工作舎ロゴ [今週の1枚]


東京大学出版会『UP』5月号 
倉谷滋「取り残されたゴジラ」


ゴジラ幻論

『ゴジラ幻論 日本産怪獣類の一般と個別の博物誌』が絶好調な倉谷滋先生が、東京大学出版会PR誌『UP 2017年5月号』に寄稿されています。題して「取り残されたゴジラ 進化形態学者のぼやき怪獣映画論」。冒頭では『ゴジラ幻論』を出版した経緯をこんなふうに語っています。

…なぜそんなものを書いたのか、経緯を書き始めると長くなるのだが、2016年の夏に封切られた映画、『シン・ゴジラ』が背景のひとつとしてあったことだけはさすがに否めない。何というか、クライマックスの東京駅での攻防戦における「空」が青かったのだ(実際は、ちょっと雲も出ていた)。あれは紛れもなく、1960年代の私を育んだ、日本の都会に見る空の色だ。あの青空を背景に屹立する憧れのゴジラがまた見たくて、映画館に5回も足を運んでしまったのである。結果、頭の中がゴジラ色に染まってしまったのである。

こうして6ページにわたり、怪獣愛と形態学者の矜持が語られていきます。 例えば、ハリウッド映画の怪獣デザインのセンスのなさを嘆き、まっとうな動物学に補強されるべきこと、近年の科学では肉食恐竜が鳥類のヒナのような形で復元され、そこにはゴジラ的イメージを見出すことは困難だから、「正統派恐竜への道と決別するのが正しい選択で、今後も哺乳類としての道を邁進してもらいたい」など、倉谷節が炸裂します。


なお、ジュンク堂書店池袋本店7F理工書売り場での、倉谷滋選書フェア「ゴジラ主義宣言」も大好評開催中。ゴジラのフィギュアが目印です。『UP』5月号も並び、こちらでも入手可能(品切の場合はご容赦ください)。5月末までの開催となりますので、どうぞお出かけください。









ALL RIGHTS RESERVED. © 工作舎 kousakusha