荻窪・6次元 『Ibasyo』刊行記念
トークイベント報告
「1週間前には事前予約で満席となった当イベント。会場ぎっしりの参加者で賑わい、大盛況でした。
トークでは岡原さんがこの企画を着想したきっかけ、取材時の心構えや心理的葛藤、写真・文章ドキュメントが完成してから出版にこぎつけるまでの苦労話などが語られました。「誰かのためになりたい」「自分自身を見つめ直したい」と取材に応じてくれた5人の女性たちに応えるように、“貸本”のかたちで始まったプロジェクトについても言及。世界中の読者たちがこの手製本による写真集を読みこみ、密度の高い寄せ書きを記してくれた経緯を明かし、思いが巡りめぐって女性たちのもとへ還っていく様子が詳らかになりました。
岡原功祐さん
工作舎アート・ディレクター 宮城安総
後半では工作舎アート・ディレクターの宮城も登壇。岡原さんと初めて本書の打合せを行ったさい、「女性たちのパーソナルなストーリーを、読み手もパーソナルな空間に持ち込んで、ひっそり、そしてじっくり読んでもらいたい」と話した著者の要望に応えるため、どのような造本設計をほどこしたか、デザインや印刷の歴史にまでさかのぼりつつ、繊細なデザインの構造をこまやかに語りました。
本書が全国の書店さんにお目見えするのはこれから。より多くの読者の方がたに読んで見てもらいたいと、今後の展開を期待するムードでトークは終了となりました。」(工作舎編集部 葛生知栄)