世界天文年に絡めて各地の書店で「天文学フェア」が開催されているが、ひと味違うフェアがジュンク堂書店9店舗*ではじまった。題して「天文学の夜明け：魔術から科学へ」。

「今年は世界天文年、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を夜空に向けて400年に当たる記念的な年です。当時の世界観は現代とはだいぶ異なるものでした。ガリレオとともにコペルニクスの地動説を支持したケプラーは、宇宙を音楽的調和に満ちたものと考え、ニュートンも錬金術研究に没頭していました。宗教と魔術を母体に近代科学が誕生したのです。この天文学の揺籃期の思想を軸に、地球と宇宙をどのように捉えてきたのか、コスモロジーの変遷をたどります。」

ケプラーの『宇宙の調和』他、『英国のプラトン・ルネサンス』、『ベイコン』（研究社）、『カルダーノのコスモス』（勁草書房）など、17世紀当時の科学・思想をも含んだ「天文学フェア」は他ではなかなかできない。それもそのはず、このフェアは、出版社111社が集う専門紙「出版ダイジェスト」（出版梓会発行）の常設フェアコーナーだからだ。今回、ケプラー『宇宙の調和』の刊行に際して企画提案したもの。右のポスターは小社デザイナー作。ぜひ一度お立寄を。