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3月の復刊 ソロー『コッド岬』


コッド岬

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名作『コッド岬 (原題:CAPE COD)』を復刊します。

今年2017年はヘンリー・デイヴィッド・ソローの生誕200年。NHKカルチャーラジオ 文学の世界で、広島大学名誉教授の伊藤詔子氏による「はじめてのソロー」が放送中(ラジオ第2放送 毎木曜日午後8:30〜)。3月9日の第10回放送では「『メインの森』と『コッド岬』―野生とアメリカ史の原点」が放送されます。発売中のテキストに工作舎刊行の飯田実訳『コッド岬』からの図版や文章が引用されています。

これを機に、長らく品切だった『コッド岬』を復刊することにしました。『コッド岬』は『ウォールデン―森の生活』と並ぶソローの代表作。「森の住人」であったソローが描く「海辺の生活」。1993年に初版を刊行するやたちまち増刷となりましたが、その後は品切に。この第3刷が15年余ぶりの復刊となります。3月13日頃に書店店頭に並びます。どうぞお楽しみに。


■目次

第一章 難破船 The Shipwreck
第二章 駅馬車からの眺め  Stage-Coach Views
第三章 ノーセットの平原 The Plains of Nauset
第四章 浜辺 The Beach
第五章 ウェルフリートのカキ養殖業者 The Welfleet Oysterman
第六章 ふたたび浜辺へ The Beach Again
第七章 岬横断 Across the Cape
第八章 ハイランド灯台 The Highland Light
第九章 海と砂漠 The Sea and Desert
第一〇章 プロヴィンスタウン Provincetown




■著者紹介:ヘンリー・デイヴィッド・ソロー Henry David Thoreau

『ウォールデン―森の生活』の著者として知られるアメリカの詩人・思想家・博物学者。1817年、鉛筆製造業者を父として、マサチューセッツ州コンコードに生まれた。ハーヴァード大学卒業後、エマソン、オールコットらとの親交を深め、教職、土地測量などで生計を立てながら、『ダイアル』誌に翻訳やエセーを寄稿した。兄と二人でボート旅行をした時の経験をもとに『コンコード川とメリマック川の一週間』(1849)を発表。ついで故郷のウォールデン湖畔における2年あまりの独居生活を扱った代表作『ウォールデン』(1854)を出版した。一方、アメリカの対メキシコ戦争や奴隷制度を激しく批判するエセー「市民の反抗」は、世界各国の反体制運動家たちに大きな影響を与え続けている。1862年、結核のために死去。没後、『メインの森』(1864)、『コッド岬』(1865)などが出版された。




■訳者紹介:飯田 実(いいだ・みのる)

英米文学者。1936年、長野県に生まれる。ハワイ大学(イーストウエストセンター)大学院英文科修了(MA)。ブラウン大学、ジョージ・ワシントン大学などに学ぶ。ハーヴァード大学(フルブライト)上級研究員。著書に『ドイツの景観都市』(工作舎)など。訳書に、ソロー『森の生活』『市民の反抗』(ともに岩波文庫)、C・ハンセン『セイレムの魔術』(工作舎)など。






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