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「できる」を育む家づくり [詳細]

目次著者紹介関連図書書評



創造力も、運動能力も、感受性も、住まいが伸ばす!

住まいには、二つの役割がある。「安全で安心できる快適な場」と「家族の成長・成熟を育む場」だ。住まいは、家族が心地よく守られて成長し、外の世界へ向かう新陳代謝の場であり、日々静かに私たちの生き方に影響し、脳にとって積み重ねの刺激・情報となっていく。脳の成長・成熟の視点から、望ましい住まいのつくりが見えてくる。


■目次

はじめに……住まいとは

I 脳の成長・成熟と住まい

  大脳の話——脳は一生成熟を続ける
  感受性期——神経ネットワークを大きく形成する
  小脳の話——学習機械として
  大脳辺縁系の話——情動のフィルター
  大脳基底核の話——直観との関係
  脳幹の話——生命を維持する
  社会脳の話——自己を抑制する

II 「できる」を育む住まいの9つのポイント

[心身のリズム・健康 1]
1 大きな朝を迎える
…朝の光をくまなく巡らす

  1 朝の光の特徴……季節と方位・高度・日射量
  2 朝の光の誘導と遮蔽
  3 優先したい部屋
  4 朝の光の寝室への誘導
  5 密集地での朝の光の導入
  column 朝の始まり
  ・脳科学的にみると——概日リズムとセロトニン

[心身のリズム・健康 2]
2 深い夜をすごす
……くつろぎ、快眠を誘う

  1 静けさ
  2 適度な温度
  3 適度な湿度
  4 光のコントロール
  5 寝る前に灯りを落として憩う
  column 夕暮れから夜へ
  ・脳科学的にみると——睡眠

[感性と知性の基と自立・成長 1]
3 五感を誘う
…動きのあるもの・生きものが傍らに

  1 太陽光と陰影
  2 緑の恵みと空の動き
  3 窓を開ければ
  4 直に触れるものは自然素材
  5 内と外が互いに入り込む
  column 敷地の大きさと自然の取り込み
  ・脳科学的にみると——感じる脳

[感性と知性の基と自立・成長 2]
4 ことばと個人の世界が拡がる
…話が弾み、個を育む

  1 住まいは世界を拡げる
  2 家族の成長と住まいの様相
    胎児から乳児の間/幼児から小学校低学年八歳頃まで/
    前思春期の9〜11歳頃/思春期の12〜15歳頃
  3 空間・場のつくり
    間の採り方/坐の位置関係/話をする時の目の高さ/
    話の機会を増やす
  column コミュニケーションと間
  ・脳科学的にみると——ことばの役割

[運動制御と空間認識 1]
5 たて動きをする
…床レベルに差を設ける

  1 土間を活かす
    広い玄関土間/玄関から連なる縁側土間/通り土間/
    土間を採り入れの注意点
  2 床に高さ違いを設ける
    小上がり/下がり床・上がり床/
    作り付けのベンチ・縁台/大框で仕切る
  3 庭との行き来
    深い庇に掃き出し窓/軒を設けて雨天の利用も/別棟で張り出す
  column 段差の良し悪し
  ・脳科学的にみると——運動の効用

[運動制御と空間認識 2]
6 階段を主空間に
…楽しい上下移動

  1 階段の特異性とおもしろさ
  2 階段の形状
    直階段/L字に折れる階段/U字に折り返す階段/
    螺旋階段/スキップフロア階段
  column 階段
  ・脳科学的にみると——水平と垂直

[運動制御と空間認識 3]
7 伸びやかな吹き抜けがある
……いろいろな天井高

  1 垂直な拡がりがあります
  2 高みからの光が魅力を増します
  3 暗闇の深さがあります
  4 家族の一体感をもたらします
  5 感覚刺激が多い
  ※吹き抜けの注意点
  column 高みの空間
  ・脳科学的にみると——天井の高さ

[暮らしの中心となる場と一人一人がゆるむ場 1]
8 感覚刺激に溢れ、家族が集う場
……かつての囲炉裏のような

  1 炎を囲む食事
  2 炎を囲む採暖
  3 温かみのある灯り
  4 棟までの高い吹き抜け
  5 保温・蓄熱性
  6 空気循環と木材乾燥
  7 立ち上る動きに替わる階段
  8 彫り込み座卓
  9 囲炉裏そのもの
  10 暮らしの中心性
  column 住まいの中心性
  ・脳科学的にみると——囲炉裏と炎

[暮らしの中心となる場と一人一人がゆるむ場 2]
9 お気に入りの場
……ゆるむ空間がある

  1 創意工夫のきっかけ
  2 ひらめく状態
  3 ゆるむ空間
  column 癒しの空間とゆるむ空間
  column 直観とひらめき
  ・脳科学的にみると——夢

[基本的な形状]
10 「できる」を育む住まいの姿

    六つの事例
   column 明るく、楽しく、活動的に

III 伝統的な民家の特徴

  1 自然に寄り添って建つ
  2 高床式からくる上がり下がり
  3 いくつもの天井高さと抜ける空間
  4 感覚刺激に溢れ、家族が集う暮らしの中心となる場

IV マンションでは

  1 日本のマンションの歴史と特色
  2 「『できる』を育むマンション」の提案
  志ある人の生家—1 岩崎弥太郎
  志ある人の生家—2 中岡慎太郎
  志ある人の生家—3 豊田佐吉
  志ある人の生家—4 柳田國男

おわりに






■著者紹介:脇田幸三(わきた・こうぞう)

1951年岐阜県生まれ、建築家。株式会社 綜設計代表。名古屋工業大学建築学科卒業後、名古屋工業大学大学院工学研究科建築学修了。主に、住宅、医院、マンションを設計。
著書:「樹木の啓示」 タウン・ヴィラ=コンチェルト(風琳堂、1996.02.11)、建築絵本「猫一の住まい見て歩き」(風琳堂、1997.12.26)




■関連図書(表示価格は税別)

[工作舎の家づくりの本]
  • 住宅リフォーム革命 山根裕太 1500円
  • 茶室とインテリア 内田 繁 1800円
  • 空間に恋して 象設計集団=編著 4800円
  • エネルギー自立型建築[NSRI選書]  丹羽英治=監修・著 1200円
  • スマートシティはどうつくる?[NSRI選書] 山村真司=監修・著 1200円
  • エネルギーマネジメントが拓く未来[NSRI選書] 湯澤秀樹=監修・著 1200円



  • ■書評

    2016.6.18 中日新聞夕刊紹介
    家づくりに脳科学

    朝の光をふんだんに取り入れる窓、楽しく上り下りできる階段、伸びやかな吹き抜けなどポイントを列挙。「創造力や運動能力、感受性を伸ばすことができる」と説く。

    2016.5.13 新建ハウジング紹介
    住まいづくりの焦点は、人の成長にある」という考えのもと、脳科学的な知見で住まい手の体・脳の発達に有効な吹き抜けや段差のつくり方、採光の方法などを説きながら建築主が本当に喜ぶ住まいとは何かを解説する。[全文は新建ハウジングへ]

    2016.4.27 岐阜新聞 著者インタビュー
    「脳が飛躍的に成長する子どものころには、屋外で遊ぶのもいいが住まいで過ごす時間も多い。さまざまな情報や刺激が感覚に働きかけることが大切」と語る。[全文は岐阜新聞へ]




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