工作舎ロゴ [今週の1枚]


『となりの生物多様性』
日経サイエンス2016年10月号紹介
&アイコン制作秘話


『となりの生物多様性』アイコン・メイキング画像

8月新刊の宮下直著『となりの生物多様性』が好調です。早くも「日経サイエンス2016年10月号」新刊Guideに掲載いただきました。

 巨大台風や洪水など自然災害のニュースを見聞きしても、それだけでは環境に目を向けるきっかけになりにくい。著者は環境問題の背景にある生物多様性の危機を理解してもらうために、説得力があって面白いと感じた話題を集め、それらを掘り下げて本書を構成した。微生物の力を新薬に結びつけたノーベル賞科学者大村智博士、ヒトが体内に持つ細菌の多様性、ヤモリの足の接着やハスの葉の撥水機能を利用したバイオミメティクスなど、興味をひかれる話題が並ぶ。…

『となりの生物多様性』は特に、表紙カバーの動植物のアイコンがかわいいと評判です。一つひとつ、制作デザイナーが作り込みました。著者の宮下先生の監修でラインに微妙な修正を施し、種別を特定できるほどの精度があります。 上の画像は、アイコンの途中バージョンのスクリーンショットです。
担当編集者・田辺澄江の新刊メールニュースに寄せたコメントにも「ラインの微妙」に言及していますので、あわせてお読みください。

●担当編集者より
クモの縁

東京大学の弥生キャンパスに初めて宮下直氏を訪ねたのは、メーテルリンク『ガラス蜘蛛』(2008年7月)の出版に際して、クモの生態に詳しい宮下氏のアドバイスと、クモ側からの解説文をお願いするためだった。そしてこの小さな物語にはもうひとり、仏文学者の杉本秀太郎氏(2015年逝去)からもご寄稿いただいた。同じ頃、杉本氏はナチュラリストらしく『ひっつき虫』(青草書房2008年5月)と題して、一冊のエッセイ集を出版されていた。
その「ひっつき虫」が、『となりの生物多様性』にも登場する。第4章「生物に学ぶテクノロジー」の焦点となるバイオミメティクス(生物模倣)の元祖とされるゴボウの実は、まさに「ひっつき虫」なのだ。
面識のないはずのお二人、これぞクモが結ぶ縁かな……と。ちなみに本書では、クモの糸が、がぜんその輝きを増します。 表紙を彩る生物アイコンのラインの微妙にも、著者の知が反映されています。
(田辺)






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