日刊ゲンダイ「見た目で買った面白読本」に
『ムーン・トラックス』

日刊ゲンダイの連載コラム「見た目で買った面白読本」に工作舎アートディレクターの宮城安総が執筆中(毎週金曜日、全8回)。3月6日の第一回は、『ムーン・トラックス』をとりあげています(2回目からは他社本)。
本のなかの本のなかの本…
…まずは、117ページの最終コマ(写真)をご覧あれ。富士山をバックにあずまやで箱庭を絵をのぞき込む男。その箱庭は、読者が見ている最終コマの縮小版であり、さらに目を凝らすとその箱庭の中にも縮小版が…という具合。
実はこの、ロシアの民芸品マトリョーシカのような「入れ子」構造が、全体を貫く隠しテーマになっている。
巻頭カラー・1ページ目は「カバーデザインのスケッチ」。一方、前述のスケッチ群は本体よりも小さめの「冊子」としてとじ込んだ。
「BOOK IN BOOK」の形式にしたのは、もちろん、先の「入れ子」構造を意識してのこと。
全体のミニチュアが巻頭ページや「小冊子」として内包されているので、読者はついうっかり「入れ子」と「自己参照」の環のなかに放り込まれる、という寸法。…