子どもの神秘生活[詳細]
The Spiritual Life of Children
■目次より |
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精神分析と宗教/教会がわたしを救ってくれる/だれかに見守ってもらうと安心する/天国と地獄はこの世にある/神様がほほ笑んでいる/わたしは神様のもの
第2章 ホピの少女に学ぶ
無口な少女との出会い:わたしたちの神様は空/わたしの中の「音のおうち」/ある日曜日の教会で:友だちと遊ぶほうがまし!/もし、神様に会えたら/子どもたちの豊かな霊的世界を学ぶために
第3章 神の顔
天国の天気/神様の色/神様はいつでも見てる!/神様を思いうかべるとき:神様のほほ笑みのおかげ/ベストを尽くすために、この世にいる/神様はGIカットで青緑/大きなおでこはしわだらけ/地球でいちばん手ごわい相手/神の具象化を禁じられた子どもたち/神様を思い描くときは、神様を信用しなきゃ
第4章 神の声
いじめられっ子ハルーン少年の願い(イスラム教):一生悩みつづけていい/超自然現象を体感する少年エーブラムの思い(ユダヤ教):ぼくたちと神様の「方程式」/快活な少女アンの祈り:明るい陽ざしの中で/絶望の淵に生きる少女マルガリータの救い:陽が沈むまで…
第5章 死の床からのまなざし
「鉄の肺」から:感情的なバランスを保つための防衛的思考/一枚の絵をめぐって:子どもたちにとって神とは/神は心の避難所:親では不十分なとき/孤独を訴える子どもたち:宗教と親の狭間で子どもたちは…/ひとときも側を離れない心の“友”:根本主義、原理主義を信じる人々の心模様
第6章 哲学する子どもたち
夢の贈りもの/存在の意味/木のいたみ、石のいたみ/考えるのは、ぼくたち人間だけ!?/哲人王ギルに手を焼く大人たち/ほんとうの自分でいられるとき/小さな哲学者たちの探しもの
第7章 子どもの霊的ビジョン
調和を願うホピ族の少女ナタリー:先祖の便り/世界を結ぶ「大きな輪」/永遠のものにふれたいと願う少女ミーガン:黒人区域と白人区域の境界線で/とわの願い
第8章 絵に表された信仰
握手がだいじ!/とっておきの絵/癒しの物語/神様が住んでる惑星/あっというまの決断/モーセの嘆きと神のなぐさめ/スーパーマンとイエス様/世界一の魔術師/恐れと祈り/無垢な呼びかけ
第9章 キリスト教における救済
いちばんの友だち/人間だったイエス様/大きなタッチダウン/コンピューターを使うイエス様!?
第10章 イスラム教における服従
あこがれの職業と信仰/戒律を守るよりたいせつなこと/天国への道程
第11章 ユダヤ教における正義
小さいときからぼくはユダヤ人/神様の仕事/内省的な信仰心/正義感に潜む危険/永遠の祈り
第12章 宗教にとらわれない自己探求
それが人生、それも人生/あるがままを見つめて/子どものジレンマはパスカルのジレンマ
第13章 巡礼する子どもたち
人生は行進/素朴な信仰/旅立ちのとき
■関連図書(表示価格は税別) |
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■書評 |
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◎芹沢俊介氏(『エコノミスト』1997年8月19日)
アメリカの児童精神科医コールズの本はとにかく気持ちがいい。精神科医にしては珍しく自分を疑う視線を持っている。つまり権力的なところがない。だから子どもの言葉に耳を傾けることができる。この本からも霊的、宗教的生活についてたくさんの子どもたちの珠玉のような発言が聞こえてくる
◎『毎日新聞』(1997年12月12日)
貧困や人種差別など困難な状況に置かれた子どもたちとのインタビューを30年以上にわたり行ってきた精神科医のライフワーク。
子どもたちの言葉を読むと、彼らが人間存在や死について、深く考えていることが分かる。例えば、10歳の少年の「教会に行って教えをみんな守っても何かが欠けている。つまり霊的じゃない」という言葉。物理で原子や分子について習ったとき、人間を超越した存在に思いをはせたり既存の宗教に疑いの目を向ける。仏教世界の子どもが登場せず物足りないが、日本の子どもはどんな答えをするのだろうか。
◎『児童心理』(1997年12月)
神様は誰なんだろう、天国はどんなところなんだろう……。誰しも、子どものころ、しきりに考えた経験をもっているであろう「霊的な世界」。本書は、児童精神科医の著者が30年にわたって世界の国々で行った、6歳から13歳の500人を越す子どもたちへのインタビューをまとめた大作。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、そして特定の宗教をもたない子どもたちが霊的な問題をどう捉えているのかを、一人最低5回以上の話し合いを通して、深く探る。子どもの宗教観、哲学観、道徳観、思考に触れられる逸書。