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精神と物質[詳細]

目次著者紹介「シュレーディンガーの猫」とは?関連図書


こころの複雑系へ

人間にとって、こころとは何か?
意識はどのような働きをしているのか?
シュレーディンガーは卓越した物理学者として物質世界を考察すると同時に、深い思索を通して精神の問題を探究した。そして、たどり着いた結論が本書である。『生命とは何か』と並ぶ名著。

本書は1956年にケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで行なった連続講演をまとめたもの。原書は58年の初版以来、いまなお版を重ねている。



■目次より

第一章 意識の物理学的な基盤
 脳と脳が描きだす世界についての問題/倫理の自然科学的理解
第二章 知力の未来
 生物学的意味での袋小路か?/ダーウィンの進化論に見られる明らかな陰り
第三章 客観化の原理
 ユングとシェリントンの説/人格は個体の内部に見い出しうるのか?
第四章 算術上の矛盾——精神の単一性
 多元の意識的自我と一つの世界/世界のすべてが演じられる舞台としての精神
第五章 科学と宗教
 時間の概念/プラトン/カント/アインシュタイン
第六章 感覚的性質の不思議
 人間の感覚/観察された事実と科学的理論
解説 シュレーディンガーの思想
 統一への道/合理主義か神秘主義か



■著者紹介:エルヴィン・シュレーディンガー Daniel Cohen

理論物理学者。1887年ウィーンに生まれる。「波動方程式」を完成し、量子力学の歴史に大きな足跡を残す。1933年には、ノーベル物理学賞を受賞。著書『生命とは何か』(岩波新書)で分子生物学の出現を予言する 一方で、インド哲学をもとに精神と物質の一元論を唱えるなど、哲学的考察にも 優れた成果が多い。61年死去。
没後もその業績の影響は大きく、最近「シュレーディンガーの猫」をタイトルに頂く本の刊行が相次いでいる。




■「シュレーディンガーの猫」とは?

ボーアやハイゼンベルグらコペンハーゲン学派の確率論的世界観を批判した例え話。 放射性物質が崩壊すると猛毒ガスが放出される箱の中に猫を入れるとする。コペンハーゲン学派によれば、放射線の放出というミクロの世界の現象は確率的であるという。ならば、それによってひき起こされる猫の死さえも確率的になってしまう。猫がピンピン生きていても、例えば30%死んだ猫となる。愛らしい猫のパラドックスとして、量子力学の入門の格好のキーワードとなった。




■関連図書(表示価格は税別)

[シュレーディンガーと猫たちをめぐる関連図書]
  • シュレーディンガーの猫がいっぱい    和田純夫 河出書房新社 1500円
  • シュレーディンガーの子猫たち    J・グリビン シュプリンガー・フェアラーク東京 2200円
  • シュレーディンガーの猫 上・下    J・グリビン 地人選書 2000円
  • シュレーディンガーの猫は元気か   橋本淳一郎 ハヤカワ文庫 524円
  • シュレーディンガーの哲学する猫   竹内薫ほか 徳間書店 1800円
  • シュレーディンガーのアヒル   林一 青土社 1800円

    [もっと知りたいシュレーディンガーの世界観]
  • 自然とギリシャ人  原子論をめぐる古代と現代の対話 E・シュレーディンガー=著/河辺六男=訳 1900円
  • シュレーディンガーの思索と生涯  波動のパラダイムを求めて  中村量空=著 福井謙一=序 2400円



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