杉浦康平さん、「香港デザインアワード・アジアの
デザイン特別功労賞2014」を受賞
杉浦康平さん。『遊8号』表紙をバックに。
◎グラフィックデザイナーの杉浦康平さんが、香港デザインセンターHong Kong Design Centre (HKDC)による 「香港デザインアワード・アジアのデザイン特別功労賞2014」“DFA Lifetime Achievement Award 2014”を受賞されました。DFAは“Design For Asia”の略称です。(註)
◎60年余にわたりグラフィックデザインの世界に新たな地平を切り拓いてきた、創造性あふれる姿勢が評価されての受賞です。
そのアジア図像研究は多くの著作に結晶し、アジア圏に脈々と息づく文化や思想の豊かな時空へと私たちをいざないます。「とりわけブックデザインにおける精緻な表現美は、他に類を見ない」と、今回の授賞理由に特筆されています。さらに、大切に育んでこられたインドや中国、韓国、日本のデザイナーの相互交流が、世代を超えて現在に引き継がれていることにも称賛の声が集まっています。
◎2014年12月5日に香港で行われた授賞式には、杉浦さんはビデオメッセージでの参加でしたが、代わってグラフィックデザイナーの中垣信夫さんが臨まれました。中垣さんは、杉浦事務所の最初のスタッフであり、現在はミームデザイン学校を主宰されています。
杉浦さんからのビデオメッセージ（英文）上映後、挨拶をされる中垣信夫さん。挨拶文はこちら。
他の受賞者、香港デザインセンターの方々と。
祝宴会場は世界各国からの招待客でにぎわう。
会場には受賞された方々のプロフィールや作品が展示された。 杉浦コーナーでの呂敬人さん。呂さんは中国を代表するブックデザイナー。かつて渋谷の杉浦事務所で研修期間を過ごしたことがある。
DFA Awardとは
香港デザインセンター(HKDC)は2003年、DFAデザイン賞を設立。社会におけるデザイナーの役割を強調し、デザインの指導力およびアジアにおける模範的なデザインを祝福し、同時に香港の有望な若手デザイナーの活躍を称える賞としている。
DFA デザイン賞は現在12年目を迎え、次にあげる五つのカテゴリーを通して、アジアンデザインの国際的な影響力を伸展させてきた。公式サイトはこちら
DFA Lifetime Achievement Award
生涯にわたってデザインを職業とし、社会に貢献した個人に対し、デザイン界の尊敬を表すもの。
Design Leadership Award
デザインを方法、力として、持続可能な成功を創り上げたビジネスの指導者を評価するもの。
World’s Outstanding Chinese Designer
デザインの成果によって、世界的な評価を得た中国生まれのデザイナーに賛辞を贈るもの。
Design for Asia Awards
アジアの美学と文化を体現し、アジアのデザインの動向に影響を与える、広範囲なデザイン活動に対して贈られる。
Hong Kong Young Design Talent Award
有望な若手デザイナーのさらなる発展を期待し、仕事の獲得や海外留学を支援する。
杉浦康平デザインの言葉
第3弾『文字の霊力』
第1弾『多主語的なアジア』
第2弾『アジアの音・光・夢幻』