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セックスの発明[詳細]
Making Sex

目次著者紹介関連図書書評


セックスが楽しいのは百も承知だが、
本書によりその確信の背景がいちだんと拡がった。

スティーヴン・ジェイ・グールド
(『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』より)




■目次より

第1章 言語と身体----18世紀の性差観の大転換 

第2章 定めは身体組織に----ガレノス以来のワンセックス・モデル
器官とモグラの眼
血液・母乳・脂肪・精液
オルガスムスと欲望
文化の要請


第3章 新しい科学、一つの身体----クリトリスの発見
解剖の実践

 ◇死体自身が語る
 ◇信じればそう見える
 ◇差異を異なったふうに見る
 ◇差異と同一性の言語
ワンセックス・モデルの真実
 ◇オルガスムスと妊娠
 ◇体液の代替可能性
身体とメタファー

第4章 性の表現----メタファーの伝統
ワンセックスとマクロコスモス
二つのセックスがある世界でワンセックスを表象すること
セックス、ジェンダー、医学、そして法
ハーヴェーの仕事における発生過程のイメージ


第5章 二つのセックスの発見----絶対的な性差の誕生
生物学的な性
生物学のアポリア
 ◇解剖学的差異の美学
 ◇胚発生とガレノス的相同性
 ◇精子と卵子
 ◇卵巣と女性の本質
オルガスムスと性差

第6章 社会化された性----身体をめぐる権力闘争
政治とツーセックスの生物学
生殖周期における文化の政治学
ひとり悪、社会悪、そして紅茶をいれること
フロイトの問題点



■著者紹介:トマス・ラカー Thomas Laqueur

1945年9月6日、トルコのイスタンブール生まれ。父は病理学者で性ホルモン研究の権威でもあったヴェルナー・ラカー、叔父のエルンスト・ラカーも女性ホルモン、エストロゲンの発見者のひとりでもあった。
スワースモア大学で哲学を学び、1973年プリンストン大学で Ph.D 取得。同年よりカリフォルニア大学バークレー校の歴史学助教授をつとめ、現在は同大学教授。
ウッドロー・ウィルソン財団、ロックフェラー財団、グッゲンハイム財団などさまざまな奨学金を相次いで取得、精力的に性と身体と精神性をめぐる歴史研究をすすめている。著書は『Religion and Respectability』(1976)、キャサリン・ギャラハーとの共編著に『The Making of the Modern Body』(1995) など、論文は多数におよぶ。
性差の文化性・政治性を二千年わたる浩瀚な資料を元に暴き出した本書はフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、ポルトガル、ブラジル、中国などで翻訳され話題を呼び、ルーマニア、韓国、ハンガリーでも翻訳出版が予定されている。




■関連図書(表示価格は税別)

  • ジェンダーは科学を変える!? 医学・霊長類学から物理学・数学まで 2600円
  • 女性を弄ぶ博物学 リンネはなぜ乳房にこだわったのか? 3200円
  • 科学史から消された女性たち  アカデミー下の知と創造性 4800円
  • 女性を捏造した男たち ヴィクトリア時代の性差の科学  3200円
  • ジェンダーの神話 [性差の科学]の偏見とレトリック 2816円
  • セックス&ブレイン [女と男]の科学最前線 1900円
  • リプロダクティブ・ヘルスと環境 共に生きる世界へ 2400円



  • ■書評

    ◎スティーヴン・ジェイ・グールド氏(『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』より)
    目的も文意も不明瞭な「アカデミックな論」が多いこの分野において、ひとつのテーマでかくも広範な展開を示したラカーの腕はみごとというほかない。 セックスが楽しいのは百も承知だが、本書により、その確信の背景がいちだんとひろがった。



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