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2月の新刊『アルス・ロンガ』見本

『アルス・ロンガ』カバー表1

2月の新刊『アルス・ロンガ—美術家たちの記憶の戦略』の見本ができました。
カバー表紙は、ヴェネツィアのサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂に設置されている、19世紀の彫刻家カノーヴァのためのモニュメントです。この作品について、本文では次のように説明しています。

「葬列がピラミッド前面の扉に向かう。先頭の婦人は彫刻の寓意像で、ヴェールで全身を覆い、遺灰をいれた壺をもち、奥に向かって半開きになった扉からピラミッドの中へ足を踏みいれようとしている。これにつき従うのは絵画と建築の寓意像である。左手では、ヴェネツィアの守護聖者聖マルコのシンボルのライオンがカノーヴァの死を嘆いている。扉の上には大文字でカノーヴァの名前が記され、その上で、飛翔する天使がカノーヴァの横顔の浮彫をいれ、蛇によって囲まれたイマゴ・クリペアータ(円形肖像)を支えている。」(本文1章より)

この写真の下にあしらった赤銅色の箔が煌めいています。タイトルや帯の背景は大理石模様に。 カバー背の作品は、先のカノーヴァ・モニュメントの先頭の彫刻の寓意像。表紙とは別の角度からの写真です。 カバー裏表紙にも同じくカノーヴァ・モニュメントの絵画と建築の寓意像。

『アルス・ロンガ』カバー背
カバー背:カノーヴァ・モニュメントの彫刻の寓意像

『アルス・ロンガ』カバー表4
カバー裏表紙:カノーヴァ・モニュメントの絵画と建築の寓意像

本書の中でカノーヴァは重要な位置を占め、1章ではモニュメント、4章で複製版画、7章で葬儀、10章で記念建築群についてと、さまざまな角度から言及されます(目次参照)。また、8頁のカラー口絵、本文にもモノクロ図版約300点が収録。
書店では2月27日頃に店頭に並ぶ予定。ぜひお手にとってご覧ください。

ベックリーン《死の島》部分とミケランジェロ《フィレンツェのピエタ》/『アルス・ロンガ』口絵
ベックリーン《死の島》部分とミケランジェロ《フィレンツェのピエタ》/口絵より

ロダンの葬儀。参列者のあいだにそびえる《考える人》/『アルス・ロンガ』3章より
ロダンの葬儀。参列者のあいだにそびえる《考える人》/『アルス・ロンガ』3章より

シーガル《ピカソの椅子》、《椅子に座るピカソ》マダム・タッソーの蝋人形館、ピカソ《ヴォラール連作74番》/『アルス・ロンガ』6章より
シーガル《ピカソの椅子》、《椅子に座るピカソ》マダム・タッソーの蝋人形館、ピカソ《ヴォラール連作74番》/『アルス・ロンガ』6章より






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