祝:谷賢一さん、鶴屋南北戯曲賞受賞
谷 賢一さん
劇作家の谷賢一さんが、最新作の「福島三部作・第二部『1986年:メビウスの輪』」で第23回 鶴屋南北戯曲賞を受賞されました。おめでとうございます!
原発誘致から東日本大震災まで50年間にわたる政治・経済・家族のドラマを描いた『福島三部作』は而立書房さんから11月に書籍化され、絶賛発売中。谷さんの書籍はこの『福島三部作』と工作舎の『従軍中のウィトゲンシュタイン(略)』だけ。
『従軍中のウィトゲンシュタイン(略)』は、正式タイトルを『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行「──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか? という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』といい、2013年に初演された谷さん自身が認める代表作。その上演タイトルのままに書籍化しました。こちらもよろしくお願いします。
谷 賢一(たに・けんいち)
劇作家・演出家・翻訳家。1982年福島県生まれ、千葉県育ち。明治大学演劇学専攻。在学中にイギリス留学し、ケント大学演劇学科に学ぶ。その後、主宰劇団DULL-COLORED POP(ダルカラードポップ)を旗揚げ。文学性や社会性の強いテーマをポップに表現する。劇団代表作に『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』。
2013年、海外戯曲『最後の精神分析──フロイトVSルイス──』の翻訳・演出で第6回小田島雄志翻訳戯曲賞、文化庁芸術祭優秀賞を受賞。海外演出家の作品に上演台本や演出補などで多数参加。2016年、セゾン文化財団ジュニア・フェローに選出される。
2019年夏、『福島三部作』を一挙上演して1万人を動員。2019年12月に神奈川芸術劇場で『マクベス』を上演。