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ハーディ・ガーディ・マン[詳細]

目次 著者紹介関連図書関連情報書評


雑誌「ルック」のために撮影。のちにオアシスのリアム・ギャラガーがこの装いを取り入れた

60年代を疾走した吟遊詩人による初の自伝

ドラッグ、ポップアート、
ヒッピー・カルチャー、フラワー・ムーヴメント、メディテーション……
60年代文化を体現したロックの貴公子ドノヴァン。
ブライアン・ジョーンズの元恋人、リンダとの出会いと別れ、再会までの「魂」の遍歴を、
音楽ビジネスの夢と幻滅とともに綴る。

ドノヴァン自身の作品はもちろん、
ザ・ビートルズ、ボブ・ディラン、ザ・ローリング・ストーンズ、
ジミ・ヘンドリックスらとの交流など、
ロック史上貴重な事実が当事者の視点で語られていく。



■目次より

日本の読者へのメッセージ
謝辞
この本のテーマ

01 子ども時代──グラスゴー一九五四年
02 ティーンエイジ
03 反抗
04 さすらい人
05 風をつかむ者
06 フォークシンガー
07 お巡りさんと泥棒ごっこ
08 ソングメーカー
09 リンダ・アン
10 アメリカはドノヴァンを求めている
11 ラヴ、ラヴ、ラヴ
12 ボビー
13 ザ・トリップ
14 万魔殿
15 お伽話
16 美しき世界
17 サンシャイン・スーパーガール
18 魔術師
19 ガサ入れ
20 イエロー・サブマリン
21 道ふたたび
22 エレクトリカル・バナナ
23 ジェニファー・ジュニパー
24 入門式
25 フラワー・パワーの貴公子
26 ヨギ
27 ミア
28 ザ・ハーディ・ガーディ・マン
29 幻滅
30 ロード・オヴ・ジ・アイルズ
31 アトランティス
32 ブライアンの死
33 キャロン
34 終焉
35 航海
36 日記
37 フリーキー
38 小蝶蜘の精
39 狂気
40 帰還
エピローグ

後記──旅は続く

フォトアルバム
訳者あとがき
監修者あとがき

索引[人名・グループ名索引+作品名索引]
ディスコグラフィ
ソングリスト



■著者紹介:ドノヴァン Donovan Philips Leitch

1946年5月10日、スコットランド、グラスゴー出身。少年期より父親の影響で詩や音楽に親しみ、十代には友人のジプシー・デイヴと国内を放浪。1964年にステージ・デヴュー、翌年シングル「キャッチ・ザ・ウインド」の発表と同時に、英国を代表するフォーク・シンガーとして注目される。その当初からフォーク・ミュージックにとどまらす、ジャズなどの多様な音楽スタイルを積極的に取りいれた曲づくりで話題となった。プロデューサーのミッキー・モストとの出会いをきっかけに、さらに音楽性の幅を広げ、1966年、シタールをバックにレコーディングした「サンシャイン・スーパーマン」の世界的ヒットで、サイケデリック・カルチャーやフラワー・ムーヴメントの中心的存在となる。一方で、W・B・イエイツやルイス・キャロルへの傾倒のもと、幻想的な音楽世界を作り上げた。ザ・ビートルズとの個人的・音楽的な交流も深く、共にインドのマハリシ・マヘシ・ヨギのアシュラムで瞑想を学ぶ。この時の体験は、現在までドノヴァンの思索や曲づくりに大きな影響を与え続けている。本書のタイトルともなった「ザ・ハーディ・ガーディ・マン」もインドで作られた曲。当初ジミ・ヘンドリックスに提供される予定だったものだが、自らジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムらとレコーディングし、後のレッド・ツェッペリンに通じるサウンドを生み出すことになる。80年代以降、音楽活動から半ば引退するが、90年代にはドノヴァン作品の再評価が盛んになり、長年のドノヴァン・ファンであったリック・ルービンのプロデュースで、アルバム『スートラ〜経典』をリリース。以後、寡作ながらも、ヴァイオリニストのナイジェル・ケネディと共演するなど、本格的な音楽活動を継続中。

■監修者紹介:渚 十吾(なぎさ・じゅうご)
『HMSドノヴァン』が愛聴盤。“霧のマウンテン”の少し先にあるらしい“エコー・マウンテン”という謎の山脈のふもとで毎月催される音楽茶話会のようなイベント、「エコー・マウンテン・パーラー」で、好きなアナログ盤などを紹介している。これまで自らのソロ・アルバムを9枚リリース。著書に『ストロベリー・ディクショナリー』『空想紅茶』(以上、ブルースインターアクションズ)『エコー・マウンテン・レコード・ブック』(音楽之友社)などがある。音楽誌「ストレンジ・デイズ」では創刊号からコラム“バナナ・エンサイクロペディア”を連載中。アルバム最新作は詩集や花の種、ポストカードなどのオマケを緑の小箱に収めた遊び心いっぱいの「グリーン・ボックス」(2007)。https://www1.ocn.ne.jp/~jn15/

