蜃気楼の楽園[詳細]
Als die Berge noch Fluge hatten
神々の起源
水晶でできた王宮、天と地をむすぶ生命の樹、
三重に積みかさなる聖山、妖魔の島、
双頭の鷲、人魚、龍、神鳥ガルダ、さまよえるオランダ船……
世界各地で語りつがれた神々の楽園・他界・聖なるもののイメージは
変幻自在な蜃気楼がうみだしたものだった。
はるかな太古、地平線や水平線を見つめた祖先の想像力がここに、よみがえる。
■目次より |
▲ |
- 1章 魔女モルガンの妖術
- 光の幻像の遺産/冷気の精を呼び寄せる/蜃気楼とは?/山に翼があったころ
- 2章 楽園との出逢い
- 神々の住む平原/ガンダルヴァの町/ヘスペリデスの園/エジプトの楽園/金の鎖にぶら下がる王国/シェダード王の空中庭園/泰山と青雲の姫/聖なる山々/光の楽園/帽子をかぶった山/
狐の館/テメハニ山上の楽園/まとめ——「楽園との出逢い」と蜃気楼
- 3章 神々の姿
- 三重の神々/ヘラクレスと水平線/水上にある神の玉座/三重の富士山/オリュンポス山の玉座/ケルビムとセラフィム/イヌイットの「海の母」/伸び上がるロッキー羊/キメラ(混合動物)の秘密/巨人たちのぼやけた世界/人魚と嵐/大無間山の天女/神々の地上の住まい/まとめ——「神々の姿」と蜃気楼
- 4章 逆立ちの世界
- あべこべ世界/上向きに根を伸ばす木/魔女と悪魔の国/下に枝を伸ばすユーカリ逆立ちで歩く来世/セイレーンたちの世界/ヴェネディガーの小人/精霊の森/まとめ——「逆立ちの世界」と蜃気楼
- 5章 神話の島々
- ポリネシアの不思議な島/魂の跳ぶレインガ岬/幻の島々/白い魂の国/ティルムンと「天の帯」/貝の楼台/妖魔の島/まとめ——「神話の島々」と蜃気楼
- 6章 羽のある蛇
- 羽蛇と翼龍/虹の龍/中国の龍/霊虚殿の物語/ウルムチの赤い龍/ウィンバラク山の蛇/龍王の遊び/バビロンの龍/世界を生む「混沌の龍」/シンドバッドの鳥と蛇/まとめ——「羽のある蛇」と蜃気楼
- 7章 天と地を結ぶもの
- 世界の柱/砂時計の「世界山」/生命の樹/天空を支える柱/楽園への門/アル・キドルと生命の泉/伸び上がるアンデスの山/山の娘と結ばれたシヴァ神/天国の住まい/天国に通じるココ椰子/聖者の島へ渡るゲラシムス/天に生える木/天からぶら下がる綱/雨の神の不思議なテント
/ブッシュマンの岩絵/まとめ——「天と地を結ぶもの」と蜃気楼
- 8章 二重の姿
- シャーマンと鳥/イヌイットの「鷲の国」/二重の鳥と来世/ケルトの鳥/イースター島の鳥人儀礼/オーディンの鴉/二重の神々/双子の魔力/ドゴン族の双子世界/天使の姿/イヌイットの「二つの魂」/アイスランドの「水の馬」/まとめ——「二重の姿」と蜃気楼
- 9章 神々の乗り物
- エホバの玉座/神鳥ガルダ/ケルトの海神/雷の鳥/白い聖獣たち/空飛ぶ霊山/水晶の舟/海の白い泡/カイラーサ山頂の戦い/まとめ——「神々の乗り物」と蜃気楼
- 10章 魔法にかかった自然界
- 二つの太陽・二つの月/消えた太陽/氷山をならすシャーマン/兎と太陽/闇と光の対決/蜃気楼をつくる呪術師/人間を引き伸ばす妖怪/白いレミング/黒い鳥・白い鳥/さまよう樫の木/まとめ——「魔法にかかった自然界」と蜃気楼
- 11章 亡霊たち
- 夜の舟/死を招く船/さまよえるオランダ船/シルクロードの妖怪/雲の中を行く駱駝/火と平原の娘/帆船のようなペリカン/悪魔との遭遇/霊魂の水先案内人/海の怪物/形なき妖怪と太陽神の戦い/他界から来た鳥/山頂のシャーマン/魔法をかけられた町/まとめ——「亡霊たち」と蜃気楼
- 12章 神話と宗教のゆりかご
- 神々の世界を生んだ蜃気楼/宗教と科学と/先史人たちの心象風景/夢の時代を呼び起こす
■関連図書(表示価格は税別) |
▲ |
[神話篇]
■書評 |
▲ |
●ムー 2000.11月号
「すべてを蜃気楼で解釈する姿勢はやや強引な印象を受けるが、従来にない斬新な視座」
●bk1 書評欄に海野 弘氏
「結論は単純であるが、それを裏づけるために世界中の神話や楽園伝説がたどられ、そのスケールと分量がものすごい。」 bk1サイト全文
●2000.10.8 サンケイ新聞書評
「神話の起源を屈折像で説明」
●サイアス 2000.11月号紹介
●2000.9.6 日刊ゲンダイ紹介