反復幻想[詳細]
19世紀から現在に至るまで、
まるで亡霊のようにいつまでも消えずに残っている発生反復説。
思想を超越した魅力を放ち続けるのが「反復」という、
この難解極まりないテーゼなのだ。
あまたある学説の中にあって、この発生反復説だけは、
とりわけ動物学者にとっては厄介な代物であり続けている。
形態進化の謎に迫ろうとすればするほど異様に明瞭に目の前に浮かび上がり、
手に掴もうとする刹那、明滅を始め、指の間をすり抜けてゆく。
■目次より |
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第1章 発生反復説
コラム●発生学は終わったのか?第2章 反復とは何か
フォン=ベーアと原型説ボディプランと胚葉説
コラム●発生学書は在るべき処へ?
第3章 『一般形態学』とヘッケルの発生反復説
ハクスレーからミュラーへ形態学的な系統樹
ヘッケルの胚葉
コラム●形態学は学問だ
第4章 生物発生原則のその後
反復の実例はあるのか揃い並ぶ胚たち
コラム●ヘッケル的進化の困難さ
第5章 保守的な発生のメカニズム
構造的ネットワークファイロタイプとガストレア問題
コラム●草薙素子は進化する?
第6章 発生が進化を繰り返す理由
エピジェネティクスから反復を見るコラム●異能の人、ヘッケル
第7章 反復説に反する考え方
ヘッケルの変形発生ド=ビアのヘテロクロニー論
ゼヴェルツォッフの学説
ヘテロクロニーとヘテロトピーの組み合わせ?
コラム●因果連鎖としての発生と進化
第8章 ボディプランの進化
発生負荷と反復コラム●現代に蘇る遺産
第9章 越境する反復と諸問題
化石と死体の反復レイヤーと反復
付記
第10章 結論とまとめ
結語まとめ
後記
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