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約3時間で読みおえた『夜の国』のはなつバイブレーションは、 今なお私の心をゆるがしつづけている。 アイズリー教授の骨が大草原の土にかえり、 地中深く眠る古代犬とともに朽ち果てようとも、 『夜の国』は永遠に生きつづける、崇高な名作だ。 レイ・ブラッドベリ |
■目次より | ▲ |
1 黄金の車輪 影/宝物/保護色 2 地の底の世界 選択/青い部屋/仲間/絆/影の広場 3 昼の目と夜の目 頭蓋骨/闇の魔/光の魔 4 闇の道具 投影/氷河期/言葉 5 クレスモローグ 予言/永遠/未来/神様 6 犬の足型と埋もれた街 憂鬱な秘密/寛容への道/狂気の影 7 有刺鉄線と茶色の頭蓋骨 番人/首/境界/畏敬 8 骨の人 記者/石の女/発見者 9 破られた均衡 フランシス・ベーコンの光と影/シェークスピアの洞窟/ ソローの登攀/取り換えっ子(チェンジリング) 10 沼からの使者 デジャ・ヴュ/時間の旅/ミッシングリンク 11 一夜の死 不眠症患者/壊れた物の入り江/夜の死 12 古骨の狩人の死亡記事 賭け/蜘蛛/卵/老人 13 心と自然 二つの世界/父母/存在の井戸/孤独/ 鏡/突然変異/天分/進化の傷/知恵 14 茶色のすずめ蜂 避難場所/野鼠/鳩/故郷 解説 ロビン・ギル |
■著者紹介:ローレン・アイズリー Loren
Eiseley |
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ソロー、エマソンの系譜を継ぐナチュラリスト。20世紀のアメリカを代表するエッセイスト、詩人として知られる。1907年9月2日、アメリカ・ネブラスカ州に生まれる。画家で巡業芝居の役者だった父と耳の聞こえぬ母のもと、「ひとりっ子」として貧しい家庭に育つ。青年時代には世界恐慌を体験、アメリカ中を旅しながら職を転々とした。やがて学問の道を志し、ペンシルヴァニア大学教授に着任。同大学の学部長、全米人類学会の次長、そして米国科学促進協会の次長およびその科学史部の議長を務め、理系・文系を問わず多くの賞や名誉学位を受ける。著書に『Darwin's Century』『The Immense Journey』『The Unexpected Universe』など多数のエッセイ集がある。享年70歳。没後、傑作エッセイを厳選して一冊にまとめあげたのが『星投げびと』(工作舎)。ほかに進化論誕生の舞台裏を探る『ダーウィンと謎のX氏』(工作舎)などが公刊されている。 |
■関連書籍 | ▲ |
・星投げびと コスタベルの浜辺から L.アイズリー 2600円 ・ダーウィンと謎のX氏 第三の博物学者ブライスの消息 L.アイズリー 2816円 ・7/10(セブンテンス) 海の自然誌 J.ハミルトン=パターソン 2900円 ・コルテスの海 ノーベル文学賞作家の航海日誌 J・スタインベック 2500円 ・夜の魂 天文学逍遙 C・レイモ 2000円 ・星界小品集 ゼンマイ仕掛けのスペースオペラ P・シェーアバルト 1600円 ・周期律 元素追想 P・レーヴィ 2500円 ・五つの感覚 イタロ・カルヴィーノ追想 F・ゴンザレス = クルッシ 2000円 ・花の知恵 小さな命の神秘世界 M・メーテルリンク 1600円 ・蜜蜂の生活 巣の精神に生きる M・メーテルリンク 2200円 ・白蟻の生活 人間への予言的社会 M・メーテルリンク 1800円 ・蟻の生活 聖なる生命宇宙 M・メーテルリンク 1900円 ・生命潮流 来るべきものの予感 L・ワトソン 2200円 ・イルカの夢時間 異種間コミュニケーションへの招待 J・ノルマン 1900円 |
■書評 | ▲ |
◎富士川義之氏(『読売新聞』1994年8月16日) 「彼の主要な著作は1947年から66年までのあいだに、つまり科学の権威を絶対視する楽観主義がはびこっていたアメリカで発表された。科学万能の風潮に反発し、人間の心を失った優秀な専門家であるよりも自然や宇宙との交感を重視し、原始人の心性を感じ理解しようとする努力を地道に積み重ねる人間でありたいと欲したのがアイズリーである。 これはそのようなアイズリーの感性と思想形成の過程を克明に伝えるすぐれた自伝エッセーである。原著の副題に「古骨の狩人の思索集」とあるとおり、幼年時代からどうしようもなく地下の世界、あるいは「夜の国」に強烈な魅惑を感じ、原人の頭蓋骨を掘り起こすことに生涯の情熱をそそいできた男が折りにふれて感じ考えてきたことを、さまざまな興味深いエピソードをつらねながら書きとめている。 ネズミや蜘蛛などにいたるまで生きとし生けるものすべてをわがこととして愛し、哀れむこのナチュラリストの優しさに打たれずにはいないし、一貫して自己を「生まれつきの逃亡者」としてとらえる著者の深い孤独に時折慄然としないではいられないだろう」 |
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