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本書が明かしてくれるのは、 われわれをとりまく世界を科学的に健全に、観る方法であり、 さらにその世界に投企していく健全な在り方である。 人間は進化を観察し記述する動物であるばかりではない。 われわれこそ進化する動物、進化的倫理に生きる動物 〈エチカル・アニマル〉そのものである。 エリッヒ・ヤンツ |
■目次より |
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序 38億年彼方からの進化的倫理 エリッヒ・ヤンツ はじめに 進化倫理論の復権 1 われわれにとっての倫理 現代的「進歩」の実態と評価/統計学的魔性の倫理/ 知性と哲学の使命 2 価値観と生物学的叡知 倫理論のさまざま/発生学的観点をもちこむ/ 人間進化の特異性/横超する倫理論 3 ウィーン学団との決着 新参者のための哲学心得/倫理は語りうるか/ ムカデ言語哲学の悩み/哲学者ヴィトゲンシュタインの詩的自覚 4 発生学的思考法のすすめ 5 自然主義の誤謬 ムーアの批判/自然主義的誤謬とニュートン的自然/ 自然主義的誤解の諸相 6 機能と有機体化の概念 7 プロセス思考の方法論 8 生物学的思想の形態:または悪循環の効用 進化と発生の事実/哲学者は傍観者か/ 循環的因果のオーガニゼーション 9 生物の進化システム 進化の道すじ/進化システムのしくみ/後成的システムと開発的システム/ 進化理論における決定論、非決定論/機械論から有機体論へ 10 人間の進化システム もうひとつの進化システム/文化的進化の重み/ 遺伝と副遺伝のメカニズム/進化する社会遺伝システム/ 抵抗と順応のバランス/文化における種形成と淘汰 11 進化的発展の経路 三つのカテゴリー/遺伝システムと後成的システムの進化/ アナゲネシス:または進化的発展 12 社会遺伝システムの進化 学習の諸段階/記号と表象のあいだ/ 〈権威システム〉と文化の伝達/動物の〈権利システム〉 13 人類の進化と堕落 ピアジェとフロイト/倫理は先天的か/権威システムの形成 14 自由と理性 理性的「選択」と自由/呼吸のごとき合理思考 15 理解すること、信じること 信仰という名の神話/一元思考から多元思考へ/ 進化プロセスと世界観/倫理、経験、そして創造性 16 生物学的叡知と現代の課題 進化の方向に照らして/地域的文化と情報伝達/ アナゲネシスを妨げるもの/現代における生と死の倫理 |
■著者紹介:C・H・ウォディントン Conrad
Hal Waddington 1905-75 |
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A・N・ホワイトヘッドの有機体哲学をバックボーンに、生物進化のプロセスを人間の創造的活動や社会的活動にいたるまで透察したイギリスの発生生物学者。 ケンブリッジ大学卒業後、エジンバラ大学教授、同大学動物遺伝学研究所長、国際理論生物学連合会会長などを歴任。アメリカでもニューヨーク市立大学、コロンビア大学で教鞭をとる。1930年代の現代生物学の草創期から、一貫して発生学と遺伝学を統合する強靱な生命観のもとに研究をリードし、今日の分子生物学的手法の基礎を確立。分子のレベルに接しても還元主義には陥らず、あくまでも「プロセスとしての生命」を凝視した。 著作は『発生と分化の原理』『科学と倫理』『遺伝子の戦術論』『進化論者の進化』『現代芸術と20世紀自然学』など多岐にわたる。『21世紀へ生きる条件』(1980、三笠書房)ではローマ・クラブの『成長の限界』の観点とは一線を画した未来学のビジョンを提示した。 |
■推薦のことば |
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「ひじょうに重要な一書です。現代の進化論の歴史に残る大きな道標となることでしょう」 マーガレット・ミード(文化人類学) 「ウォディントンが“発明は発明以前の状態にもどることはできない”というのなら、わたしはこう言いたい。“人類はウォディントンの『エチカル・アニマル』を知る以前の状態にもどることはできない”、と」 アーサー・ケストラー(『機械の中の幽霊』『ホロン革命』著者) |
■関連図書 |
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・自己組織化する宇宙 自然・生命・社会の創発的パラダイム E・ヤンツ 3200円 |
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