狼女物語[詳細]
ヴィクトリア朝に始まる
魔性の女(シー・ウルフ)の血脈
眩しい月光のもと、官能の喜びに満たされて変身……
ひとひらの雪のような優しいキス、それは死の刻印……
青い花の列のなかを歩く、まぶしく光る長い金髪の女……
待ちこがれた抱擁とともに引き裂かれる心臓……
エロスとタナトス、聖性と魔性がせめぎあう
美しくも妖しい狼女の物語がはじまる。
■目次より |
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イーナ マンリー・バニスター
……白い仔狼……変身の恍惚……金色の裸体……合一……白マントの女 クレメンス・ハウスマン
……扉をたたく音……美しく強い手……決死の競争……真夜中の星……ブルターニュ伝説 向こう岸の青い花 エリック・ステンボック
……黒ミサの夜……青い花……リリス……隔絶の小川……コストプチンの白狼 ギルバート・キャンベル
……前兆……謎の貴婦人……目覚める狼……余韻……狼娘の島 ジョージ・マクドナルド
……形のよい素足……掘立小屋……陰惨な音……灰色狼……狼女物語 キャサリン・クロウ
……魔女の噂……狼の前足……賢者の石……火刑……総説 狼女──私たちの心の物語 ウェルズ恵子
……狼女の森……追放と帰還……セクシュアリティの復讐……いま狼女物語をどう読むか……作者・作品解説
■関連図書(表示価格は税別) |
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■関連情報 |
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●2022.12.12-2023.1.31 立命館大学生協ブックセンター「ふらっと」
「ヴァナキュラー文化の世界」ブックフェア
『狼女物語』の編者・ウェルズ恵子先生の立命館大学最終講義に合わせて、現在同大学衣笠キャンパスの生協ブックセンター「ふらっと」で、「ヴァナキュラー文化の世界」ブックフェアを開催。
ウェルズ先生の著書のほかヴァナキュラー文化関連の推薦図書を選書。ヴァナキュラー文化についての楽しい解説文と今昔表も展示。
期間:2022.12.12-2023.1.31(予定)
場所:立命館大学衣笠キャンパス存心館ブックセンター「ふらっと」
(営業時間:10:00〜17:30、土日祝休み)
■書評 |
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●2011.5.6 週刊読書人 風間賢二氏書評
秀逸なアンソロジーに脱帽 狼女を宿命の女の観点からとらえる
…なぜ人狼は人気がないのか? 色気がないからだ。フランケンシュタインの怪物には人形愛やガイノイド(女性型アンドロイド)の変種があり、吸血鬼にはセクシーな女吸血鬼がいるが、人狼は毛むくじゃらでマッチョな狼男と相場が決まっている(例外として、ジャック・ターナー監督の『キャット・ピープル』という名作映画があるが)。したがってホラー・ファンの大半を占める思春期の男の子に受けがよくない。と思っていたが、今回刊行された短編傑作選『狼女物語』を読んで、考えが浅はかであったことを知らされた。そもそも人狼もののアンソロジーということ自体が珍しいが、本書は女性の人狼ものばかり集めている点でも非常に貴重だ。おそらく我が国初のはず。さらに感心させられたのは、狼女を宿命の女の観点からとらえていること。これは筆者にとって盲点だった。まさに目からウロコの思い。…