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音楽運動療法入門[詳細]

目次著者紹介関連図書書評


トランポリンと生演奏による 脳甦生リハビリ

「一生笑うことはないだろう」と言われた 水頭症の赤ちゃんが
絵や書の個展をひらくまでに成長……、
視線もおぼつかない植物状態の患者さんが エレキギターを演奏するまでに回復……。
患者さんひとりひとりと向き合い、
音楽に合わせてトランポリンの上で 体を動かす楽しさを共有しながら
リハビリテーションを促し、 新たな能力をひきだす
音楽運動療法とはどのようなものか。
そのノウハウと脳科学・生理学的ポイントを
豊富なケース例とともに紹介。




■目次より

プロローグ 心地よさの癒す力

第1章 音楽運動療法の基本原理

1−1 脳の可塑性、学習性、代償性
1−2 音・音楽と聴覚
1−3 トランポリン
1−4 動きと音楽の同時感覚入力
1−5 音楽によるコミュニケーション
1−6 危機感から快感へ
1−7 音楽と自律神経系
まとめ
              

第2章 音楽運動療法によるリハビリテーション

2−1 人と人の出会いからはじまる
2−2 人の本性について
2−3 人の意識について
2−4 音楽運動療法の概要と実施計画
2−5 療法に使用する音楽について
2−6 音楽運動療法の生理学
2−7 音楽と運動の相乗効果
2−8 快感情動を誘発する脳内プロセス
2−9 音楽運動療法の脳神経生理学
2−10 対象疾患
まとめ

3章 音楽運動療法による自閉症児および重度脳障害児の心の解放

3−1 自閉症児および障害児のための音楽運動療法
3−2 自閉症の原因と治療
3−3 自閉症と特異な能力
3−4 自閉症児への選曲
3−5 旭川音楽運動療法連絡会
3−6 旭川音楽運動療法連絡会におけるケース報告
3−7 京都音楽運動療法連絡会における重度脳障害児のケース報告
3−8 井上智史君(芦屋音楽運動療法連絡会)
まとめ
                   

第4章 音楽運動療法によるパーキンソン病治療

4−1 パーキンソン病について
4−2 パーキンソン病の脳内プロセス
4−3 音楽運動療法の進め方
4−4 能力に合わせた展開
4−5 歩行について
4−6 仮面様顏貌の改善とダンス療法
4−7 PETによる画像診断
4−8 PETによる画像診断を活用した音楽選択
4−9 脳内麻薬物質と快感
4−10 ケース報告
4−11 医療機関における展開の条件と問題

第5章 がん患者さんのための音楽療法と音楽運動療法

5−1 音楽療法の進め方
5−2 言語と楽器演奏による癒し
5−3 選曲のポイント
5−4 クラシックとポピュラー
5−5 ホスピス病棟での音楽療法
5−6 音楽療法を実施するさいのアプローチ
5−7 がん患者さんのための音楽療法の有効性検証
5−8 末期がん患者さんヘの音楽運動療法(東大阪市石切生喜病院)
5−9 将来への展望
5−10 身体運動と生きがい
5−11 音楽による睡眠と疼痛緩和
5−12 痛みについて
5−13 音楽運動療法によるがん治療の理論的背景

第6章 認知症の患者さんのための音楽運動療法

6−1 認知症について
6−2 認知症の症状
6−3 認知症とまちがわれやすい主な症状
6−4 認知症をもたらす病気の解説
   6−4−1 アルツハイマー病
   6−4−2  脳血管障害(脳卒中)
   6−4−3 退行変性疾患(アルツハイマー病以外)
   6−4−4 内分泌・代謝性中毒性疾患
   6−4−5 感染性疾患
   6−4−6 腫瘍性疾患
   6−4−7 外傷性疾患
   6−4−8 その他
6−5 認知症の治療方法
   6−5−1 薬物治療
   6−5−2 非薬物療法
   6−5−3 リハビリテーションの必要性
6−6 認知症患者さんの音楽運動療法
   6−6−1 音楽運動療法を始める前に
   6−6−2 音楽運動療法の実施例(MMS法による評価)
   6−6−3 音楽運動療法の実施例(改訂長谷川式による評価)
   6−6−4 野田式認知機能スケール

