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「デレク・ベイリーを聴く会」vol.03報告

「デレク・ベイリーを聴く会」vol.03が5月31日(土)、吉祥寺のサウンドカフェ・ズミで開催されました。特別ゲストは批評家・早稲田大学教授の佐々木敦さん。今回もお立ち見の方が出るほどの大盛況で、ご参加いただいた方々には本当に感謝いたします。vol.01の様子vol.02の様子

過去2回でデレク・ベイリーの60年代音源は聞き終わり、今回から70年代音源に入りました。70年に入ると、デレク・ベイリーは自らのレーベル「インカス」を設立し、ソロはもちろん、周辺のミュージシャンたちとの共演アルバムを次々とリリースしていきます。

そこで、佐々木さんをお迎えしての今回のトークのテーマは、「デレク・ベイリーにとって、レコードとは何だったのか」。ベイリー本人は『デレク・ベイリー:インプロヴィゼーションの物語』のなかで、「再生音を一回聴いたら消えてしまう仕掛けをしてみたい」と語るほど、生演奏の一回性、現前性にこだわっていました。

佐々木さんはそれを受けて、デレク・ベイリーにとってレコードは、生演奏のためのプロモーション・ツールの側面があったのではないかとの指摘をされました。しかし、たとえそうであったとしても、記録として残されたことは、今でこそ大きな価値をもつ、と。

佐々木さんのトークの合間にはカフェのオーナー泉秀樹さんの詳細なレコード解説もあり、今回は4枚のアルバムを聴くにとどまりましたが、濃密な内容にはご満足いただけたのではないかと思います。

満員の会場
サウンドカフェ・ズミでの会の模様。左端の泉秀樹氏が手にしているのは、佐々木敦氏のデレク・ベイリーへのインタビューが掲載された雑誌『FADER 06』

熱気に包まれたサウンドカフェ・ズミ
今回の特別ゲストの佐々木敦氏。最新刊『「4分33秒」論──「音楽」とは何か』(Pヴァイン)と、解説をご担当いただいた『めかくしジュークボックス──32人の音楽家たちへのリスニング・テスト』(工作舎、2000年)を前にして。

ターンテーブル
今回配布した特製の「デレク・ベイリーを聴く会」スタンプ・カード。ご参加のたびにDBスタンプを押させていただき、最終回(何回まで続くか未定です)までご参加いただいた方には、もれなく特典を差し上げます。

さて、次回のvol.04では特別ゲストに、日本のフリーミュージック・シーンを牽引してきたギタリスト、今井和雄さんをお迎えし、実際にギターをお持ちいただき、デレク・ベイリーのチューニング、ギター奏法など、ギタリストならではの観点からのお話を賜ります。


「デレク・ベイリーを聴く会 」70年代の音源[2]
ゲスト:今井和雄(ギタリスト)
2014年6月29日(日)18:00〜

会場:Sound Cafe dzumi サウンドカフェ・ズミ(吉祥寺)
 JR吉祥寺駅南口より徒歩5分
 武蔵野市御殿山1-2-3 キヨノビル7F tel:0422-72-7822
入場料:1500円(ドリンク付)
先着20名 要事前予約:event.dzumi[a]jcom.home.ne.jp([a]を@に変えてください)
件名「デレク・ベイリー」、氏名、人数、お電話番号をご連絡ください。
*満席の場合はお立ち見となりますので、できるだけご予約をお願いします。

デレク・ベイリーを聴く会vol.04



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