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大泥棒紳士館［詳細］
幾百の貧しい紳士・淑女諸君！
すべての泥棒仲間、夜の街をひと晩中うろつきまわる働き者、
売笑婦、こそ泥、色男たち！
お聞きのとおり、俺はいま、牢にぶちこまれている。
しょげかえっちゃあいない。
この手錠の音だって、決して悪くはないもんだ。
俺がだました間抜けどもときたら、まったくいいざまだ。
やつから頂戴したお宝の場所は、この俺さまの胸先三寸よ。
ジョン・シェパード最後の書簡（デイリー・ジャーナル紙 1724.11.16）


■目次より
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口には花、手には羽根飾り帽☆キングも羨やむダンディズム(1643-1670)
華麗な侠盗　クロード・デューヴァル

愛する名馬はブラック・ベス☆月夜の街道ひた走り(1706-1739)
街道の騎士　ディック・ターピン

わずか七ヶ月に四つの大牢するりと脱けて☆ロンドン市民はやんやの喝采(1702-1724)
脱獄の天才　ジャック・シェパード

目は藪睨み口はさけ、胸もむかつく醜怪さ☆悪漢どももきりきり舞い(1666-1725)
悪の総元締　ジョナサン・ワイルド

連日連夜の豪奢な宴、賭博に負けても上機嫌☆これは優雅な英国紳士(16 ? -1740)
殿様強盗　ジェームス・マクリーン

泥棒資料集成　世界泥棒年表／泥棒列伝102選／泥棒名言集
野尻抱影略年譜




■著者紹介：野尻抱影　（のじり・ほうえい）　1885-1977
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本名・野尻正英。郵船会社社員を父として、横浜で生まれ育つ。早稲田大学で英文学を専攻。卒業後は甲府中学の英語教師となる。生徒とともに星を観察し、また南アルプスの自然を愛した。のちに東京に戻り、研究社に入社。59歳まで同社編集部長をつとめ、語学雑誌や参考書などを編集。『英語青年』をはじめ何種類かの創刊雑誌もてがけた。著作活動に専念してからは、『星と東方美術』『星・古典好日』などの大著をはじめ、日本の星名辞典の編纂、翻訳、再版、異版などをふくめ100点を超える著書を残す。
作家・大佛次郎は実弟。




■関連図書
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・奇天烈紳士録　あっぱれな人生と奇妙な信念　J・ミッチェル　2500円
・銀河の時代　宇宙論博物誌　T・フェリス　上・下　各2200円
・地球外生命論争1750-1900　カントからロウエルまでのETをめぐる思想大全　M・クロウ　20000円
・世界の複数性についての対話　ロケット不要の宇宙旅行　フォントネル　1900円
・ケプラーの憂鬱　　孤独な天文学者の半生　J・バンヴィル　2500円
・星界小品集　ゼンマイ仕掛けのスペースオペラ　P・シェーアバルト　1600円
・夜の魂　天文学逍遙　C・レイモ　2000円
・夜の国　心の森羅万象をめぐって　L・アイズリー　2500円
・星投げびと　コスタベルの浜辺から　L・アイズリー　2600円
・子午線　メートル異聞　D・ゲージュ　2427円
■書評
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◎生井英考氏(『日刊ゲンダイ』2004年5月10日　[シネマの本棚—「死に花」])

……野尻氏といえば作家大佛次郎の実兄で博覧強記のエッセイスト。団塊世代の青年期には稲垣足穂、金子光晴、植草甚一と並んで大人気の老作家だった。
　本書はロンドンに実在した義賊や脱獄の天才らを描く歴史実録。昼は殿様、夜は怪盗のＪ・マクリーン、華麗な侠盗Ｃ・デューヴァルらの活躍をレトロな名調子で描いた好エッセーだが、実は本書の初版（１９７６年）時の著者は９１歳！　中身もさりながら著者の存在自体がいかにもあっぱれな、高齢化時代の先をいく痛快読み物である。
全文は>>>






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