第7章 植物状態の患者さんのための音楽運動療法

7−1 準備と治療計画
7−2 基本的な進め方
7−3 フィジオボールやメガボールの使用
7−4 高次脳機能回復へ向けた五感刺激
7−5 使用する音楽とセッションの進め方
7−6 意思の疎通方法
7−7 ケース報告
7−8 今後に向けて
7−9 意識障害患者さんの在宅音楽運動療法
   7−9−1 患者と家族
   7−9−2 療法の計画と実施方法
   7−9−3 ミニトランポリン
   7−9−4 在宅療法で期待できる改善・回復効果

第8章 音楽運動療法の科学的検証

8−1 植物症患者さんの音楽運動療法の治療効果の統計的検討
8−2 脳損傷患者さんの音楽運動療法の治療効果の生化学的検証
8−3 音楽運動療法の科学的検証の主要参考文献

第9章 集中医療(ICU)における音楽療法と音楽運動療法の可能性

9−1 ICUの音環境
9−2 ICU内の音環境の改善について
9−3 ICUにおける音楽療法実施に関する研究課題
9−4 音楽と疼痛緩和について
9−5 ストレス解消と睡眠のための音楽
9−6 ICUにおける音楽療法の実際
9−7 新生児集中治療室(NICU)における音楽療法
9−8 集中治療としての植物状態の患者さんへの音楽運動療法

第10章 音楽運動療法士になるには

10−1 資格認定について
10−2 資格条件について
10−3 音楽運動療法士に必要な性格と意識および適性
10−4 音楽運動療法の実施場所と関わる人びと
10−5 留意すること
10−6 音楽運動療法士の基本姿勢について

エピローグ
索引

付録 音楽運動療法のための基本資料
表01 音楽運動療法問診表
表02 音楽運動療法実施記録
表03 音楽運動療法評価表1 抗重力姿勢
表04 音楽運動療法評価表2 味覚・嚥下
表05 音楽運動療法評価表3 発声・構音・発語能力査定
表06 音楽運動療法実施計画書
表07 音楽運動療法で使用する音楽リスト



■著者紹介

野田 燎 (のだ・りょう)
1948年生まれ。パリを拠点にサックス奏者・作曲家として活動し、フランス作曲家協会賞などを受賞した後、1995年に野田音楽運動療法研究所を設立。各地の脳神経外科病院、リハビリテーション病院、障害児教育施設、特別養護老人ホームなどの協力をえて、認知症や植物状態の患者さん、自閉症児などを対象に、トランポリンと音楽の生演奏による音楽運動療法を実施。時間をかけながら、着実な成果をあげている。現在、大阪芸術大教授。医学博士。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 脳科学と芸術  小泉英明編著 工作舎 3800円
  • 脳は甦る 音楽運動療法による蘇生リハビリ  野田 燎+後藤幸生 大修館書店 2200円



  • ■書評

    2010.2.25付 教育医事新聞 野田燎氏インタビュー
    音楽に合わせてトランポリン 脳幹刺激が神経活性化
    「トランポリンの上に立つには不安定な足場の上でバランスを取りながら重力に対抗する姿勢を保たなければなりません。この抗重力姿勢保持と上下動がもたらす脳幹刺激が意識覚醒を促し、さらに複数の感覚刺激を与えると神経が活性化されます。この訓練を積み重ねることで残存機能の拡大と運動や認知機能の向上が図れるのです」

    2009.12.8 日刊ゲンダイ書評
    脳幹機能の活性化が、高いリハビリ効果に
    人間の脳の深部には、「脳幹」と呼ばれる部位がある。音を感じたり眼球を動かしたりする“感覚神経”や、体を動かす“運動神経”など、人間が生きていく上で非常に重要な機能をつかさどっている部位だ。
     この脳幹の覚醒反応を促し、脳疾患などによるさまざまな機能障害の回復を図る方法が、野田燎著「音楽運動療法入門」に記されている。…重要なのが、この場合の音楽は、CDなどに録音されたものではなく、生演奏を聴かせることである。抗重力姿勢での上下運動刺激と、この動きに合った音楽刺激が組み合わさることで、脳幹の機能が活性化し、高いリハビリ効果が表れるのだという。

    2009.9.9 フジテレビ「ザ・ベストハウス123」特番で茂木健一郎さんがプレゼン
    音楽運動療法で回復した井上智史君
    9月9日夜9時から放送されたフジテレビ「ザ・ベストハウス123」は、「茂木ナイト」2時間スペシャル。茂木健一郎さんのプレゼンで、音楽運動療法が紹介されました。この治療で脳が甦った井上智史君のドキュメントにスタジオ感動。また療法提唱者・野田燎さんもスタジオ出演し、実演されました。 詳しくは9/8更新[今週の1枚]へ




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