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4月の新刊、福島清紀著『寛容とは何か』


『寛容とは何か』帯付き

4月の新刊は、近代西欧思想研究者、福島清紀著『寛容とは何か 思想史的考察』

宗教・思想・民族・格差・テロ・ヘイトスピーチ…
様々な対立によって引き裂かれた世界のなかで、寛容は共存の原理たりうるか?

シャルリー・エブド事件後、 フランスで大ベストセラーになったヴォルテールの『寛容論』。光文社古典新訳文庫版解説を担当し、近代西欧思想研究で知られる著者が、ヴォルテール、ジョン・ロック、ライプニッツ、マルクス、内村鑑三等の寛容思想の系譜を丹念に辿りながら、現代の我々に問いを投げかけます。著者がライフワークとして取り組んだ、寛容思想研究の集大成の書。

A5判上製、本体3200円、4月上旬発売予定。



■目次より

第一部 近代西欧における寛容思想の展開

第一章 政教分離の思想的基礎づけ
   ―ジョン・ロックの『寛容についての書簡』を中心に
第二章 相互的寛容への隘路 ―ピエール・ベール論覚書
第三章 17世紀西欧における教会合同の試み
   ―ライプニッツとボシュエとの往復書簡に関する一考察
第四章 《狂信》と《理性》―ヴォルテール『寛容論』再考
第五章 党派性の克服はいかにして可能か
   ―レッシング『賢人ナータン』を中心に

第二部 宗教・国家・市民社会の近代的構造連関と帝国憲法下の不寛容との闘い

第六章 国家と宗教
   ―カール・マルクス「ユダヤ人問題によせて」に関する試論
第七章 明治期の政治・宗教・教育
   ―「内村鑑三不敬事件」と「教育と宗教の衝突」論争
第八章 1930年代における「転向」の一様相
   ―文学者中野重治の軌跡
補 章 寛容は共存の原理たりうるか ―ザルカの思考に寄せて


■著者紹介: 福島清紀(ふくしま・きよのり)

1949年1月3日、島根県簸川ひかわ郡(現在の出雲市)大社町に生まれる。1972年、東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業、1980年、法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程、科目履修退学。その後、法政大学非常勤講師、東京外国語大学非常勤講師などを経て、1990年、富山国際大学人文学部助教授。1994年、同教授。2004年、同大学国際教養学部教授。2014年、同大学定年退職。2016年11月18日、逝去。享年67歳。

共著書:『災害に向きあう』『正義とは』(岩波書店)、訳書:『人間知性新論』(共訳『ライプニッツ著作集』4・5巻、工作舎)、「ボシュエとの往復書簡」(『ライプニッツ著作集第II期』2巻所収、工作舎)ヴォルテール『寛容論』(解説、光文社古典新訳文庫)など。





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