「ジェンダード・イノベーション」の提唱者、ロンダ・シービンガー
2023年4月22日 朝日新聞 be reportに「ジェンダード・イノベーション」が取り上げれ、提唱者の米スタンフォード大学のロンダ・シービンガー教授と代表作『科学史から消された女性たち』も紹介されました。
「…GI(ジェンダード・イノベーション)は、米スタンフォード大のロンダ・シービンガー教授が05年に提唱した概念だ。教授は日本では約30年前に翻訳され、昨年に改訂新版が出た「科学史から消された女性たち」(工作舎)を発表するなど、男性中心だった科学領域にジェンダーの視点を取り込むよう早くから訴えてきた。…」全文は[朝日新聞公式サイトへ]
「ジェンダード・イノベーション」は、研究や技術開発で「性差」を考慮することが技術革新をもたらすという概念。今週末4月29日・30日に放送予定のNHKスペシャル「“男性目線”変えてみた」 も「ジェンダード・イノベーション」を土台にした番組で、第1回「性差医療の最前線 〜同じ病でも男女に違い!?」にお茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所の佐々木成江特任教授がスタジオ出演され、第2回「無意識の壁を打ち破れ」にロンダ・シービンガー教授のインタビューが予定されています。
NHKスペシャル「“男性目線”変えてみた」2023年4月29日(土)夜10時〜第1回「性差医療の最前線 〜同じ病でも男女に違い!?」
2023年4月30日(日)夜9時〜第2回「無意識の壁を打ち破れ」
NHK公式サイトはこちら
一方で、青土社「現代思想」2023年6月号(2023年5月末発売)では、「無知学/アグノトロジーとは何か」が特集されます。その対談や論考には、『植物と帝国』で「アグノトロジー」の重要性を説いたシービンガーへの言及も多いとのこと。
目覚ましい活躍で影響を与えるロンダ・シービンガーの邦訳は、科学史家の小川眞里子先生が中心となって工作舎から4作を出版しています。
【ロンダ・シービンガー Londa Schiebinger の本】 | ||
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科学史から消された女性たち 改訂新版ロンダ・シービンガー 自然哲学者キャヴェンディッシュ、物理学者デュ・シャトレ、昆虫学者メリアン…。アカデミーから排除されながらも、後世に残る仕事を残した才気あふれる女性科学者たちに光を当て、科学の価値中立神話をジェンダーの視点から突き崩した記念碑的書。 |
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女性を弄ぶ博物学ロンダ・シービンガー リンネが命名した「哺乳類(ママリア、字義どおりには乳房類)」という分類名には、女性を妻・母のジェンダーに限定していく裏面もあった。18世紀の博物学者の虚妄を暴く。 |
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ジェンダーは科学を変える!?ロンダ・シービンガー 科学は公正中立か? 教育の機会はジェンダー・フリーか? 家事と育児は誰がするのか? 科学のフィールドから女性が排除される社会的・文化的背景を徹底的に洗いだし、ジェンダーの視点から新しい科学の可能性をさぐる。 |
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植物と帝国ロンダ・シービンガー 18世紀重商主義のもと、植民地でも本国でも、女は多産であることが望まれていた。中絶薬となる植物を通じて、カリブ世界とヨーロッパをめぐるジェンダー・ポリティクスを読み解く。アメリカ歴史学会大西洋世界史賞、フランス植民地歴史学会Heggoy賞、アメリカ医学誌協会薬学史Ester賞 受賞。 |