デカルト、コルネーユ、
スウェーデン女王クリスティナ［詳細］

■目次より

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◎第一部　デカルトとコルネーユ

第一章　心理的、道徳的親近性
デカルトとコルネーユの創造活動の精神的源泉／デカルトの概念分析の方法
第二章　悲劇概説
コルネーユの英雄の美徳／情念の浄化法／驚きの念をもって魂を奪う

◎第二部　デカルトとスウェーデン女王クリスティナ

第一章　デカルトとクリスティナの改宗
デカルトに「最も幸福な人間」を見たクリスティナ
第二章　17世紀における「普遍神学」と自然宗教の問題
実践知における「アルキメデスの点」を求めるクリスティナ／改宗を演繹したクリスティナ
第三章　16世紀と17世紀におけるストア主義の復興
クリスティナの生涯変わらぬ信条「敢エテ賢者タレ」／デカルトの「高邁の士」
第四章　デカルトの情念理論と思想史におけるその意義
17世紀オランダに開花した新ストア主義／ブルーノの『英雄的狂気』から「理性の道具」としてのデカルト哲学へ
第五章　クリスティナと17世紀における英雄の理想
クリスティナの『英雄談義』／コルネーユ劇における英雄主義／至高の権力を手放す自由

■著者紹介：エルンスト・カッシーラーErnst Cassirer

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1874年ユダヤ人富商の子としてドイツに生まれる。99年デカルト研究でマールブルク大学より学位を得る。『ライプニッツの体系』（1902）、『近代の哲学と科学における認識問題』3巻（1906、07、20）などの大著を相次いで上梓する。
1919年ハンブルク大学教授に就任。同地のヴァールブルク文庫に触発されて、言語・神話・宗教・科学・芸術にわたる広範な領野を透察した主著『シンボル形式の哲学』3巻（1923、25、29）をまとめた。
ナチスの台頭を避け、33年オックスフォード大学へ、36年から41年まではスウェーデンのイェーテボリ大学で教鞭をとる。これが契機となり本書が記された。その後、アメリカに渡り45年に没する。ルネサンス哲学の提唱など、近代思想研究では欠かすことのできない哲学者・哲学史家。

■関連図書（表示価格は税別）

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［カッシーラーのエッセンス］

シンボル形式の哲学（全4冊）　木田元ほか訳　岩波文庫　平均700円

認識問題（全5冊未完）　みすず書房　5500円〜6800円

啓蒙主義の哲学　中野好之訳　紀伊國屋書店　4200円

個と宇宙　ルネサンス精神史　薗田坦訳　名古屋大学出版会　3800円

ルネサンス哲学における個と宇宙　末吉孝州訳　太陽出版　4800円

シンボル・技術・言語　篠木芳夫訳　法政大学出版局　3800円

自由と形式——ドイツ精神史研究　中埜肇訳　ミネルヴァ書房　5000円

シンボルとスキエンティア 　ありな書房　4500円

英国のプラトン・ルネサンス　花田圭介監修　工作舎　2900円

［新たなデカルト像］

・方法序説　デカルト　岩波文庫　420円

谷川多佳子訳で甦ったデカルトの主著。異例のヒット。

・デカルト暗殺　アイケ・ピース　大修館書店　1800円

デカルトはスウェーデンで暗殺された？！　スリリングな一書。

・快傑デカルト　D・ダヴィデンコ　工作舎　2800円

痛快に読めるデカルトの伝記小説。

■書評

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◎2010.9.30　紀伊國屋・書評空間　加藤弘一氏（文芸評論家）書評
哲学者デカルト、劇作家コルネーユ、女王クリスティナの三人を通して17世紀の時代精神を読みとろうとする試みである。本書は仏訳版からの邦訳で原著の一部が割愛されているが、重訳ながら訳文はカッシーラの重厚な風格をよく伝えている。紀伊國屋・書評空間サイト全文

◎2001.1.13付　図書新聞　村岡晋一氏（中央大学理工学部助教授）書評
当時の政治状況をリアルに反映したカッシーラーの17世紀とその人間のこだわり

◎ネット書店　bk1　書評欄　明治学院大学教授　宇波 彰氏書評　
17世紀のヨーロッパ精神の構造を、哲学者、劇作家、女王という三人物の思想を横につなぐことで解明を試みる。bk1サイト全文