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地球生命圏 新装版[詳細]

目次著者紹介関連図書



“システム論”的地球観の金字塔
われわれはガイアの一員として
いかに生きるべきか?

「宇宙空間から眺めた地球は文字通りひとつの生命体だった!」
20世紀後半の宇宙飛行士たちが示した新しい地球像。
NASAの宇宙計画に参画した著者は、
彼らの感慨を大気分析、海洋分析、システム工学などを駆使して
実証科学に置き換えた。
出発点となった「ひとつの生命体としての地球」の名前は「ガイア」。
ギリシア神話の大地の女神で天文神ウラヌスの母でもあり妻でもあった初源の女神。
環境問題の盲点を洗いだし、ガイアのパートナーの一員としての
人類の課題をクローズアップした記念碑的名著。




■目次

第1章 序章

  1 火星の生命探査計画にはじまる
  2 地球生命への新たな視座
  3 ガイア仮説の誕生

第2章 太初に

  1 過酷な環境下での生命の出発
  2 生命活動と大気の循環
  3 生命圏による環境調整
  4 嫌気性の世界と危機の克服

第3章 ガイアの認知

  1 ガイアの仕事と偶然の産物のちがい
  2 平衡世界と生命なき安定状態
  3 生きている世界
  4 ガイアの死についての思考実験
  5 SF「ネッシン博士の異常な愛情」

第4章 サイバネティックス

  1 直立作業のサイバネティックス
  2 直線論理から循環論理へ
  3 体温調節とホメオスタシス
  4 ガイアの自動制御システム
  5 正と負のフィードバック
  6 情報と自由エネルギー

第5章 現在の大気圏

  1 宇宙空間からの地球像
  2 大気圏の構成
  3 酸素と生命圏
  4 メタンの機能
  5 亜硫化窒素とアンモニア
  6 窒素ガスと微量ガス
  7 二酸化炭素と水蒸気

第6章 海

  1 〈水球〉としてのガイア
  2 海はなぜ塩からいのか
  3 生きた細胞と塩分
  4 海はなぜもっと塩からくないのか
  5 ガイアの塩分コントロール
  6 硫黄収支の謎を追う
  7 海洋開発の前に

第7章 ガイアと人間:汚染問題

  1 「昔はよかった」の呪縛を超えて
  2 自然界の汚染物質
  3 地球と生命を脅かすもの
  4 オゾンを消衰させるもの
  5 ガイアと調和するテクノロジー
  6 海洋農場の危険性
  7 全地球的な目くばりを

第8章 ガイアのなかに生きる

  1 人間中心の生態学を超えて
  2 ガイアの制御プロセス
  3 ガイアの健康を保つために
  4 人間の歴史と全地球的環境
  5 都会の科学者によるモデル操作の限界
  6 オルタナティヴ・テクノロジーの可能性

第9章 エピローグ

  1 思考・感情とガイア
  2 パートナーの一員としての人間
  3 ガイアと知性
  4 われわれの中のガイアのめざめ

新装版に寄せて  訳者あとがき【公開】



■関連図書(表示価格は税別)

  • ガイアの時代 J・ラヴロック 定価 本体2330円+税
  • 新ターニング・ポイント フリッチョフ・カプラ 定価 本体1900円+税
  • ホロン革命 新装版 アーサー・ケストラー 定価 本体2800円+税
  • 精神と物質 エルヴィン・シュレーディンガー 定価 本体1900円+税
  • カオスの自然学 新装版 テオドール・シュベンク 定価 本体2400円+税
  • 屋久島の時間(とき) 星川 淳 定価 本体1900円+税



  • ■著者紹介:ジェームズ・ラヴロック James Lovelock

    1919年生まれ。「ガイア仮説」の提唱者であり、環境分析に革命をもたらした電子捕獲型検出器の発明者。「ガイアの発想」はNASAの宇宙計画の共同研究者として火星の生命探査計画に参画したのがきっかけ。「ひとつの生命体としての地球」を目撃した宇宙飛行士達とはまったく独立したスタートだった。大気分析を通して火星には生命が認められないことを実証した後、改めて地球に注目。バクテリアから人間まで、地上の生きとし生けるものはもとより、大気や海などの環境も含めてひとつの生命体とみなす「ガイア仮説」を打出した。発表当初は批判も浴びたが、晩年は「100人の世界的知識人」(プロスペクト誌)に選ばれたり、「ダーウィン以来、最も影響力のある科学者」(アイリッシュ・タイムズ紙)と評されたりするなど、独立独歩の科学者としての比類ない功績が広く認められるようになる。
    著書に、「ガイア仮説」を「ガイア理論」に深めた『ガイアの時代』(工作舎)、100歳で刊行した『ノヴァセン』(NHK出版)など。103歳の誕生日(2022年7月26日)に他界。


    ■訳者紹介:星川 淳(ほしかわ・じゅん)

    1952年東京生まれ。日本の大学中退と、インドおよび米国での”遊学”を経て、1982年より屋久島在住。2005〜10年、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン事務局長、2010年から市民活動助成基金アクト・ビヨンド・トラスト代表理事を歴任。
    著書に『地球感覚、』『屋久島の時間(とき)』(工作舎)、『魂の民主主義』(築地書館)、『タマサイ』(南方新社)、訳書に『存在の詩』(めるくまーる)をはじめとするOSHO講和録、U・K・ル=グィン『オールウェイズ・カミングホーム』(平凡社)、P・アンダーウッド『一万年の旅路』(翔泳社)、B・E・ジョハンセン他『アメリカ建国とイロコイ民主制』(みすず書房)、共著に坂本龍一監修『非戦』(幻冬舎)、監訳にA・V・ヤブロコフ他『調査報告チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)、共訳にラムダス『ビー・ヒア・ナウ』(平河出版社)ほか多数。









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