10月の新刊 福井栄一『解體珍書』
10月の新刊は、福井栄一著『解體珍書—カラダのフシギなモノガタリ』
いちばん身近なのに、いちばん不可解…なかなか本人の思い通りにならない「人体」にまつわるさまざまなエピソードを、古典文学から集めに集めて現代語訳。頭のてっぺんからつま先まで、怪談・奇譚・珍談がよりどりみどり! 妖しくて愉しいカラダのフシギをときあかす。
昨年スマッシュヒットした『十二支妖異譚』につづく、上方文化評論家・福井栄一さんの古典読み物第2弾です。B6変型/丸フランス装、188頁、本体1600円。10月下旬刊行予定。どうぞお楽しみに。
■目次より
はじめに頭首の章
あご 顎を見て分かったことあたま 頭が形見
かお 顔を描くのもひと苦労
かみ 髪の色を変えられた男
くち 口から吐き出された魚
くちびる 唇が狙い目
くび 首をはねられた男
こえ 声の主はだれか
した 舌の生命力
つば 唾はどんなにおいか
なみだ 涙に暮れた馬
のど 喉に刺さったもの
は 歯を抜く値段
はな 鼻の穴騒動
ひたい 額を割って出てきたもの
ほお 頬が腫れているのはなぜ?
みみ 耳の穴の秘密
め 目玉はどこへ?
がいこつ 骸骨が教えてくれたこと
胴体の章
かた 肩のことで笑われた男きも 肝のありか
こし 腰のほくろが決め手なのに…
しり 尻を蹴られた盗人
せ 背を噛まれた猿
ちち 乳をやるのはだれか
はら 腹いっぱい食べたのに
むね 胸に秘めたるもの
わき 脇にはさんだ機転
手足の章
あし 足が動かぬ証拠うで 腕が長い利点
かかと 踵はどこへ行ったのか
こぶし 拳でなにを退治したか
たなごころ 掌の中身
つめ 爪にこもった想い
つめ 爪の血
て 手が招く
ひざ 膝をついていた者
ひじ 肘を折って得たもの
ふくらはぎ 脹脛の威力
もも 腿の肉
ゆび 指が目印
ゆび 指の力
つばさ 翼が生えた僧
出典一覧
おわりに
■著訳者紹介
福井栄一(ふくい・えいいち)
上方文化評論家。1966年、大阪府吹田市出身。京都大学法学部卒。京都大学大学院法学研究科修了。法学修士。四條畷学園大学看護学部客員教授。京都ノートルダム女子大学国際言語文化学部および関西大学社会学部の非常勤講師。上方の芸能や歴史文化に関する講演、評論活動を精力的に行い、マスコミ出演も多数。本書が通算35冊目の著作となる。剣道二段。