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4月の新刊『感覚する服 Sensing Garment』


感覚する服 Sensing Garment


4月の新刊は松居エリさんの作品集『感覚する服 Sensing Garment』

松居エリさんはウェディングドレスではトップクラスのデザイナー。しかしそれに留まらず、数学・科学の研究者とのコラボレーション、ICCや川村記念美術館での企画展へ出品など、アーティストとしての活動も注目されています。


◎真のナチュラル・スタイル。科学から取り入れたアイデアはファッショナブルだ。
  Nature(英・科学誌):デービット・シラノスキー

◎松居エリの服は、普遍性と個別性の融合が生み出す数理的構造美の創発である
  合原一幸 東京大学生産技術研究所 教授
  (カオス工学・数理工学・生命情報システム論)

◎数学者は服を着る。ではなぜ数学を使うファッションデザイナーがいるのに驚くのだろう?
  Math Horizons(米・数学誌):グウェン・フィッシャー

数理、アート&ファッション 対数螺線
数理、アート&ファッション:対数螺線

数理、アート&ファッション 下垂体数理、アート&ファッション
数理、アート&ファッション

思考する服脳・心・コンピュータ&ファッション フィボナッチ数列
【左】思考する服:可展面/【右】脳・心・コンピュータ&ファッション:フィボナッチ数列


人間の身体が最も自然であるのは、正確な左右対称ではないという点にある。
今回のショーでは、その人特有の身体の、いわゆる歪みといわれている左右非対称をそのまま服として創り上げた。
20世紀は人が創ったものに、むりやり自分のサイズを合わせた特異な時代であったかもしれない。
19世紀までは、人は自分の身体に服を合わせてきたのだから。(中略)
どのサイズの女性も美しい。身体の歪みとされているものすら美しい。
私はかけがえのない個々の女性たちの内面オーラを引き出したい。
      松居エリ「ハイパークチュール宣言」より

科学、アート、哲学の視点から「服とは何か」を探求し続けてきた松居エリの集大成となる初の著作。作品とテキスト、衣服造形設計論、パターンを収録。
B4判変型/並製、180ページ、本体5800円、発売は4月下旬。どうぞお楽しみに。


■内容より

  • 数学・科学からの発想を得たコレクションの作品集 図録
  • コラボレーションの詳細 WORKS & PHILOSOPHY HISTORY
  • 服を媒体に「自己と他者」「思考とは感覚とは」「知覚」「言葉」「立体としての服」に迫るテキスト
  • 開示される展開図としての服のパターン
  • 松居エリ独自の「衣服造形設計論」


  • ■著者紹介

    松居エリ(まつい・えり)
    ファッションデザイナー/アーティスト。
    武蔵野美術短期大学・工芸デザイン科卒業。 1986年ごろから女性の身体と布が織りなす彫刻としての服創りを始める。ウエディングドレスのブランド名は「エマリーエ」。1998年ごろサイエンスと数学に出会い、自然と人間、服と人間の関係性に注目し、内外の科学・数学の研究者とのコラボレーションによって服や造形をコレクションとして発表し、思考と感覚について模索を続ける。

    2005〜2007年 宇宙ウェア開発ユニット(JAXA宇宙航空研究開発機構宇宙オープンラボ宇宙ビジネス提案選定ユニット)ユニットリーダー
    2008〜2010年 東京造形大学 非常勤講師/特任教授

    主なコラボレーション
    1999年■位相幾何学 トポロジー的造形  トポロジスト圓山憲子博士とのコラボレーション
    2000年■MATHEMATICA 数学のコンピュータソフトとのコラボレーション
       ■脳・心・コンピュータ&ファッション 松本元博士(理化学研究所脳科学総合研究センター、ブレインウェイ・グループ・ディレクター)とのコラボレーション
    2010年■数理、アート&ファッション 合原一幸博士(東京大学生産技術研究所教授)、木本圭子氏(ビジュアル・アーティスト、『イマジナリー・ナンバーズ』)とのコラボレーション

    企画展・グループ展・インスタレーション
    2002年■感覚する服:「メタファーとしての医学 芸術と医学」展(コラボレーション)於 NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
    2005年■「世界の呼吸法 アートの呼吸 呼吸のアート」展 於 川村記念美術館






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