『ゴジラ幻論』
2/19 毎日新聞 中村桂子氏書評
生物学の興味溢れるゴジラの世界
…著者の専門は進化発生学だが、物質の機能だけから生命現象を語ることが多い中で形態学の歴史を踏まえた比較形態学を進めている。妄想と科学が微妙に重なり合う「亜博物学」、ゴジラ幻論は著者にしか語れない。
… 著者はここでマル秘の牧悟郎博士の日記を示す。二〇一六年米国から帰国後東京湾上で失踪した博士のゴジラ作製記録である。博士は、「解剖学が見せるネットワークとゲノムから紡ぎ出される分子ネットワークがつくり出す形を重ね合わせる」努力をするが失敗、時間の中で生まれる偶然を捉えるしかないと気づく。生物学も、今この問題に悩んでいる。ゴジラと向き合うことでこの最先端課題が解けるかも……評者もゴジラの世界に引き込まれ始めている。
…学問の変化を記録するのが映画であり、今は科学が進んでいるようでありながら生きもののイメージはこのところ変わっていないという指摘に納得する。次のイメージはどうなるか。これを出すのは映画ではなく研究者だろう。 [全文は毎日新聞サイトへ]
中村桂子先生、どうもありがとうございます!
さらに裏面には「『ゴジラ幻論』より、マル秘扱いの牧博士のスケッチ」までも掲載いただきました。
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