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科学者は本当に信用できるのか? |
■目次より | ▲ |
第1章 科学のルールの成立と違反 第2章 実験者の影響 行動研究の落し穴/天体観測 第3章 誤りか自己欺瞞か N線は実在しなかった/デイヴィス= バーンズ効果/アリスン効果/ ミトゲン線の神話/ポリウォーター:解明された異例/スコトフォビン:事実か虚構か 第4章 疑惑の影の中で プトレマイオス再考/ニュートンはデータを捏造したのか/ メンデル:誰がエンドウ豆を数えたのか/なぜカンメラーは自殺したのか/ カレルの不死の細胞/バート論争:知能の遺伝/ いかにしてミリカンはノーベル賞をかち得たのか 第5章 ルイセンコ:科学と政治 第6章 証拠のあがった臨床医学研究の不正 サマーリン事件/天才ジョン・ダーシー/ 発表したのが運の尽き/実験日誌が暴いた不正行為 第7章 証拠のあがった基礎医学研究の不正 カスケードの醜態/10年もかかった調査/t-RNA の結晶は本当にできたか/ 想像で作ったデータ/砂糖を酸に変えた研究/金銭的動機から 第8章 批判と挑戦 係争中のエイズ/スワミナタンの超優良小麦/平和な里の波乱:イルメンゼーの例/ 節酒論争/実は元の細胞と違った細胞であった/問題のある栄養学の研究/補遺 第9章 古生物学と考古学での偽造 ピルトダウンの作り事/始祖鳥は実在したか/ひときわ悪名の高い偽造 第10章 盗作か著作権侵害か アルサブティに見くびられた既成体制/ピルトダウン事件の追記/自著からの盗作/ 編集委員会は信頼できるか/文献のでっちあげ:盗作の裏返し 第11章 研究費申請書に真実が書いてあるか なぜ研究費が/研究班の班長の役割 第12章 科学の別の倫理問題 著者自身の矛盾/科学の大衆化と倫理/知的財産の所有者は誰か 第13章 薬物は安全か 薬物テストとデータの不正操作(施行方法/製薬会社/臨床試験実施責任者)/ 専門家とサリドマイド/国立癌研究所と治験薬 第14章 正直であるためには 詐欺を働く情緒的基盤/科学における保護のメカニズム 第15章 科学における欺瞞に対して何ができるのか 欺瞞を公表すること/防止 第16章 どこまで行けば終わるのか 欺瞞は科学の慢性病か/誤り/共著者であることの危険と特権/ でっちあげられたピル研究/歴史を少々(A2 中間子の分裂の謎/ケクレとベンゼン環)/ 再び節酒療法論争について/ 疑惑の影の中で(心臓病学における虚報/ドーソン再論/始祖鳥の化石は本物か)/ 細胞の所有権/暴露に伴う危険 |
■著者紹介:アレクサンダー・コーン Alexander
Kohn 1919- |
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ポーランドに生まれ、1937年にパレスチナに移住、エルサレムのヘブライ大学に入学し、微生物学を専攻する。1940年から46年まで軍籍。47年にM. Sc.、51年にはPh. D を取得。52年から新設されたイスラエル生物学研究所所員となる。54年、生物物理学部門(後のウイルス部門)主任。70年から73年まで同研究所所長。71年、テルアビブ大学医学部ウイルス学教授に就任し、87年より同大学名誉教授。イスラエル微生物学会会員、元会長。著作や論文執筆、医学専門誌の編集にたずさわるほか、科学を諷刺したユーモア雑誌『Journal of Irreproducible Results (再現できない結果ジャーナル)』を1955年にアメリカで創刊、89年まで編集長/編集委員をつとめる。邦訳書はほかに『科学の運』がある。 |
■関連図書 | ▲ |
・科学の運 発見と逸機の科学史 A・コーン 2800円 ・ニュートンと魔術師たち 科学史の虚像と実像 P・チュイリエ 1900円 ・ジェンダーの神話 [性差の科学]の偏見とトリック A・ファウスト-スターリング 2816円 ・ジェンダーは科学を変える!? 医学・霊長類学から物理学・数学まで L・シービンガー 2600円 ・女性を弄ぶ博物学 リンネはなぜ乳房にこだわったのか? L・シービンガー 3200円 ・科学史から消された女性たち アカデミー下の知と創造性 L・シービンガー 4800円 ・女性を捏造した男たち ヴィクトリア時代の性差の科学 S・E・ラセット 3200円 ・セックスの発明 性差の観念史と解剖学のアポリア T・ラカー 4800円 ・リプロダクティブ・ヘルスと環境 共に生きる世界へ 上野千鶴子+綿貫礼子ほか 2400円 |
■書評・関連情報 | ▲ |
◎WEB掲示板「捏造問題論争の部屋」(2001年2月26日) 考古学の捏造問題をきっかけに開かれた掲示板で、科学における不正な研究や欺瞞に対処する案をめぐって、本書300-02頁からの引用を紹介。 詳しくは>>> ◎『京都新聞』(1990年7月23日) 「自分の理論に合わせて天体観測のデータを改ざんしたニュートン、エンドウマメで遺伝の法則を発見したメンデルの実験ではお抱えの庭師が主人の意図に合わせてマメの数を数えていたことなどの古い事例。 また、最近の避妊用ピルの製薬会社から助成を受けピルの発がん性否定の論文を発表していた医学博士、患者に無断でなされるがん治療試薬の投与、ノーベル賞受賞のミリカンの研究は研究生の功績だったことなど、世界各国のデッチ上げや盗作、ミスをそ上に載せ不正発生のメカニズムを次々に解明し、間然するところがない。……本書は一線の現役科学者である著者がいわば“内部告発”ともいえる攻撃的手法で、当の科学者の心理の内奥に分け入りゆがみをえぐり出すくだりは、推理小説のそれに似てダイナミックそのものである」 |
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