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■目次より | ▲ | |
マニア:世紀末のマッド・サイエンティストたち エピローグ:マッド・サイエンティストその後 |
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■著者紹介:エド・レジス Ed
Regis |
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メリーランド州在住のサイエンスライター。哲学博士。趣味は飛行機、パイロットの個人免許をもつ。1985年、地球外生命についてのアンソロジーを編集してケンブリッジ大学出版局より刊行、アカデミズムの側からSF的なテーマに接近する。1987年、プリンストン高等研究所を舞台に天才たちの人間ドラマを描いた『アインシュタインの部屋』が世界的ベストセラーとなり、一躍時の人となる。2作目の本書ではクライオニクスから人工生命まで、永遠の命を追求する究極のテクノロジーをドキュメント。3作目の『ナノテクの楽園』では、本書にも登場するナノテクノロジーの発想者エリック・ドレクスラーが決してマッド・サイエンティストではないことを明らかにしながら、超微小エンジニアリングの醍醐味を余すところなく描き出す。 邦訳はほかに『ウィルス・ハンター CDCの疫学者たちと謎の伝染病を追う』(早川書房)、『悪魔の生物学 日米英・秘密生物兵器計画の真実』(河出書房新社)がある。 |
■関連図書 | ▲ |
・アインシュタインの部屋 天才たちの奇妙な楽園 E・レジス 上・下 各1800円 |
■書評 | ▲ |
◎佐倉統氏(『科学』1993年9月) 「著者エド・レジスは、前作『アインシュタインの部屋』でも軽妙な冴えた筆致で科学者たちを活写していたが、今回はもっと過激に、科学や技術そのものにも焦点をあて、それを繰り出す世紀末の“マッド・サイエンティスト”たちの挙動を横糸に、豪快なテンポでハード・サイエンス・ルポルタージュを織りあげた。 取り上げているテーマは幅広く、宇宙旅行・宇宙植民から始まって、死体の冷凍蘇生(クライオニクス)、ナノテクノロジー、人工生命、恒星間飛行から、はては太陽や銀河を人間に都合のいいように“開発”しようという宇宙工学にまで及んでいる。 しかし、一見雑然としたこれらのトピックスの裏には、“人間って何なの? これからどうなるの?”という、問いかけが一貫して流れている。そのため、記述には求心力があり、グイグイと一気に読んでしまった。もちろん、その問いかけに対する答は簡単にはみつからないわけで、著者もいくつかの考え方には懐疑的なようだ。たとえば、人間の心や精神が全部コンピュータの中にはいってしまうという予測(ハンス・モラヴェック)には相当批判的である。太陽を押しつぶす技術(デイヴ・クリスウェル)や、人間がそのうち宇宙と一体になるという予測(フリーマン・ダイソン)あたりになると、なかばあきれたという感じすらも伝わってくる。 けれども、著者は、これらの荒唐無稽な論議の向こうに脈々と息づいている可能性、科学技術によって人間が変革されてしまう可能性を、しっかり見据えている。すべてのテーマは、結局そこに合流していくのだ」 ◎中村融氏(『SFマガジン』1993年11月) 「これはめっぽう面白い本である。常識はずれの科学者たちの肖像に、最先端科学の話題を巧みに折りこんだ第一級の科学解説であると同時に、科学の諸分野に共通し、それらをつないでいる「ある夢」を浮きぼりにしてみせた洞察の書でもあるのだ。 その夢とは「人類を、宇宙に進出して活躍する不死の魂にすること」。それを伝統的なありふれた科学の力で実現させようというのだから、聞いただけで元気が出てくるではないか。 あつかわれる分野は、宇宙植民、冷凍睡眠、ナノテクノロジー、電脳生物、宇宙工学、最先端物理と多岐にわたり、登場するのは、ナノテクノロジーの旗手エリック・ドレクスラー、電脳生物の提唱者ハンス・モラヴェック、L5協会のヘンスン夫妻、太陽分解計画の発案者デイヴ・クリスウェル、おなじみフリーマン・ダイスン、ロバート・フォワードなど。しかし、どの人物も複数の分野にまたがって顔を出す。というのも、不死と宇宙進出は密接にからみあっているからだ。不死身の人間が狭い地球にあふれることは目に見えているし、寿命のはかない人間が広大な時空に進出できるはずがない。かくして科学の諸分野は、不死テクノロジーという点で手を結ぶ。そおれはたんに個人の不死をめざすだけではない。宇宙の不死をもめざしている。なにしろ、この本に出てくる人たちは、宇宙の熱的死の回避法や陽子崩壊の防止法まで真剣に考えているのだから」 |
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