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狼女物語[詳細]

目次著者紹介関連図書関連情報書評


ヴィクトリア朝に始まる
魔性の女(シー・ウルフ)の血脈

眩しい月光のもと、官能の喜びに満たされて変身……
ひとひらの雪のような優しいキス、それは死の刻印……
青い花の列のなかを歩く、まぶしく光る長い金髪の女……
待ちこがれた抱擁とともに引き裂かれる心臓……
エロスとタナトス、聖性と魔性がせめぎあう
美しくも妖しい狼女の物語がはじまる。




■目次より

イーナ  マンリー・バニスター

 ……白い仔狼……変身の恍惚……金色の裸体……合一……

白マントの女  クレメンス・ハウスマン

 ……扉をたたく音……美しく強い手……決死の競争……真夜中の星……

ブルターニュ伝説 向こう岸の青い花  エリック・ステンボック

 ……黒ミサの夜……青い花……リリス……隔絶の小川……

コストプチンの白狼  ギルバート・キャンベル

 ……前兆……謎の貴婦人……目覚める狼……余韻……

狼娘の島  ジョージ・マクドナルド

 ……形のよい素足……掘立小屋……陰惨な音……灰色狼……

狼女物語  キャサリン・クロウ

 ……魔女の噂……狼の前足……賢者の石……火刑……

総説 狼女──私たちの心の物語  ウェルズ恵子

 ……狼女の森……追放と帰還……セクシュアリティの復讐……いま狼女物語をどう読むか……
作者・作品解説



■編者・訳者紹介

編者:ウェルズ恵子  Keiko Wells

立命館大学文学部教授。訳書にベアリング=グールド『人狼伝説』(人文書院)、著書に『黒人霊歌は生きている』(岩波書店)、『フォークソングのアメリカ——ゆで玉子を産むニワトリ』(南雲堂)など。論文に「暴力的文化アイコンとしての『赤ずきん』物語」(筑摩書房)、「ブルーズ君の語ること——初期カントリーブルーズの歌詞を読む」(岩波書店)など。
2011.11.19 比較生活文化学会賞・第一回亀井俊介賞受賞 >>>

訳者:大貫昌子 (おおぬき・まさこ)

在米翻訳家。英訳書に上田誠也 The New View of the Earth. (W. H. Freeman)、邦訳書に『ご冗談でしょう、ファインマンさん』『アインシュタイン愛の手紙』ウィルソン『生命の多様性』(以上岩波書店)、レジス『アインシュタインの部屋』『不死テクノロジー』『ナノテクの楽園』(以上工作舎)、グリック『カオス』(新潮社)、コール『無の科学』(白揚社)など。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 恐怖の館  レオノーラ・キャリントン 工作舎 2600円
  • 耳ラッパ  レオノーラ・キャリントン 工作舎 2000円
  • 夢先案内猫  レオノール・フィニ 工作舎 1400円
  • W・H氏の肖像  オスカー・ワイルド 工作舎 1942円
  • 狼憑きと魔女  ジャン・ド・ニノー 工作舎 3200円
  • 犬人怪物の神話  デイヴィッド・ゴードン・ホワイト 工作舎 4800円



  • ■関連情報

    2022.12.12-2023.1.31 立命館大学生協ブックセンター「ふらっと」
    「ヴァナキュラー文化の世界」ブックフェア

    『狼女物語』の編者・ウェルズ恵子先生の立命館大学最終講義に合わせて、現在同大学衣笠キャンパスの生協ブックセンター「ふらっと」で、「ヴァナキュラー文化の世界」ブックフェアを開催。 ウェルズ先生の著書のほかヴァナキュラー文化関連の推薦図書を選書。ヴァナキュラー文化についての楽しい解説文と今昔表も展示。

    「ヴァナキュラー文化の世界」ブックフェア
    期間:2022.12.12-2023.1.31(予定)
    場所:立命館大学衣笠キャンパス存心館ブックセンター「ふらっと」
    (営業時間:10:00〜17:30、土日祝休み)

    立命館大学生協ブックセンターフェア

    ヴァナキュラー文化についてウェルズ恵子先生POP|立命館大学生協ブックセンターフェア



    ■書評

    2011.5.6 週刊読書人 風間賢二氏書評
    秀逸なアンソロジーに脱帽 狼女を宿命の女の観点からとらえる
    …なぜ人狼は人気がないのか? 色気がないからだ。フランケンシュタインの怪物には人形愛やガイノイド(女性型アンドロイド)の変種があり、吸血鬼にはセクシーな女吸血鬼がいるが、人狼は毛むくじゃらでマッチョな狼男と相場が決まっている(例外として、ジャック・ターナー監督の『キャット・ピープル』という名作映画があるが)。したがってホラー・ファンの大半を占める思春期の男の子に受けがよくない。と思っていたが、今回刊行された短編傑作選『狼女物語』を読んで、考えが浅はかであったことを知らされた。そもそも人狼もののアンソロジーということ自体が珍しいが、本書は女性の人狼ものばかり集めている点でも非常に貴重だ。おそらく我が国初のはず。さらに感心させられたのは、狼女を宿命の女の観点からとらえていること。これは筆者にとって盲点だった。まさに目からウロコの思い。…




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