工作舎ロゴ 田中泯さん、吉阪隆正賞受賞


吉阪隆正賞受賞記念講演

吉阪隆正賞を受賞した田中泯さん


田中泯さん、吉阪隆正賞受賞報告

ル=コルビュジエに師事、帰国後は戦後の新しい生き方を住まいという形にして提案し、日本の建築界に多大な影響を与えた吉阪隆正氏。没後30年の節目にあたり、デザイン行為によって現代生活にあらたな光を見いだした個人または集団を対象とした、吉阪隆正賞が制定されました(日本生活学会主催)。

その第1回受賞者が、ダンサーの田中泯さん。対象業績は、「身体気象言語」から桃花村という場の生成へ。山梨県の過疎地域に、泯さんらが築いた共同体「桃花村」での活動が評価されました。「桃花村」の名は吉田一穂(いっすい)の随筆からとのこと。
桃花村の概要は以下、田中泯さんの公式サイトより。


1997年1月に、甲斐市に発足。現在、田中泯と志を同じくするメンバーが拠点とする場所。
白州町の八ヶ岳、甲斐駒山脈に囲まれた広大な盆地とは対照的な、閉ざされた斜面ばかりの過疎の山村地帯。
1997年の7月から3年で5軒の廃屋を住居とし、その修復から活動を開始する。
現在、桃花村内には、日本の古来の伝統芸能(郷土芸能)の中にある踊りや世界各地の民族舞踊の資料収集・保管所として「舞踊資源研究所」がある。
主にお茶・オリーブの栽培。養鶏(平飼い)、日常生活に食する野菜は各種、ほぼ栽培している。

2011年5月13日、吉阪隆正賞の授賞式および記念シンポジウムが、早稲田大学理工学部にて開催されました。シンポジウムは、吉阪隆正賞選考委員である、内藤廣、岡崎乾二郎、進士五十八、中谷礼仁、西川祐子、藤井敏信、松山巖の各氏に泯さんも加わって行われました。詳しくは「第1回吉阪隆正賞」公式サイトへ

記念講演記念講演

記念講演

記念講演記念講演

記念シンポジウム

写真提供=日本生活学会<撮影:遠藤翼>


この「桃花村」での踊りを定点撮影したのが、写真集『田中泯 海やまのあひだ』です。新緑の森から雪降りしきる山の舞台まで、大自然の四季の中でひとり踊る姿が鮮烈です。また、本書は泯さんと写真家・故岡田正人さんの30年におよぶコラボレーションの記録でもあるため、『遊』時代の「夢の島」の泥海、師・土方巽の指導シーンなど貴重な写真が満載。

さらに、この写真集の姉妹編というべきエッセイ集『僕はずっと裸だった(仮)』が今夏、工作舎から刊行される予定です。2007年から3年間、山梨日日新聞で連載された、泯さんの書き下ろしエッセイ「海やまのあひだ」の書籍化になります。岡田さん撮影の未公開の写真も収録されますので、どうぞお楽しみに。

田中泯 海やまのあひだ

田中泯+岡田正人=著 『田中泯 海やまのあひだ』
 税込価格 9450円




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