3月の新刊
『中世パリの装飾写本 改訂新版』
3月の新刊は、 『中世パリの装飾写本 改訂新版』 です。
「入門書にして決定版という稀有な一冊」鹿島 茂
13世紀から15世紀初めのパリ。
ベリー公の『いとも豪華なる時禱書』『ブシコー時禱書』など、
きわめて美しく豪華な装飾写本が多数生みだされた。
書物が身近な存在となり、黙読が普及していくのもこの時代のことだった。
文字と挿絵が共存するという書物の場、それを読む読者の姿について
思いを巡らせながら、写本装飾の変貌をたどる。
中世写本美術の入門書であり、読書の歴史を語る書物論でもある。
本書の初版は2015年。著者の写本装飾研究者・前川久美子さんの「改訂新版のあとがき」で次のように綴っています。
文章の見直しは全ページにわたり、中でも10章コラム「ベッドフォードの画家」は全面差し替え、11章「写本装飾のピーク:ランブール兄弟——ベリー公の『いとも豪華なる時禱書』」も大幅に加筆されています。さらにカラー(ギャラリー)を4頁増補しました。
また、新たな帯の推薦文には、フランス文学者にして愛書家として知られる鹿島茂氏の「入門書にして決定版という稀有な一冊」を書評より引用させていただきました。
A5判上製 268頁(うちカラー50頁)、本体4500円+税、3月下旬発売予定。 目次はこちら。
■販促企画いろいろ
昨今の印刷費用の値上がりから定価をあげざるをえなかったため、販促企画を考えました。
1)読者プレゼント
本書を購入した読者の方にA・Bどちらかを抽選でプレゼント。帯折り返しの応募券を郵送してご応募ください。
A:ベリー公の『いとも豪華なる時禱書』暦の特製ポストカード12枚セット
B:特製アクリルグッズ
*Bのアクリルグッズは鋭意制作中。ベリー公の『いとも豪華なる時禱書』からのキャラクターを用いたキーホルダーとアクリルスタンドを複数種検討しています。サンプルはこちらをご覧ください。
2)書店購入特典
書店で1冊購入すると、特典「羊皮紙の切れ端」が1枚つくキャンペーンを行います。キャンペーンを行う書店リストはこちらで公開中。
■目次より
第I部 図版編第II部 テクスト編
第1章 パリ写本装飾の始まり——『教訓聖書』
第2章 ものがたる写本絵画——『聖ルイの詩編』
第3章 声から文字へ——『梨物語』
第4章 聖書絵本と黙想——『マダム・マリーの祈禱書』
【コラム】写本画家オノレ
第5章 中世パリの日常生活——イヴ作『聖ドニの生涯と殉教』
第6章 写本装飾の革新:ジャン・ピュッセル——『ジャンヌ・デヴルーの時禱書』
第7章 個人全集の成立——『ギヨーム・ド・マショー作品集』
第8章 政治思想を反映する写本絵画——『フランス大年代記』
第9章 数奇な運命をたどった装飾写本——ベリー公の『聖母のいとも美しき時禱書』
第10章 中世末のエコール・ド・パリ——『ブシコー時禱書』
【コラム】ベッドフォードの画家
第11章 写本装飾のピーク:ランブール兄弟——ベリー公の『いとも豪華なる時禱書』
【コラム】ベリー公の『美しき時禱書』
第12章 最後の大傑作——『ロアン大時禱書』