[詳細]キーワード検索HOME
 目次 著者紹介関連図書書評目録へ戻る(定価ほか)


銀河の時代(上)[詳細]

天動説が主流だった17世紀、地動説に基づいて
太陽のまわりを回る月から見物する月旅行物語『夢 Somnium』を書いたケプラー……
きらきら輝くアリストテレスの透明な天球からホーキングの虚時間宇宙創生モデルまで、
時間を超えて偉大な「頭脳」が宇宙の完璧な姿を描くことを夢見てきた。
新しい宇宙モデルが作られては、新たな発見や理論によってうち砕かれていく……
宇宙論の歴史には、果たせなかった夢のかけらが散らばっている。
天文学、物理学、哲学、宗教にわたる

さまざまな人々のエピソードを織り交ぜて綴られた壮大な宇宙論叙事詩。


■目次より

上巻】
第Ⅰ部 宇宙

第1章 天のドーム
    古代人の宇宙観/時を知り、季節を知る/幼年期の終わり/
    アカデメイアとプラトン/エウドクソスの宇宙モデル/
    アリストテレスの登場/プトレマイオスの宇宙/現象を救う
第2章 天井を上げる(そして下げる)
    不動の地球と宇宙の大きさ/アリスタルコスの太陽中心説とアルキメデス/
    「アルキメデスとは何物だ?」/ギリシア科学の死とローマ文化/
    キリスト教と科学/イスラム人科学者たちの宇宙観/
    ボエティウスの死:暗黒時代の始まり
第3章 地球の発見
    星と探検隊/マルコポーロの天国/エンリケ航海王子/
    南へ、そして東方へ/キリスト教の運び屋、コロンブス/
    アメリカ大陸発見/大探険がもたらしたもの
第4章 太陽の崇拝者
    本の虫、コペルニクス/『天球の回転』=『アルマゲスト』?/
    新プラトン主義と太陽崇拝/コペルニクスの宇宙モデル/
    世界を変えた『天球の回転』/変化する宇宙/超新星の出現/
    ティコ・ブラーエ/ヨハネス・ケプラー/天の調和を求めて/
    ティコとケプラー/ケプラーの法則/ケプラーの死
第5章 後退する世界
    伝説の人、ガリレオ/若き日のガリレオ/ガリレオと望遠鏡/
    月、惑星、そして星/思考実験と落体の法則/慣性の法則/
    ガリレオとケプラー/ガリレオの過ち/
    コペルニクス説とローマ・カトリック教会/異端者、ガリレオ
第6章 ニュートンによる展開
    最後の魔術師ニュートン/若き日のニュートン/ニュートンとデカルト/
    月とリンゴ/ニュートン式反射望遠鏡/重力と惑星の軌道/
    『プリンキピア』誕生/99パーセントの汗/ニュートンの宇宙/
    人間としては失格、怪物としてはとびきり/ニュートンと重力の謎/
    神学者アイザック・ニュートン
第7章 太陽に垂直な線
    天文単位の値/惑星までの距離を測る/経度の測定/三角測量で距離を測る/
    金星測量泣き笑い/星の距離を測る/ブラッドレイと地球の動き/星と地球
第8章 深宇宙
    星雲の種類/銀河で満ちたカントの宇宙/
    フリードリッヒ大王と数学者ランベルトの奇妙な会見/
    音楽から天文学へ:ハーシェル/空を「掃除」する/
    天王星の発見と世界最大の望遠鏡/古代の光を刈る
第9章 島宇宙
    星雲の正体:銀河かガスの渦巻か/光学技術者の台頭/
    フラウンホーファー線/分光学と天体物理学の始まり/星雲説の盛衰/
    セファイド型変光星、球状星団、そして天の川/
    ハッブル登場:島宇宙仮説の勝利/過去、現在、未来の物語を求めて
第10章 アインシュタインの空
    エーテルは存在するか/若き日のアインシュタイン/ファラデーとマックスウェル/
    マックスウェルの方程式 vs ニュートンの絶対空間/発電機の謎/
    特許局時代のアインシュタイン/特殊相対性理論/
    E=mc⒉物質は凍結したエネルギー/重力質量と慣性質量/四次元の時空連続体/
    一般相対性理論への道/有限で境界のない宇宙??/証明された一般相対性理論
第11章 宇宙の膨張
    「宇宙項」は何のため/ドップラー偏移の発見/膨張宇宙の発見/
    膨張宇宙論の父、ルメートル/理論と観測が手を結ぶ/
    ガモフのビッグバン・モデル/進化する宇宙

付録★宇宙の簡単な歴史

下巻>>>




■著者紹介:ティモシー・フェリス Timothy Ferris

1942年、フロリダ州マイアミに生まれる。ノースウェスタン大学卒業後、『エスクワイヤ』、『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ各誌紙で執筆活動を展開して数々の賞を受賞。テレビの科学啓蒙番組にも貢献するサイエンスライターにしてカリフォルニア大学バークレイ校のジャーナリズム学科教授。
天文学、物理学のみならず、哲学、宗教など、人類の「全知性」にかかわる宇宙論の集大成ともいうべき本書は、執筆に12年をかけた渾身の1冊。アメリカ物理学会賞受賞および『ニューヨーク・タイムズ』『ボストン・グローブ』各紙でベスト・ブックに選出される。


■関連書籍

アインシュタインの部屋 天才たちの奇妙な楽園 上下 E・レジス 各1800円
不死テクノロジー 科学がSFを超える日 E・レジス 2500円
地球外生命論争1750-1900 カントからロウエルまでのETをめぐる思想大全 M・クロウ 20000円
世界の複数性についての対話 ロケット不要の宇宙旅行 フォントネル 1900円
ケプラーの憂鬱  孤独な天文学者の半生 J・バンヴィル 2500円
星界小品集 ゼンマイ仕掛けのスペースオペラ P・シェーアバルト 1600円
夜の魂 天文学逍遙 C・レイモ 2000円
夜の国 心の森羅万象をめぐって L・アイズリー 2500円
星投げびと コスタベルの浜辺から L・アイズリー 2600円
子午線 メートル異聞 D・ゲージュ 2427円



■書評

◎フェリスの良質で明快、詩的な文章は、まちがいなく、わが国のトップ・クラスのサイエンスライターであることを裏づけている──マーティン・ガードナー(『自然界における左と右』著者)

◎フェリスは、科学に対する抵抗を引き起こすことなく、一般読者に科学を紹介するというむずかしい技術を習得している──アブラハム・パイス(『神は老獪にして…』著者)

◎その広がり、深さ、とりわけ一貫した読みやすさゆえに注目すべき作品。フェリスには、複雑な考えを思わず引き込まれるような魅力的な物語に仕立てる特別な才能が備わっている──マイケル・ロジャーズ(『ニューズウィーク』誌編集主幹)



注文
目録ヘ戻るこの頁のはじめに戻る