ABC六本木
桃山晴衣『にんげんいっぱい うたいっぱい』刊行記念
日本の音ブックフェア
2016年7月1日より青山ブックセンター(ABC)六本木店にて、「桃山晴衣『にんげんいっぱい うたいっぱい』刊行記念 日本の音ブックフェア」が始まりました。 工作舎編集長 米澤敬が選んだ「日本の音」関連図書約60点。 田中優子『江戸の音』(河出文庫)、安田登『日本人の身体』(ちくま新書)から、山口昌男『エノケンと菊谷栄』(晶文社)、 合田道人『日本人が知らない外国生まれの童謡の謎』(祥伝社)など、日本の音楽文化が再発見できます。 品切本も含めて小冊子にまとめましたので、ご自由にお持ちください。
コメントの一部をご紹介。
田中優子『江戸の音』(河出文庫)……江戸の人々にとって三味線の音色は現代の歪んだエレキギターサウンドのようなものだった。江戸には三味線のB・B・キングもジミヘンもいたのだ。
安田登『日本人の身体』(ちくま新書)……言葉との関係から日本人の身体感覚を分析、日本ならではの音の豊饒な世界を解き明かす。とくにリズムでも拍子でもない「コミ」への言及が興味深い。
添田唖蝉坊『唖蝉坊流生記』(日本図書センター)……演歌の大成者による自伝。本来、演歌は演じる歌であり、抵抗の歌だった。現代のじめじめした演歌とは全くの別物である。
合田道人『日本人が知らない外国生まれの童謡の謎』(祥伝社) ……賛美歌やケルト音楽が童謡の一方の起源である。そこに西條八十たちによる唱歌が加わった。なぜ現代人は小唄より小学唱歌に懐かしさを感じるのだろうか。
また、フェアコーナー上部には、『にんげんいっぱい うたいっぱい』のビジュアルページ:写真帖と桃山晴衣自筆の宮薗節譜「鳥辺山」の複数の色校も展示。アートディレクションを手掛けた杉浦康平氏の制作過程をかいま見ることができます。ぜひお出かけください。