恐怖の館[詳細]
The House of Fear
エルンストとの至上の恋愛の精華
「風の花嫁」とは誰だろう?
…花嫁は激しい生命と神秘と詩を燃料に、肉体を暖める。
彼女は本を読んだことはないが、すべてを飲み干した。花嫁は文字を知らない。
だがナイチンゲールは、花嫁が泉の石に腰かけて、読書しているのを見た。
自分に朗読していたのだが、動物や馬が近づいてうっとり聞き惚れた。
それは花嫁が、あなたたちが今手にしているこの真実の物語、
美しい言葉で書いた誠実で純粋な物語『恐怖の館』を呼んでいたからだ。
マックス・エルンスト(序文より)
■目次より |
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序文、またはロプロプは風の花嫁を紹介する マックス・エルンスト
恐怖の館
卵型の貴婦人
卵型の貴婦人
デビュタント
女王陛下の召喚状
恋する男
サム・キャリントン叔父さん
リトル・フランシス
リトル・フランシス
キャリントン・アルバム
ダウン・ビロウ
ダウン・ビロウ
1987年 後記
■関連図書(表示価格は税別) |
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■書評 |
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◎ルイス・ブニュエル
レオノーラの魂の深奥にて綴られたファンタジーは、彼女の絵の魔術的神秘の一端を明かしてくれる。
◎オクタビオ・パス
レオノーラ・キャリントンのような女性の生命には、美しくも恐ろしいロマンティックな女神が甦る。
◎「シュールな動物的生命力」わたなべとしみち氏(bk1 2005/02/18) ★★★
……彼女の作品がグロテスクなユーモアを湛えながらどこかに巨大な不安の影を帯びているのは偶然ではないだろう。しかし「あまりにもパリ的」である多くのシュルレアリストの作品群の中で、カリントンの小説に登場する動物たちの生態にはたとえば『くまのプーさん』や『ピーターラビット』に通じるような透明さがあって、また後年メキシコに花開く女性シュルレアリズム(それは後にラテン・アメリカ文学に受け継がれるだろう)のおおらかな生命力を予感させる要素もあり、独特の魅力はいまも色あせない。
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