青山ブックセンター六本木店
「にほんのかたちをよむ100冊」フェア
2015年12月3日から、青山ブックセンター六本木店にて、「にほんのかたちをよむ100冊」フェアがはじまりました。『にほんのかたちをよむ事典』をテーマに、この本を10年がかりで編集した工作舎編集長・米澤敬が12のテーマに100冊選んだもの。主だった本には米澤のコメントがつきます。テーマと主なコメントをご紹介します。
『和力―日本を象る』松田行正(NTT出版):デザイナーの視点から、日本の形をめぐる素朴な疑問に挑戦。謎解きプロセスは何故かちょっとユーモラス。
『妖怪図巻』多田克己(国書刊行会):いっときの妖怪ブームで多くの妖怪画が発掘されたが、これはその白眉。出所不明の妖怪が満載。
『平安京 音の宇宙』中川 真(平凡社):音もかたちである。音にも物語があり、意匠がある。平安京に耳を澄ませば、それまで見えなかった風景が立ち上がる。
『日本の紋章』伊藤幸作(ダヴィッド社):ヴィトンのエンブレムは家紋の「パクリ」。それはともかく、家紋は日本の意匠が有機的でありながら幾何学的にもなりうることを証している。
『江戸の遊び絵』稲垣進一(東京書籍):浮世絵そのものが、遊び絵と言ってもいいくらいだが、本書は国芳一派を中心に遊戯性の強いものを厳選。遊ぶ側にもかなりの教養が要求されるものも。
『にほんのかたちをよむ事典』は、妖怪、折り紙、能など、日本文化のさまざまな「かたち」を読んで見て楽しむビジュアル満載の事典。2011年刊行ながらもこの本に惚れ込んだ青山ブックセンター担当者の熱意で、クリスマスをも軽くスルーしてフェアが実現しました。年末年始をはさんだロングラン開催を予定しています。折からの日本ブームもあり、出だしは好調とのこと。ぜひお出かけください。