッパの響きによってエリコの壁が崩潰したのは如何にしてか
◎ハーメルンの子どもたち―冒険のような連れ去りは笛によって起きたのか
◎スウェーデンの海岸の不思議な音
◎木霊の性質と不思議な作用◎ウィトゥルウィウスの劇場及びその不思議なエカエ
◎全ての言葉を繰り返す像をどのように作ったらよいのか
◎ひとりでに音を発する自動打鐘装置をどのように作ればよいのか
◎ピュータゴラースの鍛冶屋の自動音楽を比率に従って表現するにはどうしたらよいか
◎ガラスを使って、触れていない絃をどのように鳴らすか
◎神はオルガン奏者であるから、世界はオルガンと比較される
◎六日間でどのように被造物を作り上げたのか
◎石、草木、動物の天とのシンフォニー◎人間の音楽、あるいは大・小世界の照応
◎脈のハルモニアと人体の脈の動き◎愛の病を音楽でどのように癒すか
◎統治界の調和性、統治の世界音楽
◎天使はどのようにして天上の音楽を指揮するのか
目次はこちら。7月半ばの発売になります。どうぞお楽しみに。