■訳者紹介:池田耀子(いけだ・ようこ)
翻訳者。英語教室講師。1956年、富山県生まれ。清泉女子大学文学部キリスト教文化学科卒業。同学で学びながら、松本亨高等英語専門学校夜間部を終了。その後、玉川大学通信教育部で幼児教育を学ぶ。また、川柳作家の時実新子氏に師事。1990年度アサヒグラフ「川柳新子座」准賞受賞。聖書、ユダヤ思想をはじめ、様々な宗教、文化に関心を持つ。
共訳書に"HIKARU; The Story of a Firefly Who Couldn't Fly"(ハート出版『とべないホタル』英語版 1991)[筆名=緒久葉子(おぐ・ようこ)]、『総説・図説 旧約聖書大全』(講談社 2003)[筆名=池田耀子]がある。




■関連図書(表示価格は税別)

  • スケルトン・キー グレイトフル・デッド辞典 デイヴィッド・シェンク+スティーヴ・シルバーマン 3200円
  • ドラム・マジック ミッキー・ハート 2500円
  • めかくしジュークボックス ザ・ワイアー編 2900円
  • 大ザッパ論 大山甲日 5000円
  • 大ザッパ論2 大山甲日 5500円
  • インプロヴィゼーション デレク・ベイリー 2300円




  • ■関連情報

    2008.10.25 三軒茶屋トークショー
    『ハーディ・ガーディ・マン』刊行記念トークショーが、10/25 三軒茶屋で行われました。監修者の渚十吾さん主宰の「エコー・マウンテン・パーラー vol.20」に、翻訳者の池田耀子さんと編集担当の米澤敬がゲスト参加したもの。3人ともにドノヴァン・ファンゆえに、トークに熱が入ったようです。渚さんのwebで、当日の様子や、3人のドノヴァン・セレクションも披露されています。ぜひご覧ください。渚十吾 echo mountain parlor Vol.20 >>>

    ドノヴァン・フェア、続々開催
    渋谷タワーレコードフェア全体
    渋谷タワーレコード

    渋谷タワーレコード フェアの様子 >>>
    青山ブックセンター本店 フェアの様子 >>>
    青山ブックセンター自由が丘店
    あおい書店中野本店




    ■書評

    ミュージック・マガジン 2009.1月号書評
    あれもこれも自分が始めた!
    …僕のような長年のファンには、興味深い話がたっぷり詰まっているし、60年代の音楽に興味があるなら誰でも間違いなく、ディランやビートルズ、ストーンズらとの交友の逸話を楽しめるはず。…
    だが、文中の発言や見解は割り引いて受け取った方がいい。…フォーク・ロックも『サージェント・ペパーズ』もジャズ/フュージョンもウォーホルのバナナもフラワー・パワーもケルティック・ロックもレッド・ツェッペリンもTレックスもワールド・ミュージックもリアム・ギャラガーの服装もすべて、彼が始めた、もしくは直接的な影響下にあると主張するのだ。
    確かに彼は60年代のイコンの一人で、幾つかのことにおいて先駆であり、その作品に刺激や影響を受けた人たちも多いが、これは明らかに言い過ぎ。
    ただ、その心情が理解できないこともない。彼は人気者だった一方で、浮世離れした題材を歌うフラワー・チャイルドという扱いでプレスに軽んじられてきたので、自分の手で歴史的評価を下す機会を待っていたのだろう。…

    レコード・コレクターズ 2008.12月号書評
    ドノヴァン初の自伝に綴られたあまりにも濃密な60年代
    500ページを費やしても語られるのは1970年代までなのだから、ドノヴァンにとって60年代がいかに濃密な時代だったか、ということだ。 ビートニクを気取った放浪の日々から一転、「レディ・ステディ・ゴー」で鮮烈なデビューを果たし、ヒットを連発。ビートルズ、ディランらと親密につきあい、十代でブライアン・ジョーンズの子供を産んだリンダに純な想いを馳せた。その一方ではイーディという女性に二人の子供を産ませ、結婚はしないという始末。こう書くと極悪人にようだが、ドノヴァンという人はその音楽とまるで一緒で、どこまでも無垢なのである。自分をスターだと思っていないし、富や名声に踊らされることもなかった。…丁寧な邦訳が素晴らしく、優れた長編小説のような読後感を残す。

    STYLE Marche vol.2(2008秋)紹介
    監修者の渚十吾さんの連載コラム"L'espace du marche"(四季の泡箱)でドノヴァンと自叙伝『ハーディ・ガーディ・マン』について、たっぷり4頁にわたり紹介くださいました。
    音楽を創り続けてきたドノヴァンの自叙伝 
    ドノヴァンのアルバム『ハーディ・ガーディ・マン』には“悩みごとがあったらゆっくりお茶を飲んで、山の緑を思って……”と歌われる、冬の日に海辺のカフェでお茶を飲む“Teas”という曲がある。“Teas”が午前10時の日の光のもとで流れる時、どのような優雅な気持ちになるか。…

    2008.10.12 日経新聞書評
    ビート詩人、ドラッグ体験、インド思想といった60年代カルチャーの定番も大物ミュージシャンの目から描かれると生々しく、説得力がある。本文500ページ近い大著で、気軽に読み進められる内容ではないが、同時代を彩ったビートルズ、ローリング・ストーンズなどとの交流もつづられ、英国ロックファンには興味深い。






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