工作舎ロゴ 書籍解説

HOME > 書籍 > ジャンル一覧新刊一覧 > コンパクトシティはどうつくる?/基本データ




コンパクトシティはどうつくる? [詳細]

目次著者紹介関連図書NSRI選書



NSRI選書・第5弾

歩こう! こころまち

「コンパクトシティ」は、都市のスプロール化を抑え、
持続可能な都市づくり概念とされています。
環境負荷の低減を求めて、あるいはコミュニティ形成や
新しいアーバンデザイン構想のもとに、また急速な都市化への対応策としてなど、
コンパクトシティに求めるものは、世界各国それぞれの都市によりさまざまです。
日本では、人口減少と超高齢社会の到来を喫緊の課題とし、
また地震や水害など災害に強いまちづくりのために

1990年代からコンパクトシティの建設計画に取り組んできました。 これまでの30年の蓄積と、現在とこれからの
魅力と活力あるコンパクトシティへの取組みを紹介します。




■目次

[刊行に寄せて]  明日の都市へ向けて  饗庭 伸
[プロローグ]  「コンパクト」を意識して30年

第1章 どうなる、日本の近未来の都市

1.1 人口減少が進む日本
  進捗状況を冷静に把握する/都市消滅の危機なのか
1.2 超高齢社会の到来がもたらす難問
  世界一速い日本の超高齢化/日常生活が困難となる高齢者の増加/郊外住宅団地の悲劇/地方ではより深刻な状況/都市の持続可能性に黄信号
1.3 リスクに曝される都市
  しなやかな回復力を備えた都市へ
1.4 持続可能な都市づくりのために
  人口減・超高齢社会をチャンスに!/「スマート・シュリンク」という方法/人口減少・高齢化は悪いことなのか/コンパクトシティの必要性/集まって住むことの大切/コンパクトシティとは何か

第2章 人口減少でも元気な都市へ

2.1 コンパクトシティは実現できるのか
  現行の都市計画制度では対応しきれない/立地適正化計画制度の限界/スポンジ化に対応した方策が必要/コンパクトシティ化のための戦略
2.2 大都市でのコンパクトシティ
  東京はすでにコンパクトなのか/都市形成と公共交通との関連/鉄道沿線の個性あふれるまちづくり/駅とその周辺を魅力あるエリアに/東京郊外の公共交通事情/都心居住のための整備が必須/郊外の住宅地と「エリア再生」の意識
2.3 地方都市でのコンパクトシティとは
  50万人規模の経済圏が目安/交通手段と土地利用の一体的なまちづくり/地方都市での拠点づくり/中心市街地の資産(ストック)を活かす/中心市街地を「交流の場」とする/生活の拠点は一つとは限らない/シャッター街、実はまちの「うつわ」/地域の「足」を確保するまちづくり/駅を都市の顔として、人とまちをつなぐ/都市のゆるやかな縮退(シュリンク)方策

第3章 活力あるまちづくり

3.1 えきまち一体化によるターミナルの再生
  生まれ変わる大都市のターミナル駅:東京駅・大阪駅・渋谷駅/にぎわいを駅前に、地方都市の取組み:姫路駅・金沢駅・旭川駅・延岡駅
3.2 まちの価値を高めるまちなか再生
  まちなかにターミナルと広場をつくる:熊本市/既存の施設や空間を活かし、まちの価値向上へ:松山市/民間主導によるエリアマネジメント:東京「大丸有」・札幌駅前/不動産ストックのリノベーション:北九州市・長野市/補助金に頼らない自立する取組み
3.3 コンパクトシティを支える足の確保
  多様な公共交通のサービス/まちの形が「引きこもり」をなくす! /鉄道沿線で取り組むまちづくり(エリアブランディング) :横浜市/海外のコンパクトシティ、その移動事例

第4章  コンパクトシティの夢をかなえよう

4.1 来たるべき未来への透視図
  暮らす人たち自らのまちづくり/人が惹かれる魅力ある拠点づくりを/パブリックスペースを豊かに/新たな移動手段を探り、交通網を整備/「住む」だけの場所から身近な「働く」場所に/まちに活気を生むマネジメント/シェアリングエコノミー時代の到来/インフラのスマートシティ化として取り組む/コンパクトシティへの道をもっと身近なものに
4.2 コンパクトシティ形成の進め方
  集約エリアに引き込む「プル」と「プッシュ」の方策/民間の担い手による地域の課題把握と施策/自治体の垣根を越えた取組みが必要
4.3 技術革新でコンパクトシティはいらなくなる
  自動運転社会が変えるまちの姿
4.4 みんなの気持ちを動かすために
  コンパクトシティの効果や魅力を伝えよう/コンパクトシティのメリットを明快に/市民とともに考え、真の理解を得る



■著者紹介

:竹村 登(たけむら・のぼる)

日建設計総合研究所 理事。大阪大学大学院工学研究科環境工学専攻修士課程修了。1987年に日建設計入社。都市計画・都市ビジョン等策定支援、防災まちづくり、都市・地域活性化のコンサルティングほか、民活導入による自治体プロジェクト推進、環境まちづくり計画等策定などの支援に携わってきた。「持続可能性」、「地域の元気」、「安全・安心」をいかにして実現していくかをテーマに、都市や環境まちづくりのマスタープランや地域活性化に関する調査研究、計画策定支援に注力している。

:日建設計総合研究所(NSRI)

日本を代表する設計会社、株式会社日建設計グループ組織として2006年に設立したシンクタンク。都市経営、環境・エネルギー面から、サスティナブルな都市・地域社会を構築し、魅力的で活力ある未来を次世代に残すために活動中。
日建グループに蓄積された都市、建築、土木等に関する確かな技術とノウハウを活用し、産官学と研究開発協力や人的交流の活性化に努めている。




■関連図書(表示価格は税別)

[工作舎の建築の本]
  • エネルギー自立型建築 [NSRI選書 1] 丹羽英治=監修・著 1200円
  • スマートシティはどうつくる? [NSRI選書 2] 山村真司=監修・著 1200円
  • エネルギーマネジメントが拓く未来 [NSRI選 3書] 湯澤秀樹=監修・著 1200円
  • 近未来モビリティとまちづくり [NSRI選書 4] 安藤章=著 1400円
  • ICTエリアマネジメントが都市を創る 川除隆広 1900円
  • やりくりーぜちゃんと地球のまちづくり 日建設計総合研究所(NSRI)=作・画 1000円
  • 廃棄の文化誌 新装版 ケヴィン・リンチ 3200円
  • 空間に恋して 象設計集団 4800円
  • 漁師はなぜ、海を向いて住むのか? 地井昭夫 2800円



  • ■書評

    2021.1.27 建設通信新聞 著者インタビュー
    コンパクトシティ推進に共通認識重要
    …「都市を単純に縮退させるのがコンパクトシティではありません。また高密度に人や機能を1カ所に集約するものでもありません。場所の特性を生かして人を引きつける、人が中心の、歩いて楽しいまちこそがコンパクトシティです」と明快に説く。…




    ALL RIGHTS RESERVED. © 工作舎 kousakusha