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図像学の精華。 ドイツ・シュヴァルツヴァルド北部、 バート・タイナッハの小教会に残るバロック様式の翼付き祭壇画 「ヴュルテンベルク王女アントニアのカバラ的教示画」。 17世紀半ばに描かれたこの絵には、 ルネサンス・オカルト哲学の中核思想である キリスト教カバラの世界体系が多彩に表現され、 30年戦争で潰え去ったかと思われたドイツ薔薇十字運動の残照が輝いていた! |
■目次より | ▲ |
序説 1 王女 2 神秘主義とカバラ 3 原 - 秘密教義 4 人文主義と霊的自然研究 5 教示画の製作者たち 6 教示画 翼面/主画面の概観/庭園/庭園の花々/神殿の基壇、外陣と門/神殿内陣/破風とオベリスク/霊的三位一体:ドームとその周辺/三人の原-賢者:ドーム頂上部分/エンブレム:原像とシンボル/動物の象徴:神殿の四本の柱に見られる聖書の小場面 7 教示画と17世紀の絵画 付論 A 秘境的図像の成立背景:カバラと象形文字の結合ほか B 薔薇十字運動のドイツ的側面:ベーメ主義者たちほか C 教示画に秘められた錬金術哲学:出版業者と版画家たちほか D 教示画がもたらした思想潮流:エティンガーとメッツほか E 18世紀フリーメイソン運動への継承:『色彩論』に登場する象徴図形ほか F ドイツ・フリーメイソンの興亡:ゲーテとフリーメイソンほか |
■著者紹介:エルンスト・ハルニッシュフェガー Ernst Harnischfeger 1924- | ▲ |
1924年、ドイツ、ライプツィヒに生まれる。ミュンヘン、フライブルク、キール各大学で、薬学、ドイツ文学、哲学、美術史を学ぶ。1954年以来、フランクフルトの自由バルドルフ学校の校医を務めている。 |
■関連図書 | ▲ |
・色彩論 ゲーテの名著・世界初の完訳版 25000円 ・薔薇十字の覚醒 隠されたヨーロッパ精神史 3800円 ・綺想の帝国 ルドルフ2世をめぐる美術と科学 3800円 ・表象の芸術工学 見世物・マニエリスム・驚異の部屋 高山宏 2800円 ・音楽のエゾテリスム フランス「1750-1950」秘教的音楽の系譜 3800円 ・バロックの聖女 聖性と魔性のゆらぎ 2400円 |
■書評 | ▲ |
◎高橋義人氏(『図書新聞』1993年9月4日) 「この教示画は、かつて悪魔がイエス・キリストに与えようとした「壮麗なる地上の国々」を否定するのではなく、大いなる自然を完全に肯定している。大自然と小自然の照応、内と外との合致というヘルメス主義の奥義がここにある。薔薇十字の思想においては古代的な神内在論とキリスト教的な神超越論が奇妙に混淆している。このような混淆ないし矛盾はじつは17世紀というバロックの時代全体が共有していたものでもあるのだが、薔薇十字運動においてこの矛盾は「流出説」によって一応解決されている。さて薔薇十字思想のもつこうした複雑な性格については、訳者が「ドイツ・ヘルメス主義の潮流」と題する委曲をつくした長文の付論を書いている。モーツアルトやゲーテにも大きな影響を与えた薔薇十字運動、ヨーロッパ精神の隠された潮流を知ろうとする読者にとって、この付論はまたとない入門書となるだろう」 |
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